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隕落の転帰  作者: こらん
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3

酔い止めのおかげで辛うじて生き抜いて、ようやく星間ジェットが目的地で止まった。

寝ていたアメレットを叩き起こして、機内から出るとサイズ感の違う世界が広がっていた。

デカい人が多いだけあって、ベンチや自販機のサイズが1.5倍ほどになって、広がっている。

空港街というだけあって、階段に分かれ道にが途方もなく存在する。

これは、案内に来てもらうことにしていて、正解だった。

ワタシは試しに自販機を見に行った。

アメレットは後ろから慌てて追いかけてきている。

メヴァースの自販機は種類が少ないようで8種類置いてある。

変わり種が多く、心が踊る。

ウェルコーヒー・微糖とかいう飲み物を除外して、計7本を購入すると、背後でアメレットはげんなりしている。

その7種類は、森林ティー、ラカコーラ、アイススラリーの塩ライチとチョコ唐辛子、ホワイトストロベリー、電柱の一番上、レモン水だ。


ひとまず、一番ヤバそうな、電柱の一番上を開栓する。

そして、一口、口づけると黄桃っぽい甘味が来た。

なんだ、美味しいじゃん。

そう思って嚥下しようとすると、途轍もない苦みが来た。

金属ぽい苦みだ。


「うぇ…アメレット、これ飲んでみて。」


そう言って無理矢理、アメレットの口に突っ込むと、アメレットも顔をしかめた。

そして堪らず路上に吹き出したあと、渋々と言ったようにティッシュで床を拭いていた。


「おっっまえドロメル!!なんてもの飲ますんだ!」


不味いでしょ?と聞けば、何も言わず恨めしそうにこっちを見ている。

お口直しに、味が美味しそうなラカコーラを飲めば、スパイスの風味とラカラースとかいう果物の甘みが相まって、美味しいコーラだった。

そうしていると、案内をしてくれる予定の人がやってきた。

探していたようで、少し息を上げながらこちらを見て笑っていた。


「あはは、やはり他所からのお客様はそんな反応になるんですよ。」


190cmくらいあると思われる大きな男がこちらに来ていた。

乗り場から少し離れていたせいで見つけるのに時間がかかったとケチをつけられる。

黒髪の頭から、緑の毛先がぴょんぴょんと動く。

やけに肌をちょい出ししている特殊な服から筋肉が見えるので、ガン見していると男は『きゃあ』と下手くそな演技で身体を抱えた。


「そんな、セクハラですよぉ。見ないでください!」

「そんなダサい服着てるほうが悪くない?」


心外ですっ!と、男はぷんすか怒りながら案内してくれる。

男の名前はアマッカというらしく、距離感を図るのが上手いと案内人に向いてるな、と思った。

自販機の後ろにあった坂の道を進みながら、アマッカの案内を聞いていく。

露店やら、観光客向けの小店も数多くあるようで説明をしてくれる。

『あぁ、お土産を買うならこの店1択ですねぇ!』やら『この店の店主は奥さんの浮気相手が、シューダ人だったせいで反シューダ人思想なのですよ!』やら、ちょっとした小話を聞かせてくれた。

そうして、ビジホだけの通りも抜けると、車が大量に止まっているスペースに案内される。


「こちらからは、車に乗ってから移動しましょうか。」


そう言って、アマッカさんの華麗なるエスコートに従って車に乗り込む。

何故なのか、運転手が運転する助手席にはアマッカさんは乗り込まず、ワタシたちの間である後部座席の真ん中の席に座り込んだ。


「おかしくない?アマッカ。なぜさも友人かのように割って入るの??」

「あぁ、ボクたちの仲じゃないですか!」

「…まぁ、ボクが乗ってるのはバレると狙われるからですよ。お客様たちのためでもあり…あいたっ!」


お姉さん打たないでください!と格上げされた呼び方で、悲鳴をあげられる。

アメレットといえば、呆れて黙っているので車内は混沌と化している。

数ある交差点などの分かれ道を全部直線で進んでいく。

時間があるので、さきほど買っていたアイススラリーのチョコ唐辛子味を頂いておく。

これが意外と美味しく、同社のアイススラリーじゃ人気ナンバーワンなのも理解ができる。

そうこうすると、途中の企業が入るビルが集まっている場所を通り過ぎて、少ししたあと、庁舎に到着した。

アマッカが景気よく、運転手にこれでいいですよ〜とお代を切り捨てした金額を渡して、ワタシたちを庁舎に案内する。

涼しく冷房が効かされている庁舎内に入って、アマッカに絡む。


「さっきのいいね。スマートな値切り交渉だった」

「おい、ドロメル、あれは値切り交渉じゃない。お前はやるなよ。というか、追われてる理由絶対ソレだろ」


横からアメレットが警戒の色を示した。

そんなわけ、とアマッカは上手く交わしながら、ちょうどお偉いさんにワタシたちを引き渡した。


「初めまして、アナタたちがルヴァースからのお客様ですね。ヴァイーラと申します。」


目の前には灰色の肌をしたメヴァースの人にしては少し小さい男の人が立っていた。

バウアンドスクレープにより、コートの裾4つともひらりと広がるのが見える。

170cmあるかないかで、アマッカに比べると小さい印象を受ける。

その人こそが、神でないらしいメヴァースのトップだった。

比較的温暖なメヴァースの人だというのに、長袖のトップスにフルレングスのパンツ、そしてロングコートを着ていた。

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