第48話 外から見る
数日が経った。
個室は、昼を過ぎると埋まるようになった。クレメントが動いているのだと思う。来る客の顔が、以前と少し違う。荷を持った者、遠くから来た感じの者。話し込んで、何かを決めた顔で出てくる。扉が閉まる音が、以前よりずっと増えた。
フィナの薬草茶は、昼の定番になっていた。「今日は何がある」と聞く常連が増えた。フィナが答える。それが昼の風景になっていた。
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ある朝、少し早く着いた。
イルゼはもういた。テクラもいた。フィナが昼の仕込みを始めていた。
もう、始まっていた。
カウンターの端に立って、広間を眺めた。
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午前中、旅の客が薬草茶の種類を聞いた。
答えようとした。フィナが先に答えていた。いくつかの違いを、落ち着いた声で説明していた。客がうなずいた。
昼を過ぎて、席が混んできた。
動こうとした。テクラがもう動いていた。「少しだけ待てますか。すぐ奥が空きますよ、今片づけますので」。二人が案内された。
夕方、常連の一人が居心地悪そうにしていた。隣の客が声高に話していた。
声をかけようとした。イルゼがもう動いていた。隣の客に一言かけて、常連に目で謝った。常連が軽く笑った。
そのたびに、俺は一歩遅かった。
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夕方、テクラと二人になった。
「やることないの?」テクラが笑いながら聞いてきた。
「そう、みんなが優秀だから、やることなくてさ。……だから、探してる」
テクラが少し俺を見た。「何を」
「次に何をするか」
テクラは少し笑って、「やろうよ、新しいこと。見つかったら教えて」と言った。
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少し外に出た。
通りから、店の入口を見た。
通りを行く人が、ちらりと看板を見た。足を止めた客がいた。少し迷って、中へ入った。フィナが出迎えた。扉が閉まった。
遠くまで来た、と思った。
最初は——この体の持ち主が戻ってきたとき、帰れる場所を作りたかった。それだけだった。
気づいたら、フィナが隣にいてくれた。イルゼが協力してくれた。テクラと打ち解けた。——クレメントも、パートナーになった。
店の中から、声が聞こえた。笑い声だった。
小さく、息を吐いた。
外に立っていた。
来月——クレメントが、次の客を連れてくる。




