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隕落の転帰  作者: こらん
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ヴァイーラに建物を案内してもらい、書斎兼客間に連れて行ってもらう。

その途中に、何故か自販機もある売店に案内された。

観光の一部として、細やかだが紹介してくれるという。

お菓子にお酒、お肉などが置いてあって、そこから好きなものをプレゼントしてくれるそうだ。

羽振りがいいな、と思いつつ、自販機に視線を向けた。

来た最初に買ったものとラインナップはほとんど変わらなかったが、一つ気になるものがあった。

しばらく悩んだ末、自販機で買うのは身銭を切ることになるため、一旦は売店の中に同じものがないか探すことにした。

そして、無事に見つけたその青チーズミルク1000mlと、フィッシュマドレーヌ、湧仙酒(ゆうせんしゅ)1000mlを奢ってもらった。

アメレットの選出は、クッキー1つだけだったのもあったからか、ヴァイーラからはなんとも言えぬ視線が私に飛んできていた。

そうして、紙袋を抱えてホクホクでエレベーターでもう何階か上に上がると、書斎兼客間だという広い空間についた。

外見よりも広い中の空間から、彼が能力を以って敘造(じょぞう)したものだと分かる。


「では、今回の調査について、私(わたくし)からも再確認をさせていただきます。」


ヴァイーラが言葉を続ける。

反体制的な過激派組織が活発化している背後を探る。

そのため、公務員や政治家のネットワークに近づいて情報を探る。

それ以外にも権限を広く与えるので、怪しいところを探す。

そのために、書類の撮影は可能にし、ある程度の法律は免除され、役員立場を場合によっては貸し出す。

”ドロメル”という名称だけでも、名前は入ってくるだろうし、単発業務掲示板から潜入聞き込みも利用して欲しい。

そんな、既に何回か聞くか読むかした言葉を繰り返された。


「もし、今すぐにでもどうにか止めなければ、という時はその場で殺しても構いませんから」


とんでもない言葉が営業的な笑顔から弾き出された。


「あぁ、それと、まず一番私が怪しいと見込んでいるのは、フーネスという政治家です。」


それと同時に彼からは追い出された。

アマッカが1階で待ってますから、と出入り口で説明される。

もう言うことはないようで、沈黙のまま見送られるので、ワタシたちはエレベーターに乗り込んだ。

1階に戻ってきたとき、少し呼吸が軽くなった。

ワタシは口火を切って、アメレットに文句を浴びせた。


「政治家への接触って難しくね?初っ端吹っ掛けるところじゃないでしょ!」

「私に言わないでくんない?とりあえず、政治家ならネットに接触するための情報が何かしらはあるだろ」


それはそうだ、と頷いてアマッカを探す。

誰か名も知らぬ女性と笑顔で話しているようだった。

うざったい殴りたくなる作り笑顔を見ていると、苛ついて拳を作っていた。


「何アレ?」


アメレットも苛立ちを帯びた声で疑問符を浮かべていた。

お仕事が成っていないだろう、と2人でグチグチと言いながらアマッカに近づいていく。

先程の違和感のような隙意のようなモノに当てられて、少しストレスが溜まっていた。

ワタシの殺気に気づいたのか、アマッカと話していた女性は声を荒げた。


「あぁ!アマッカくん!やっぱり詐欺じゃない!どうせこの人たちにメアのこと売るんでしょう!」


うるうると泣きながらワタシを指差してくる。

”一人称が自分の名前”系の女性だろうか。

面白いので乗っかることにした。


「アマッカ。」

「あっはい、お客様待ってくださいねぇ。」


アマッカはこちらを一瞬だけ見て、察しろとでもいうように、女性に向き直り、


「メアリーさん、違いますよ。ボクは純粋に貴女とお話したいと思っているんです。ね?ひとまず資料は渡しておきますんで、気が向いたらいつでも連絡をくださいな。」


まぁ、詐欺らしい詐欺の文言を吐き捨てて資料を押し付けると、ワタシたちのほうに避難しに来た。

ギリギリ女性の敵だろ、と思っていると、背中を押されながら出入り口近くのソファまで連れて行かれる。


「お客様がた!今回は助かりましたけどぉ…、他のお客と話してるときに来ないでくださいっ!」

「なんで?」

「なんでもなにも!良いカモが…」

「カモって言ったね、今」

「言ってませんよぉ、では、ホテルにご案内しますね!」


そう言われると、ソファを立ち上がらせられて、出入り口近くに停まっている車へと乗せられる。

完全に逃げられたな、と面白がっていると、アメレットが凭れてくる。


「なんで、メヴァースの人は寄りにも寄って、この詐欺師みたいな役人をよこしたんだ…」


初日からドッと疲れが溜まった、と息を吐いているアメレットの体重から逃げるように距離を取る。

隣にはアマッカがいるが、気にせずそっちのスペースを奪ってアメレットから離れる。


「重いアメレット。また太ったん?」

「あぁ、薬の影響で太ったな」


触れづらい話をぶっこまれて、分が悪い。

話を切り替えて、車内は軽い会議の空間のようになる。


「で、どうする?帰ってから荷物整えたら探しもん?こっちは掲示板で探る」


そう告げて、ちょうど到着したホテル前に降りた。

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