第5話 チュートリアル③ ~消えない絆と旅の始まり~
適当システムの事について真剣に考えていると、最後のチュートリアルが始まった。
《チュートリアル3 旅の目標を決めよう!》
「最後はマスターが、異世界で旅をする目標を決めてもらいます」
「目標?」
目標か……。
俺は異世界で何がしたいのだろうか。
美味しい食べ物が食べたい? ……違う。
沢山の人にちやほやされたい? ……違う。
可愛い女の子たちと男の夢のハーレム? ……違う。
うーん? ……それじゃあ呑気にスローライフか?
……なんか違う。だけど争い事は嫌だ。
――――はっ!?
よし! 決めたぞ!
「俺は世界を見てみたい! 自分が何も知らない異世界で!」
「……それがマスターの目標。いいえ、願いなのですね?」
「そうだ。旅の中でいろんな景色を見てみたり、様々な人と出会いながら、自分も成長して異世界を生きてみたい!」
「……もしかしたら。君は、見たくもない酷く醜い景色や。人の悪意に多く触れるかもしれない。それでもいいのかい?」
「ああ。俺は記憶はないが、それでも必死に毎日を生きていたと思うんだ。……俺は神様じゃない、万能チート能力でもない。だからこそ、ただ普通の人間として異世界を旅をしたい」
「マスター……」
「…………わかった! 君の心意気に僕は心を打たれた!――いいよ、僕の世界をぜひ見ていってほしい!」
へへ。リメアス、ありがとな。
あんたは神様なんだけどさ。
記憶を失った俺が、最初に出会って、気軽に話をしてから。
……俺は、いつの間にか、あんたを友達の様だと思ってしまったんだ。
「だから感謝してるよ。ありがとう、リメアス」
「うん、僕もいつの間にか君の事を、もう友達だと思っていたみたいだ。初めて会ったのに、こんなにも楽しかったのは一体何億年ぶりかな?」
は、ははは。なんだ、あんたも俺と同じ気持ちだったのか。
「マスター。私も貴方がマスターでよかったと思ってます。だから、マスターの為ならソラはどこまでも一緒に居続けてみせます!」
「ありがとうソラ。俺も君と一緒に、どこまでもこの世界を旅してみたい」
「――っ!! ますたー。ありがとう、ございます……」
ソラはまるで人間の様に、小さな声で俺にお礼を言いながら、笑顔で涙を流していた。
ソラが静かに涙を流して笑う姿は、とても綺麗だと思った。
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あれから、数時間が経ち。
遂に俺は異世界、エルリオーレへ送られる時がやって来た。
「それじゃあ、今から君を僕の世界へと送るよ。僕は時間さえあればいつでも君のことを見ているからね」
「はは、それはそれで少し怖いな」
「マスター! リメアスの目から、マスターのプライベートは私が絶対に守ってみせますから!」
「え~! そ、そんな殺生なぁぁぁぁぁ!?」
「よくやったソラ! これで俺のプライベートが守られるぞ!」
「えへへ、マスターの為ですから……」
この時、俺とリメアスとソラ。
人間と神と能力が友達?仲間? みたいな、何とも言い表せない様な繋がりを得た感覚が襲った。
しかしそれは、とても暖かく、安らぐ様な感覚だった。
俺はこの時の事を、いつまでも忘れないだろう……。
……後から気づいたのだが。
ステータスの称号欄に、この時の事が称号として残っていて、俺は内心で凄く驚いて笑ったのだった。
『ステータス』
名前:トウヤ
種族:人間
年齢:17歳
性別:男
LV:1
職業:旅人
状態:健康
能力値
HP:30
MP:15
攻撃力:6
防御力:5
体力:3
俊敏:6
魔力:5
精神力:9
知力:7
器用:4
魅力:5
運:20
能力:適当システム
剣術Lv1 水魔法Lv1 鑑定Lv1
採取Lv1 言語翻訳Lv1 言語理解Lv1
控え職業:村人
SP:0
称号:転生者 創造神の友達 とんでも能力のマスター 消えない絆 旅の始まり
加護:創造神の加護




