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排除の理論は共通の未来を思い描くことができるか

 スペインは中南米の諸民族と共通の過去、種族、言語をもっているが(中略)一つの国民国家を形成してはいない。

 なぜか。それはたった一つの基本的なものが欠けているからである。

 つまり共通の未来である。

 スペインは(中略)諸民族を惹きつけるだけの集団的な未来の計画をあみ出すことができなかったのである。

(オルテガ・イ・ガセット著「大衆の反逆」第二部「世界を支配しているのは誰か」より抜粋)


 ガセットは名著「大衆の反逆」のなかで、スペインが中南米諸国家と統一国家を形成できなかった所以を冒頭のように理由づけた。

 現代日本に置き換えたとき、極めて示唆的である。


 さきに「排除の理論」について述べた。

 不支持者を包摂せず排除する社会において、排除された側が、排除した側と共通の未来を思い描くことは難しい。

 

 中傷動画問題では、高市陣営の公設第一秘書は、動画作成者に対し

「旧立憲民主の害獣を沢山駆除する事ができました」

 とするメッセージを送信したとされる。

 まさに排除の理論である。

 共通の未来を思い描くことは不可能だろう。

 

 排除したらしただけ人数は減っていく。引き算で出来上がった社会が、強く豊かになれる道理がない。

 行き着く先は、脆く貧しい社会である

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