猫は里子に出されます。
里親たちは次の日曜日に来るらしい。
いつも日曜日な猫には曜日の感覚が薄いが、毎朝必ず飼い主のお婆ちゃんが朝のテレビ番組を観ているので、そこから曜日などの情報を仕入れている。
先日の動物病院で討伐した『黒い変なモノ』のお陰でで650ポイントも貯まった。ウハウハだ。
以前から気になっていたのだが、既に選択しているスキルなのに、スキルボードの画面から未だに選択表示されている。
気になり、同じスキルを選択してみると取得でき、今度はレベル表示が付くようになった。
再選択では10ポイントでLV.1、更にもう一度選択では20ポイントでLV.2、更にもう一度では30ポイントでLV.3になった。
いろんなスキルの取得とレベルアップをしたことで、効率良くポイントを稼げれるようになりました。
例えば【気配探知LV.1】で『黒い変なモノ』を探し【浄化魔法LV.3】を飛ばしてやっつける方法とか。【浄化魔術LV.1】を【定着】のスキルで設置すると、そこを通過した『黒い変なモノ』を自動でやっつける事が出来た。ただし、連続での継続時間は一日なので、毎日【定着】で設置する必要がある。
一番ヒットする場所は玄関で、どうやら外に出かけてたお婆ちゃんに引っ付いてくるようだ。
『光玉』は兄弟に譲る。彼らもこれからの猫生にスキル取得が必要になるからだ。
【魔力貯蔵庫LV.1】にしたら10万まで貯まるようになった。余裕が出来たらレベルを上げておこう。
「ま〜可愛いわね」
「どの子も可愛いわね」
本日は初の里親希望者がいらっしゃっている。おめかしにと浄化魔法で兄弟達をピカピカにした。
ついでに里親希望者さんに付いて来た『黒い変なモノ』を【浄化魔法LV.3】で浄化…おや?浄化出来ない。
ならばと40ポイントを使って【浄化魔法LV.4】に!えっまだ出来ないの?ならば【浄化魔法LV.5】で!
ようやく浄化できた。なんか凄いこびりついた感が有った『黒い変なモノ』だった。だが一回で【討伐200ポイント】もゲットできた。
「あら?なんか一気に疲れが取れた感じがしたわ」
「子猫ちゃんの癒しじゃないの?」
「かもしれないわね」
楽しそうに笑う里親希望者様達だった。
兄弟2匹が里親と一緒に旅立っていった。
たった3ヶ月ばかりの短い生活だった。寂しいが、彼らの幸せを祈ろう。残りの弟妹は俺を含めて3匹だ。
「「な〜(に〜たん)」」
残った弟妹がじゃれついてきた。
別に兄ではないと思うが、里子になった2匹も俺のことをいつの間にか「にーたん」と呼んでいた。
「「な〜な〜(どこ?いないね?)」」
居ない2匹を探しているようだ。
どう答えたらいいのか分からない俺は、一緒に戯れて構ってやるしか出来なかった。
次の週の日曜日、又、別の里親希望者がやって来た。
一組は飼い主のお婆ちゃんの子供達のようだ。
もう一人は、なんか変だ。
【直感】と【危機察知LV.2】がビンビン反応している。
咄嗟に弟妹に【浄化魔術LV.2】と【浄化魔法LV.5】を掛ける。【浄化魔術LV.2】の継続時間は2日続く。
『黒い変なモノ』は浄化したところには近付かない。だってそのもう一人に付いてる『黒い変なモノ』には顔が有った。不気味に笑う顔だ。初めて見る。
母上も毛を逆立たせて威嚇して、俺らを守っている。
「やっぱりダメね!どの動物達に嫌われるのよね私」
「本当ね、マーイは大人しいし、子供達も人懐っこいからイケると思ったんだけど残念ね」
「ごめんなさいね、まさかマーイまで。先週、子供を2匹里子に出したから気が立ってるのかしら」
今の内に念の為、浄化魔法のレベルを上げておく。
その日は母上が気が立っていると言うことで、お婆ちゃんの子供達も帰って行った。
だが、『黒い変なモノ』の顔付きの嫌な感じが残っていたので、母上も弟妹も落ち着かずにいた。
ならばと【浄化魔法LV.8】まで上げて浄化してみたら、綺麗に消え去ったので皆んな落ち着きを取り戻しだ。
翌日驚いた事に、家中に『光玉』が溢れていた。母上は邪魔そうに“てしてし”している。
弟妹は楽しそうに“てしてし”したり、飛びかかって遊んでいた。
俺も久々に『光玉』を“てしてし”している。
『光玉』も『黒い変なモノ』も人間には見えてないようだ。スキルボードも見えていない。
兄弟達のスキルボードの設定は、俺が選択してきた。まずは生き残る為に必要なモノへと振り分け、お別れ時には自動選択に切り替えた。
あれから数日後、お婆ちゃんの子供達がやったきた。今度は大人の男と赤ん坊と小さい女の子と一緒に連れきた。
「さっきまで泣いてたのに急に泣き止んだな」
「最近ずっとぐずついてたのに」
「この猫ちゃんに触られたら、急に泣き止んで笑い出したわよ」
そう、俺が赤ちゃんに付いてた『黒い変なモノ』を取ってやったからだ。あっまた『黒い変なモノ』“てし”
「ぐずりそうになると、頭を猫パンチされて笑ってるんだけど、うちの子…」
「相性が良いんじゃないの?この猫ちゃんにしたら?」
「じゃ〜、ミキはこの子が良い」
「ちょっと一匹だけの約束でしょう!」
「いや!だってレンたんはその子、だからミキはこの子!」
「も〜!ミキったら。姉さん家はどうするの?」
「家はどの子でも良いわよ。母さんは良いの?一匹も居なくなるけど」
「問題ないわよ。父さんの事で避妊手術するタイミングが遅くなって、手術前に妊娠が分かったから仕方なくだったし」
「じゃあ、私ん家はこの子で」
「も〜2匹なんて、パパからも言ってよ」
「いや〜俺も猫好きだから良いんじゃないかな〜て」
「やった!!」
こうして俺は妹と一緒に引き取られる事になった。
「本当に不思議よね、子猫が赤ちゃんの子守をしてるなんて」
「なぜか、ぐずると猫パンチされて笑いだすし、オムツの時はロイが鳴いて知らせてくれるのよ。助かるわ〜」
「猫のベビーシッターね」
「本当、トイレも一回で覚えてくれて。初めは2匹なんてどうしようかと思ったのよ、赤ちゃんも居るんだから無理だって言ってたのよ。母にはどうしても無理なら一匹返すとは言っておいたけど、この分なら必要ないかも」
俺はロイと言う名前を貰い、新しい棲家であるマンションで暮らしている。ちなみに一緒にいる妹はミミと名付けられた。
俺は将来、去勢されてここの家の猫として全うするか、飛び出して自由な野良の世界で生きるか、正直どうしようか考えあぐねてます。あっまた『黒い変なモノ』が“てし”。
なぜかこの赤ん坊のレンに、やたらと『黒い変なモノ』が寄ってくる。
ここは生家より街中で以前より『黒い変なモノ』が多く、ポイント稼ぎにはもってこいだが、ここにいれば後3ヶ月もすれば手術が…。
ミミは「ひとりヤダ、に〜たんついてく」と言ってる。ミミの猫生が掛かる重大な決断だ。どうしたらと考えてしまう。
「それにしても、猫ちゃん達が来てから、お邪魔する度に何か清々しい気分になるのよね」
「やっぱりそう思う!?私もなのよ。主人も何だか溜まってる疲れが取れた感じがするって言ってるのよ」
「福猫かも知れないわね」
「本当にね」
そう思うのでしたら、是非、去勢手術は無しのお考えでお願いします。
赤ん坊のレンの『黒い変なモノ』討伐は1日で350ポイントも貯まる。
【気配探知LV.3】で『黒い変なモノ』を探して【浄化魔法LV.9】で討伐の日課は1日で2500ポイントだ。
かなり色んなスキルとレベルアップができた。どうせならと思い切って【浄化魔法】をLV.10にしてみたら
【浄化魔法の上限に達しました。新しいスキルを解放します】
となって、解放されたスキルが【神聖魔法】と言う名だった。
残念ながらノミ駆除用スキルではなさそうだ。
他にも【空間魔術】【空間魔法】や関連するスキルは全てレベルアップ。そして【時空間魔術】【時空間魔法】
になった。夢だった時間停止のアイテムBOXスキルをゲット!
もう既に猫?になっているが、誰も気づかないので問題はない。
意外と猫?な御仁は多いかも知れないが、いつも寝ている猫なので知られていないだけなのかも。
万が一の為に、今は少しずつ餌を【時空間魔術】で作った時間停止のアイテムBOXで保存している。
新しい飼い主は「キャットフードの減りが早い」と思われているが、猫なので知らん顔して寝ている。
あっ、また『黒い変なモノ』が“てし”。
月日は流れ、とうとう俺たち兄妹の避妊・去勢手術の話が出た。そろそろ脱出を考えなければと思っていた。ら、
「猫達が居なくなってる?」
「そうなのよ、最近ニュースでね。野良だけじゃなくて飼い猫も行方不明に、中には病院に預けておいた子やペットショップにいる子も消えてるって噂なのよ」
そうなのだ、実は最近では朝のニュースで話題になっていた。
ミミには「知らない人間や猫に、餌をやるって言われても付いてっちゃダメだぞ」とは常に言い聞かせ、連れ去り対策はしている。
だが今回の出来事は、おそらくだが一月ほど前から頭の中に流れてくるメッセージが理由だろう。
『楽園においで。ポカポカのお昼寝場所が有って、美味しいものが沢山あるよ』
などと言う怪しい勧誘が頭の中に響いてくる。
ミミも「にーたん行こう!」と初めはノリノリだったが、
「ミキとレンとお別れになるかも知れないよ」と伝えると、それは嫌だったのだろう、その後は行こうとは言わなくなった。
猫が消え去ったのが原因なのか、“てしてし”する猫が消えてしまった事により、街では『黒い変なモノ』が増えている。
【気配探知】をLV.10まで上げてたので周辺の様子がよく分かる。因みに、LV.10は半径10kmほどの範囲だ。
【気配探知LV.10】にしたので、
【気配探知の上限に達しました。新しいスキルを解放します】
で【3Dマッピング】が取得可能になった。
細かな道や、立体で表示され、ご主人様の探し物捜索には重宝している。
他の探知系や感知系も【3Dマッピング】で表示されるようになった。
ついでに【命中率】も上げたら現れた【長距離攻撃】も取得したので、気配探知でヒットした『黒い変なモノ』を問題なくやっつける事ができた。
「予約は再来週の水曜日になったからね」
「分かった、仕方ないな可哀想だけど…」
「ダメよ。ミキには病気だって伝えてあるんだから、パパが変な態度してたらバレちゃうでしょう!」
どうやら再来週の水曜日に手術のようだ。
そろそろ決断しなければ、数日後、俺は決意してミミを置いてここを去る事にした。
人間の記憶が残っている俺には去勢手術を受け入れる勇気がない。
ミミは快適な飼い猫生活か、厳しい野良生活かを考えたら答えは出ている。
それからは、更に積極的にポイント集めをしていく。そんな矢先に出来事だった。
「えっお母さんが骨折した!?で大丈夫なの!」
元飼い主のお婆ちゃんが骨折して入院していると連絡が入り、病院へと見舞い向かう事になった現在の飼い主家族達。
俺はその隙にキャトフードを一袋を拝借して脱出を目論んだ。のだが、「ロイとミミも連れていく!」とミキが駄々をこね、一緒に車で向かう事になったのだ。本日の脱出計画は失敗に終わった。
「なんか嫌な雰囲気がするわよね。こんな街じゃなかった筈なのに」
「確かに、何だろう?今までは感じなかったけど」
「ミキここ嫌〜い」
キャリーバック内に居る俺でも分かる。産まれた街には『黒い変なモノ』が至る所に居た。こんなに居なかったと思っいながら、どうせだからとポイント集めにどんどんやっつけていく。
『見つけましたわ!』
その声が聞こえた瞬間、強い【時空間魔術】を感知、と同時に【直感】と【危機察知LV.10】の上限で現れた【危険回避LV.10】が働き、咄嗟に飼い主家族とミミに【衝撃無効】を掛けてた。
【衝撃緩和】を上限に達し、新たに取得した【衝撃無効】のお陰で、皆んなは怪我はなく無事だった。
運転手の前方不注意で突っ込んできたトラックとの衝突事故だった。
だがあの衝突前に聞いた『見つけましたわ!』と言う声と、強い【時空間魔術】を感知した事は間違いはない。
理由は分からないが、明らかに誰かが仕組んだ結果であり、飼い主家族、もしくは俺とミミを殺しに来た事は間違いない。
「許さない]
ただの猫は怒った。激おこだ!
【魔力感知】の上限で取得した【魔力追跡】と【時空間魔術】を使い、犯人を特定した。相手に目一杯の攻撃魔法を放つと同時に【時空間魔術】を使った【リフレクション】で、攻撃は全て反射する設定しておいた。
誰を狙ったかは分からないでは飼い主家族達やミミから離れる事は難しい。
「仕方ない、奥の手を使おう」
奥の手とは【記憶操作】と【避妊魔法】だ。
パパさんとママさんには俺とミミは手術は済んでいる事に記憶をすり替える。ミミには発情期に【避妊魔法】を掛ける事にした。
どんな副作用が出るか分からないから、使用はしたくなかったが仕方ない。
こうして俺は飼い猫として継続する事に、ただの猫生を送るフリをしながら飼い主家族とミミを守ることを決意した。
皆んなは検査をしたが軽い打ち身だけに済んで、また日々の生活へと戻った。
だが、誰を狙ったか分からない上、お構いなしに攻撃を仕掛けてくる可能性を考えて、飼い主の服や靴、鞄など色々と魔法を仕込んでおいた。
勿論、この棲家にもだ。
相変わらず赤ん坊のレンには、やたらと『黒い変なモノ』が寄ってくるので“てしてし”している。
「最近、嫌な事件が多いわよね。貴方のとこも事故に有ったわよね。本当に無事でよかったわね」
「車は大破したのに軽い打ち身だけで済んだのは本当、ラッキーだったわよ」
「無事で良かったわよね。ここら辺は以前と変わらないから有難いけど、隣街もやたらと事故が多いし、なんか街全体の感じも嫌な雰囲気が漂ってる気がするよのよね」
「そういえば、噂なんだけど…………」
飼い主で有るママさんとそのお友達が楽しそうに世間話をしているが、おひとり様だけ変なもの付けて来ている方がいるので、以前取得した【神聖魔法】を試しに使用してみる事にした。
汚れ落としとノミ避け対策で使用していた【浄化魔法】の上の効果があるかもと思いながらすっかり忘れていて使用してなかった。
結果、『黒い変なモノ』は一瞬で退治できた。だが、効果範囲が半径10mぐらいあり、更にその範囲に『光玉』が大量に現れた。
ミミと一緒にゲットしていると、幼稚園から帰ってきたミキが「キラキラ」と喜んで『光玉』を集めて行く。
どうやら【神聖魔法】から出た『光玉』はミキには見える様だ。ママさんとパパさんには見えない。
なら10ポイントでスキルボードが出るのかと思ったが既にミキは【自動選択】になっているようだ。
だが、選択できないだけで使用できるのであれば、どんなものでも取得できればお得である。
【神聖魔法】を毎日使って『光玉』をゲット!…と思ったが、
「暴れるんじゃありません」とママさんに叱られたので、たまに使う事にした。
あれから3ヶ月以上が過ぎてレンは座れる様になり、俺たちの真似をしてハイハイをしながら『光玉』を叩いてる。
レンはまだ【自動選択】されてなかったので俺が赤ん坊卒業までは振り分けをする。
ミキもいつまでこの『光玉』が見え続けれるか分からないので、ママさん達に見つからぬように『光玉』ポイント集めに参加させている。
「えっ転勤!何処に?家はどうするのよ」
「場所はお前の実家の隣の街で、店長に抜擢されたんだよ。お義母さんの事もあるし、家族で引っ越さないか?向こうなら庭付きの一軒家が借りられるって聞いてるし」
「確かに、母さんの事は気になるは、隣街なら姉さんの家と同じぐらいの近さになるわね」
「だろう!それに余程の事が無ければ10年以上はあの辺りの担当になるし、ミキもまだ幼稚園で小学校入学前だ、ここより田舎だが一応は栄転だ、断ることは無いと思うんだが」
「確かにそうよね〜」
こうして飼い主家族と一緒にお引越しすることになった。
【定着】をレベルを10にしたら【付与】が現れた。これにより、毎度の定期的見回りをしなくても魔法陣は消えることは無くなった。解除魔法で無ければ消えることは無いから安心だ。
発動エネルギーは今までの『直接補給タイプ・補充庫タイプ』に『パス接続タイプ』が加わった。
おかげで今までの補充庫タイプと違い、魔力を補充しに回らなくても良くなったので、この街に至る所に設置完了、新たな街に移り住む。
「にーたんポカポカのお外だね」
猫は良い。引越しで忙しい飼い主とは違い、やる事は縄張りのマーキングだけだが、俺もミミも興味がないのでポカポカな庭先でお昼寝中だ。
他の猫のマーキングの匂いが付いてたので、家と庭は【浄化魔法】で綺麗にしておき、軽いバリアを貼っておいた。
「にや〜(お前新入りか?)」
と飼い猫であろう赤い首輪を付けた茶トラが声を掛けてきた。
「にや〜おにや〜(今日からここに住むロイと妹のミミだ)」
挨拶をしておく、
「にや〜にや〜にや〜(ここはボスの縄張りだったから気を付けろ)」
そう言って茶トラは去って行った。
今まで一匹で外に出ない(お引越し前の魔術陣設置はノーカン)家猫しか猫生経験が無いから知らなかったが、野良や他の家猫との関わりが発生してくる事にドキドキした。
ドキドキ、不安のドキドキと緊張のドキドキ、期待のドキドキ。
初めのドキドキは三日後にやって来た。
「「「にや〜おにや〜(俺たちのボスになってください)」」」
まさかの舎弟志願者だった。
引越し当日から、俺はここら一帯に【神聖魔法】を【付与】しまくっていた。
途中で『黒い変なモノ』がこびり付いてた子猫を助けたり、家出用として貯めていたキャットフードを分け与えたりして回っていた結果だ。
「え〜無理だよ。だって自分は飼い猫だし、飼い主に迷惑かけたくないから」
と断ったが、ボスと言っても猫集会の時の代表になるだけで、普段は他のボスたちも縄張りの見張以外は何もしてないらしい。ならと、一応受けておいた。
そして、満月の夜に行う猫集会へと参加となった。
猫だ。さすが猫クオリティー。集会での会話の殆どが、?で、って内容ばかりだ。
「端っこの家のお爺が亡くなった」「餌をくれてた人が居なくなった」「昼寝場所が無くなった」「あそこの屋根はポカポカだ」
だが一つだけ気になる会話があった「黒いぐるぐる穴がだんだん大きくなってる」だ。
質問したら、初めは猫が出入りできるサイズだったのが、少し前から大きくなって、変なプルプルがたまに出てきて、子供達が遊んでいる。と情報。
以前、中に入った猫の話では、洞窟のようになっていて、変な顔をした裸の人間が襲ってくる。ネズミは自分達より大きく襲ってくる。どちらもやっつけるとキラキラ石が出てくるので、カラス達と食べ物と交換しているそうな。
「たまに箱が出てきて変な物が入ってる」
俺が人間時代の記憶からの想像するにファンタジーに出てくるダンジョンが一番近い。
早速明日にでも『黒いぐるぐる穴』の入り口に行ってみよう。
ミミには、様子を見に行って大丈夫なら次は一緒に行こうと話しておく。どの道しばらくはミキが家に居るから放してはくれないだろう。
翌日、『黒いぐるぐる穴』に向かう。中に入ると想像以上にダンジョンらしいダンジョンだった。洞窟なのに壁が光ってて明るくなっている。
LV.10になっている【気配探知】や【3Dマッピング】などのスキルをフルに使い、進んで行くと初モンスターに遭遇、スライムだ。猫パンチしたら呆気なく討伐できた。
あれ?スライムって【物理攻撃無効】とかじゃないの?もしかして爪が当たったのかな?
【討伐1ポイント】
その後、デカいネズミに遭遇した。名前は知らない、鑑定スキルなるものは残念ながら取得画面にはまだ出てこない。
ネズミだけあって集団で向かってきた。
【風魔法】の【斬撃】、ヤイバの風でまとめて薙ぎ払った。確かにスライムとは違うキラキラ石(多分魔石)と肉の塊が出てきた。
肉の塊は【判定】を使い「毒ではなく美味しく食べれるか」を判定。結果は「Yes」だったのでアイテムBOXにしまう。
次に出て来たのはゴブリンだ。
多分そうだろう。見た目がそんな感じだ。
人間では無いと思うが…。
【判定】を使ったら、正真正銘のゴブリンだった。襲って来たのでやっつけたが、キラキラ石と謎のコインが残った。
見た感じ10円玉だ。とりあえず回収しておく。
その後も進んで行くとゲームでいうセーブポイントらしき場所があり、中にはそれっぽい大きなキラキラな水晶があった。前足をかざすと現在地登録という声が聞こえてきた。せっかくなので登録しておこう。
登録すると今度はスキルボードのような画面が現れたが、何か買い物用の画面だ。
内容は、食料品から地点登録出来る石や武器までもある。
ゴブリン達を倒した時出て来たコインで購入できるようだ。
地点登録出来る石は1万するらしいが、ゴブリン達を倒して出たコインはどれくらいの価値かが分からないので一つ入れてみたら『1』と表示が出た。
ゴブリン1万も倒さなければ成らないとは、ちょっとゲンナリ。
セーブポイントは階層入り口にもあるようで、俺が入って来た『黒いぐるぐる穴』はどうも正規ルートでは無いようだ。
とりあえずは、今日はここまででにして来た道を戻り、『黒いぐるぐる穴』から出た。
時刻は夕方少し前、で猫達が集まっている。多分、何か取ってくると期待してだろう。だって物々交換しているカラスさん方も居るからだ。
「今日の収穫はこれ」
肉とキラキラ石を数個出した。みんな大喜び、野良さん達は順番に餌を貰う為に列をなすし、他のボス達はキラキラ石をカラスさんに渡してエサと交換していた。
このことがキッカケとなって、俺はここいら一体のボス猫の『ボス』になってしまった。
家に帰るとミミがどうだった?と絡んでくる。
「今のミミだと難しい。ミキみたいな人間でも無理。怖い人間が棒を持って襲ってくるから強くないと勝てない」
さすがに、ミミもガックリしているが仕方ない。
「がんばってひかるのてしてしする」
しばらくの間は、ミキと一緒に家で『光玉』ゲット遊びをしていて欲しい。
飼い主さんのママさんとパパさんが子供部屋として遊び場を提供されたようで、天井に【神聖魔法】を【付与】しておき、時間ごとに発動させて『光玉』を降らせる仕組みにしておいた。二人と一匹は大喜びだ。
この部屋にいればレンに付いてくる『黒い変なモノ』は綺麗になくなるので一石二鳥だ。
猫達には雨が降っていない日で一日置きに潜る事を伝えておいた。
実際は、野良の食料事情は厳しいので、毎日潜って食料は確保しておきたいが、今のところはデカいネズミしか肉が出てこない。深夜にもう一度向かう事にした。
「やっぱりデカいネズミしか肉が出ないな」
今度は階層入り口に向かう。
最初に向かった場所と反対に存在しており【3Dマッピング】を見ても、階段が上に向かっていおり、意外と近くに有った。
入り口には同じく大きなキラキラな水晶があり、こちらも登録をしておく。もう一度触ると表示された画面に『1階層入り口』と『1階層セーブポイント』と出て来た。
『1階層セーブポイント』を選択すると、夕方頃までいた場所に移動された。
凄い!凄いぞ!しばし興奮しいたらゴブリン達が近づいて来た。倒して帰宅コースをを進む。
今からのコースは『黒いぐるぐる穴』まで帰ることだ。
サクサク進んで行くと初めての時は無かった木箱を発見!前世の記憶が『宝箱!』興奮している。
俺も喜んで開けようとしたが【危機察知LV.10】が反応したので、離れた所から魔法をぶつけてみた。
宝箱の姿をしたモンスターだった。
初の宝箱とはいかず残念だったが討伐ポイントは50あり、コインもゴブリンからでた10円玉ぽいものではなく、100円玉ぽい感じで光っていた。
後日、使用したら『100』の数値が出て喜んだ。
新しい棲家に帰ったのは日付が変わってすぐの時間帯だった。【通り抜け】で家に入りミミの隣で丸まる。
明日もダンジョン攻略を頑張ろう!




