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太陽の申し子〜竜に選ばれた少年の旅物語〜  作者: 日孁
第2章~血塗られた復讐劇~
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転生者TKH⑥

「わわっ!危ない!」

炎球(フレイムボール)!」


 クズヤがスライムの体当たりを避ける。

 そして攻撃が外れたスライムに俺の炎球が直撃するが……


 ぷるんっ


「無傷、か」


 これがスライム。

 あの最弱モンスターのイメージは一瞬にして覆された。

 大きさはだいたい直径1m程度の長球で、色は水色、そして不定形の体。

 ここまではイメージ通りだった。

 だが、その移動速度は目を見張るものがある。

 瞬間最高速度は、だいたい馬と同じ程度だろうか。馬にも色々あるが、だいたいなので良しとしよう。つまり、速い。

 攻撃方法は体当たりがメイン。だが、その体当たりは恐ろしい消化液を纏っている。しかもあのスピードだ。1度でも受けれぼただでは済まないだろう。

 そして、その流動体により物理的な攻撃は吸収され、受け流され、俺たちの自慢の魔法もあまり効いている様子はない。もともと武器の類は持っていないため、物理が効かないのは関係がないが、魔法すらダメージが薄いとなると、もはや打つ手が限りてくる。

 出鱈目だろ。スライム……

 だが、手がないわけじゃない。

 恐らくだが、魔法もより強力であればダメージは通るはずだ。ゴリ押しでも何とかなる。

 しかし、それよりも効果的だと思われるのは、スライムの生態だろう。

 スライムは確か海水、塩水を避ける性質がある。理由は単純で、水分を取られて消滅してしまうからだ。濃度の違いのせいだったか?いわゆる、ナメクジに似ているな。

 ということは、このスライムを塩水に漬ければそれだけで勝てることになる。

 ただひとつ、問題があるとすれば、ここに塩水がないということだろうか。

 ……大問題だ。


「くそ、塩さえあれば勝てるのに……!」

「え?塩?」

「授業でやっただろ!?」

「え、あ、そうだったね?」


 クズヤ。お前、いつも寝てるな?


「塩ですか……」

「ヴィクトリア!持ってるのか!?」

「いや、ないですね。持ってきていてもそんなに沢山は……」

「ちっ、じゃあやっぱ高火力の魔法でごり押すしかないか!」


 炎球が俺の使える中で最強の魔法なわけが無い。俺の『超記憶能力』は、1度見た魔法のほぼ全て、コピー出来てしまう。

 今まで見てきた中で最強の魔法を放つ!

 そうすれば!


「あまり広範囲の魔法は使わないでおいた方がいいですよ。他の魔物が寄ってきますし」

「そんな!」

「あ、ちなみに塩なら……」


 いや、ここは寄ってきても勝てると踏んで撃つべきか?

 悩んでいたその時だ。


「え?あ、あれ!?」


 突然、ハルトが声を上げた。何事かと目をやると、ハルトの手の上が光り、何かが形成され始めた。

 そして、出来上がったのは、


「これは……もしかして塩?」

「ああ、なんだ塩か」


 塩か。もっととんでもないものかと……


「って、塩!!!!?!?!!!!?」

「ええ、しょっぱいわね」

「いや、得体の知れないものをすぐに口に入れるなよ」

「え?」


 いつかとんでもないことをやらかすな。


「ともかく、これでなんとかなる!アルト!」

「うん!任せて!我、水の精霊との魂の契約により、大いなる水神の力の欠片を欲す……水震(ウォータークエイク)!」

「おい待て……その魔法は!!」

「きゃっ!」


 クズヤの発動した水震はウェーブを描きながらハルトの持つ塩を飲み込み、スライムへと向かう。

 スライムも危険を察知し逃げようとしたが、水震の方が速かった。

 水震は大魔法ではないものの中魔法のひとつだ。威力も範囲も小魔法の水球(アクアボール)とは桁違いで、スライムだけでなくその周辺をも巻き込んだ。


「やっちゃったな」

「え?なにが?」

「まあ、やってしまったことをとやかく言っても仕方ないでしょう。どうしましょうか」


 長いことスライムを包み込んでいた水が消えると、既にスライムは消えていた。

 いや、正確にはスライムだったものが落ちていた。水分を抜き取られた本体だ。

 そして、


 ドドドドドドドッ


 こちらに向かってくる沢山の足音が聞こえてきた。


「皆様!危険ですのでこちらへ!」

「分かりました!」


 先生に呼ばれ、急いで戻ろうとする。

 だが、間に合わなかったようだ。


「ウルフルか」


 奥から飛び出してきたのはウルフルの群れだ。

 危険度はスライムと変わらず2だが、数が多い。

 今はまだ10もいないが、恐らくまだ増えるだろう。


「あ、そうか!2人ともごめん!」


 クズヤがようやく自分のした間違いに気づいたようだ。なんか、安心した。


「謝るのはあとだ。今はとりあえずここを切り抜けるぞ」

「そうだね!でも大丈夫!」

「ええ、本気でいきましょう」

ラノベのスライムって強いらしいのでちょっと強くしてみました!まさか1話使うことになるとは……

ちなみに、ガスティグ村のアレン含む子供たちも勿論、魔法(物理)で倒していますね!

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