猫は避難場所を確保する。
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「代表者達を連れてきました」
芋虫になった少年カイトとその弟のライトは、借金返済の為に今は俺の家に住んでおり、グーデルンで俺の手伝いをさせている。
家は小さいが内装を改造して、1階は天井を高く人間サイズに変え、水回りも人間サイズに改装した。
その分低くなった2階と3階はロフトを利用し、外からは3階建てだが、家の中は2階建てにロフト付きの家にリフォームした。
リフォームした家なら大人でなければ問題無いサイズだ。
同じ路地裏の仲間も、「悪さをしなければ、この家に入れる内はここで暮らして良いぞ」と許可を出しす。
今では、合計10名が暮らしている。
俺が言うのもなんだが、皆んなちっこいから嵩張らない。
「飯くれるって聞いたんだが…」
代表の子が問い掛けてきた。
「やるぞ、人数を教えろ」
「…うちは9人」
「俺達は12いる」
「7だ」
「11人です」
「分かった]
俺は大量のパンと干し肉を出してカイトとライトに配らせた。
「誰か料理できるやついないか?ウチで雇うぞ」
ついでに、料理が出来る子どもを勧誘する。
その言葉に各リーダーが自分の所の仲間を猛アピールしだす。皆んな必死だ。
「条件は、真面目に働くのと、この家に入れるサイズの人間だ」
数名はサイズ的に脱落したようだが、屋台を出そうと思うから、その時は声を掛ける事を伝えた。
広場で毎日開催されている市場は、30ミューレで店が出せる。
まずは屋台からのスタートだ。人員は確保できそうだな。
俺が出店する事をどこからか聞きつけ、冒険者ギルド長のレフルドが「何を売る気だ!」とわざわざ商業ギルドまでやって来た。
やっぱりギルド長は暇なんだな。
子ども達が出す屋台の事は、すぐに話が終わった。
ついでに、冒険者ギルドにも用事があったので、俺は暇なレフルドの手を引いてギルドに向かう。
家の入り口は少し大きくしたが、他と比べたらかなり小さめだ。なので大きな子どもが入ることは難しい。
「普通の人間サイズの家を借りたい。出来れば、ウチの近くで」
窓口で家の相談したのに、ギルド長の部屋に連れてかれる。
仕方ない。今日は久々に暇してるギルド長の相手をしてやろう。
「今度は何する気だ」
「路上で生活していた孤児達を俺の家に住まわせて、手伝いをさせる」
「何を手伝わせるんだ!危険な事じゃ無いよな」
驚きながら質問してくるレフルド。
「市場で屋台を出からそれの手伝いだ。その他は、俺達では出来ない、作業の手伝い等を考えている」
「具体的にはどんな仕事だ。お前達はどうも俺らと常識が違い過ぎる。話せるなら話せ!」
確かに、納得だ。否定はしない。
「ご飯作りの仕事と針仕事や掃除関係かな。基本は屋台での商売だ。猫は商売は向いてない」
作ったとしても自分たちで食べるか誰かいにあげてしまうから、飲食業は無理だ。いや、他も向いてない事ばかりだがな、猫さんは。
「…お前達は一体何をしたいんだ?全く分からん。既にここに持って来るモノだけでも充分な、いや、とんでもない金額になっているのに、わざわざ孤児を使って商売させる意味が全く理解出来ん」
怪訝そうに俺を見つめる。
「理由としては、俺達は騙されやすいから、ここでの味方作りだ。この街で頼れる人間を確保しておきたい」
「その為の、家と仕事か?」
「そうだ、『生活』を提供する代わりの見返りだ。もし、俺達の事が気に入らなければ、強制では無いから出て行けばいい。止めはしない」
オーナーは俺達だ、わざわざ騙す奴はいないだろう。もし、そんな奴がいれば追い出せば良いだけだ。
「味方か。具体的にはどう言う事だ?」
詳しく、レフルドが尋ねてくる。
「買い物しても騙さない。あそこに連れて来た奴らと手を組まない。だ」
「あの国の連中とか?」
不思議そうな顔をする。
「ああ。また、アイツらが来る情報を得たからだ」
「なっ!どこからの情報だ!と言うか、それはどんな情報だ!?」
驚きを隠さず凄い勢いで、俺に質問してくる。
「情報源は同族からだ。理由は、俺達の力がモンスターの中でも死霊系に特化してると分かったから、連れ戻しに来る」
「なんだそりゃ!?アホな国だと思ってたが…」
内容に呆れるレフルドだが、直ぐに真面目に俺に問いかけてきた。
「で、どうするんだ?お前達は。迎え撃つのか?逃げるのか?」
今までなら皆んな逃げる一択だったが、今回は違う。こっちの世界まで、俺らの居場所を取られてなるものか!
「迎え撃つつもりだ。だが、失敗した場合は、一族みんなで安全な所に逃げる」
「その為の資金と、味方か」
「本来の使い道とは違ったがな。向こうが来るなら対策が必要だ」
腕を組みながら考えるレフルド。
暫くして、レフルドが徐に尋ねてくる。
「逃げ込む安全な場所は、この街以外にも他にはあるのか?」
「ここだけだ。本来、買い物の為に来ていただけだ。避難場所なんて考えて無かったからな。向こうが攻めて来るから急遽、そうなった」
「分かった。家の方は近日中に探しておく。グランダス聖王国の事はこちらも協力するようにしよう。相手はどれくらいでロイ達のいる場所に到着しそうか分かるか?」
「今回、アイツらは転移系は使えない。だから直接来るから日数は分からないが、もうそろそろ森の入り口に着く頃だろう」
「転移系が使えないとはどう言う意味だ?お前何かしたのか?!」
レフルドが驚くのも無理はない。
転移系の魔術は、あの聖王国の十八番であり、徹底的に管理されて極秘扱いとされている為か、転移系の魔術に至っては、術の全容や仕組みなど全く外には知られていない。
魔道具を分解しても、転移系の魔術の初歩がわからなければ解読は不可能だ。
なので俺が何をしたのか気になったのであろう。
「アイツらが設置した、魔法陣や魔道具は全て俺が解除して消去してやったからだ」
呆れながら俺を見るレフルド。
「ロイ。お前、何でもありだな」
「それほどでも無い」
いつも以上にドヤ顔をする猫がいた。
【次の更新日】
7月2日 木曜日です。
更新時間は21時〜23時です。(できるだけ21時に更新目標)
同時更新『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時〜23時
都合で変更する場合は【次の更新日】でお知らせします。
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