猫は作戦準備に取り掛かる。
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グランダス聖王国の事は、レフルドが領主様や他のギルドにも連絡を入れたようで、薬師ギルドからは直ぐに「支援する」と宣言が出された。
グランダス聖王国の事がよっぽど嫌いなようだ。仲間だ!
商業ギルドは立場上、中立としているが、どうやらこの国のギルドはこちら側の味方のようだ。
グーデルンの街中に今回の事が知れ渡り、街の住人や冒険者達も応援してくれるようだ。
その事で、グランダス聖王国側である教会から煩く言ってくるかと思われたが、沈黙状態が続いている。
なぜかグーデルンにある教会は、ここ最近ずっと閉まっている。
どうやら金汚い狸似の神父の様子がここ最近おかしいようで、部屋に引きこもっていたり、でっぷり腹を揺らしながら森にフラフラと出かけたりしているらしい。
教会側からの反応は全く無く静かである。
そう言えば、『狐』の仲間達もフラフラ森に向かってるのを目撃したな。まぁ、どうでも良いや。
数日後、しばらくしてギルドからの情報が入った。
聖王国の特別隊は、聖王国側にあるグデデの大森林に接した街に到着したようだ。
因みにグルン村がある『グデデの大森林』は大陸の中心に位置し、大森林を囲う様にU字型に、幾つもの国が存在している。
大森林の北側には高い山々が連なっており、山脈を超えた向こうには閉ざされた氷の世界が広がっていると伝えられている。
グデデの大森林は兎に角だだっ広いので、大森林はどの国ともされておらず『開発できるならお好きにどうぞ』が周辺国の暗黙のルールのようだ。
但し、大森林はモンスターの楽園である。浅瀬以外は安易に踏み込めない土地でもあり、無理に踏み込んだ事で街や国が滅びた事例が幾つか伝えられている。
そう思うとグランダス聖王国は一体何がしたかったのだろう。
「頼まれてたマントと靴が一部仕上がってる。400着と150足分だ」
レフルドから品を受け取る。
「助かる。俺は暫く飛び回っている。もし新しい情報があったら、家の子ども達にメモを渡しておいてくれ」
「分かった。ところで商業ギルドに未使用のスクロールを注文してたが、もしかして作れるのか?」
何か、期待を込めた瞳で見つめられた。
「ああ、ウチの王様は作れる。今まで石に書いてたが、便利な物があってありがたい」
「聞くのが恐ろしいが、どのレベルだ?」
「上級ぐらいはできるぞ。だがそれ以上は、普通に使えない魔法だし、使用時の魔力もそれなりに必要になるから作らない」
「……作れないではなく、作らないんだな。因みに、その凄い魔法はどんなものだ?」
興味があるのか、更に聞いてくる。
「地面を割けたり、竜巻を起こしたりするより上だ。使うと、地形が変わるモノが多い」
「そうか…」
反応が薄い。
本当にすごい魔法なんだぞ!ダンジョン内しか使った事ないが。ん〜凄さが分かってもらいない!見せられないのが残念だ!
「あっ王様が作るマジック袋もそういった類の物だ!」
「確かに!あれもそういった物だったな!普通ダンジョンからしか発見されない制作不可能な品だったから、ピンと来なかったが、そうか!確かに凄いな」
マジック袋の方は反応が有ったな。納得したようなので、話しは終了……
「ギルドにもスクロール卸せないか?」
「……王様に伝えておくが、聖王国の件が全て終わってからだな」
王様は何かと忙しいんだ!
マントにはタカシに頼み、オリジナルワッペンを背中に取り付ける。
理由は、『師匠のマントのマークがかっこよかったから』
以前、タカシに話したら、オリジナルワッペンが作れることを知り、お願いして準備しておいた。
猫さんでは縫えないから、アイロンで接着するタイプにしてもらった。
小ちゃなアイロンなら俺でも使えるので、タカシと分担して二人でアイロン掛けをしていく。
今後はカイト達で縫い物が得意な子がいれば、縫いつけを頼む。
かっこよく出来上がった猫のデザインワッペンを見た時は、タカシと二人で大興奮で騒いでしまった。
以前、タカシが騒いでお隣さんに叱られたので、以降は『防音魔法』をかけてある。抜かりは無い。
接着し終えたマントと靴には俺が付与魔法を掛けておく。
マントは普段から使える【治癒魔術】と【回復魔術】【3Dマッピング】を。
靴は、戦闘時特化した【体力上昇】や【長距離攻撃】などを付与した。
普段は履くのがめんどくさいので、猫さん達の普段は裸足だ。
靴はダンジョン以外では必要ないが、しばらくはお披露目しようと履く猫さんが多くなるだろう。
他にも日本で買ったウエストポーチは【マジック袋】にし、数日のキャットフードやお水など、他にもポーションの類も常備させる。
ついでに俺のマントとブーツも新調した。(うん!完璧だ!)
「名前は何て言う隊なの?」
タカシに質問されて、隊に肝心な名前が無いことに気付く。(忘れてた)
「ねこねこ隊は?」
「なんか、その名前だと強そうじゃないな……。あっコピーキャットって言葉が、この前テレビから流れてた!キャットだキャット!猫だ!」
「トノちゃん、それ模倣犯って意味だよ」
ダメだ!猫でお巡りさん達に追いかけられて良いのは、3人の美人な姉妹しか許されない!後は、実行犯のお魚咥えて逃げるドラ猫さんだけだ。
「猫、猫、猫に小判。猫の額。借りてきた猫。猫背。猫をかぶる……」
あーだこーだと、タカシと名前を出した合った結果、猫に小判→小判→お金→ゴールド。
「ゴールド隊に決定!」
名前の響きもかっこ良いし覚えやすい。
こうしてグルン村の守備を整えつつ、捕まらない事を一番に考えた防衛に徹する。
いざと言う時の避難場所も確保できた。
頭脳戦では人間には勝てない。が、魔法のゴリ押しと逃走術なら猫の方が上だと信じてる。
暫く緊張が続く日々に、猫さん達が耐えられるかが問題だ。
「どうせなら、ダンジョンの攻略した回数や階層数で認定証代わりにステッカーをあげるとか、どんどん攻略すると色んなステッカーが貰えて、マントに取り付けて行くってゲームみたいで楽しくない?靴はゴールド隊任命された猫さんだけが貰える特別製だから、かっこいいと思われれば貰うために頑張るだろうし、敵が来るまでの丁度いい緊迫した空気の吐口と戦闘の練習にならない?」
ナイスアイデア!早速、実践する為に、グルン村の皆んなへ報告だ!
攻略階層の上位には、ゴールド隊として任命の証として『ゴールド隊』エンブレムが付いたマントと靴を渡される。
勿論、怠けて一定以上に実力が下がればゴールド隊のエンブレム付きマントと靴は回収されてしまう。
他にも、規定階層をクリアした猫さんには、普通のマントとステッカーを支給する事にした。
ステッカーの在庫は十分にある。
あれからタカシと調子に乗って、他のパターンのステッカーを幾つか製作したからだ。
猫さん達には大好評だった。
そして、自慢げにステッカーを見せて歩く猫さん達がグーデルンの街に溢れた。
【次の更新日】
7月4日 土曜日 21時〜23時(21時近くで更新予定です)
※急遽、変更する場合は、前倒しでの更新を心掛けます。
同時更新『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時
都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。
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