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猫は爪を出して光らせてみた。キラリン

今頃になって第2話に3話4話の話がくっついていた事に気付きました。

長文で読み辛く感じた読者様、申し訳ありませんでした。

「こちらが家の鍵です」

 ギルド長室で借りる家の手続きと鍵の受け渡しをしている。

「ありがとう」

「家の件は終わりだ。次にマントと靴だが、少し大きめだと丁度一番小さいサイズで良さそうなので、これで良いか、確認して欲しいと預かってある」

 そういうとおもむろにマントと靴を机に出した。広げて羽織ってみたが俺には大きいが、問題ないサイズだ、靴も問題なさそうだ。

「問題ない。靴はこのサイズと、もう少し大きいサイズを混ぜて欲しい」

「承知した。伝えておこう」

「で、これが、バックだ」

 猫の王様特製のマジック袋だ。嘘ではない。

「あぁ、確かに受け取った」

「ところで、他の猫達(仲間達)は一緒にダンジョンに潜らないのか?」

「他のダンジョンには潜ってる。あっそうだ!何かわからないドロップ品が出た。見てほしい」

「分かった。鑑定士を呼んでくる」


「お待たせしました。どのようなお品ですか」

「色々あるから、お願いしたい。まずは…」

 特に20階層からの品が謎が多い。特に犬達は凄い物は出なかったが量が多い。

 アイテムBOXからドロップ品と宝箱の品をどんどんテーブルに並べていく。

「では鑑定させて頂きます」

 鑑定士の品の良いおじさんが手に取って品を見つめる。

「…………」


「おい、どうした?」

 鑑定士さん、手に取った品々を見たまま固まってる。笑顔のまま固まって動かない。

「おい。…………って気絶してるぞ!」

(えぇぇぇ!!)

「…どうしたら良い?」

 ギルド長に尋ねる。

「すまんが、また後日でいいか」

 まさか、先送りになってしまった。


 仕方ないので家のリフォームをすることにした。

「中は一掃してから、【レディーメイド住宅】の前段階のスキル【ウッドクラフト】でちゃちゃっと綺麗にして、猫以外は入れないように、結界を張っておこう」

 借りた家全体に結界をはって猫以外は家に入れない設定にした。他にもしっかり対策したから万全だ。




「…で、これは?」

 翌日、蔦でぐるぐる巻きにされた男達5名が、小さな家の庭に転がっていると報告を受けて、わざわざギルド長がやってきてくれた。

「俺達の家に押し入ろうとした奴らのようだ。コイツらは処刑しても良いのか?」

「待て待て、まずは衛兵を呼べ!襲ってきて返り討ちしたとかじゃなければ、私刑は禁止だ」

「分かった、従おう。ギロチン設定は外しておく。お前らよかったな、悪意ある奴らに反応して首シュッって取れる魔術を昨晩設定し忘れた(嘘です。脅しのセリフ、マシマシです)」

 わざと、爪を出し光らせた。キラリン!(演出もマシマシです)

「おい!そんな魔術設定してあるのかこの家にってか、そんな魔術あるのか!」

「頑張って編み出した。色々と騙されたからな。悪意には悪意で、好意には好意でと方針が決まった(俺の)。なので仲間がやられたら、総力戦も考えている」

 ちょっと脅し過ぎたかもしれないが、のんびり屋の猫さん達には、これぐらいの後ろ盾が無いと危ない。

「一応、人間の国のルールは従うから安心しろ。今、猫達(俺達)が敵と認識してるのは、森のデカいモンスターと、あそこに連れてきた人間達だ」

「…とりあえず、ここは任せろ」

「分かった」

 ギルド長が場を収めてくれた。ちょうど良い見せしめになってくれたようだ。

「そうだ、ギルドに報告がある」

「分かった。鑑定士が復活したから、ついでに買取の話があるから一緒に来い」


「まず、そちらからの話を聞こう」

 ギルド長室に呼ばれ、昨日の鑑定士のおじさん以外にも人が大勢いた。

 他の鑑定士達や買取担当者までいて、ギルド長室が狭く感じる。

「ダンジョン説明会の時に教えてもらったが、忙しくて忘れてた。ウチの村の近くにダンジョンがある。どうやら登録されたダンジョンでは無いようだ」

 内緒のままでもと思ったが、一応報告しておく。

「…もしや、昨日の素材はそのダンジョンの品か!」

「ダンジョンのドロップ品だ」

「「「「「あ〜っ」」」」」

 なぜか納得された。

「大森林の中にあんなもんが居たら、たまらんからな」

「ん?森にも居るぞ。でも森の奴らは、最近、俺を見かけると逃げてくから追わないだけだ」

「「「「「………」」」」」

 そう、森の奴らの方が大人しいから、無駄にやっつけないだけだ。

「ダンジョンは前から在るのか?」

「あぁ、前から在る。俺達のご飯回収場所だ」

 確実にご飯が手に入るとっておきの穴場である。

「何階層まであるんだ?後、出てくるモンスターの種類を教えて欲しい」

 職員さんがメモを取り出す

「22階層までは行った。モンスターの名前は知らない。コイツがドロップ品だ」

 回収して羽根を見せる。

 鑑定士が手に取ると、震え出し、

「でっでっデスゴールデンの羽根です!」

「そうか、あのモンスターは、デッデッデスゴールデンと言うのか」

「違いう。デスゴールデンだ」

 ギルド長に修正された。

 そうか、デスゴールデンか。修正完了。

「アイツら、財宝を集める習慣があったが…」

「あぁ、眩しかった。幾つも巣を巡っての回収が面倒だった」

 一瞬部屋が静まりかえった。

「ちょっと待て!階層ボスじゃないのか!?」

 すごい食いつき具合だ。

「あぁ、そいつらは違う。100羽ぐらいが集団で攻めてくる雑魚だった。ボスは、もっと大きくて火を吹いてきた」

 ドロップ品の猫のシングルサイズの羽根を取り出す。

「…エルダーです。エルダーデスゴールデンで間違いありません」

 なんか、カッコいい名前で呼ばれている。いいな〜。

「ここからどれくらい離れているんだ。そのダンジョンまでは」

「ん〜、人の足で森を抜けるなら2ヶ月ぐらいは必要だ」

「そんなに離れた場所か!?」

「俺達が連れてこられた時は歩きでは無い。大きな穴を通って連れてこられた」

 グルン村の猫からの話では、転移魔法のようなものを使って来たようだ。

「なるほど転移魔法か何かだな。で、普通に行くなら2ヶ月か」

「そうだ、俺は飛んで来るから半刻(1時間)ほどだ」


 結局、一部しか買い取ってもらえなかった。

 宝箱から出てきたアクセサリーも特殊な付与がされた品が多く、かなり高額な品ばかりで一度での買取は難しいとの事だ。

 だが、謎だった液体は判明できたので良しとしよう。


 ●ヒールポーション 怪我を回復

 ●ライフポーション 体力を回復

 ●マナポーション 魔力を回復

 ●キュアポーション 毒、麻痺、石化などの状態異常を回復

 ●スタミナポーション 一時的に体力、魔力を増量

 ●フルポーション 体力、魔力、状態異常や病まで総て回復


 全て最高ランクの10だった。ランクの数が多いほど品質と効果が良いそうだ。

 活用できそうで良かった。




 ロイが帰った冒険者ギルド長の部屋では、残った男達が買い取った品を眺めながらロイについて語ってた。

彼奴(あいつ)を星5にしたが、明らかにそれ以上の実力者だな」

「ええ、本当に一人での成果であれば、星6、いえ星7レベルですね」

「一度、他のチームと組ませて様子を見るとするか」

「確か、星6の『黒獅子』が戻って来ますから、一緒に組ませて見ては」

「そうだな、リーダーは確か星5だったな。近くの鶏ダンジョンなら問題ないだろう」

「そうですね。彼は鶏肉希望ですからね」

 皆、ため息をつきながら思った。

(((((まさか、世界樹の品まで持っているとは)))))

 ロイが嬉しそうに、「これが世界樹か!」と『シロアリのご飯(ロイ命名)』を振り回して喜ぶ姿を見て、皆が肝を冷やした。(貴重な枝を振り回すな!)


「買い取るから他所(よそ)には売らないように言っておいたが正解だな」

「本人も承知してくれてますので、他に流れる心配は少ないでしょうが、量からしても商業ギルドや薬師ギルドにも声を掛けたほうが良いかも知れませんね」

「確かに、直接交渉しない約束で、声を掛けてみる。買取額は冒険者ギルド規定額と、条件付きでな」

 今回の買取に品を見つめながらため息をつく。

「全く、アイツが持ち込んだ物だけで、とんでもない好景気だぜ」

 嬉しそうに世界樹の枝を振りながら帰る、猫の後ろ姿を思い浮かべて(つぶや)いた。

次回更新は6月1日月曜日です。

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