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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
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サブミッション

「もう一つ、犯人がバレーボールをやっていたとしたら

黒人じゃないと言う事です」

「えっ、なぜ」

「アメリカにはプロバレーボールリーグが存在しないので、

身長が高くジャンプ力のある身体能力の優れた人は

将来収入が多いバスケットボールへ進むようです」


「確かに、バレーボールはアメリカンフットボール、

野球、バスケットボール、アイスホッケーの

人気にはかなわないわね」

「サッカーが南米、ヨーロッパでいくら人気が有っても

アメリカでは全然人気ないし、逆に

 野球はヨーロッパでは存在すら知らない人もいますからね」


「亮は剣道以外に何のスポーツが好きなの?」

「僕はテニスです」

「テニスか・・・あまり庶民に人気ないわね。

ゴルフと同じで上流階級のスポーツだから」

「そうですね。今度格闘技教えてください」

「うふふ、OK」

ジェニファーは格闘技の才能の有る亮を鍛えるのが楽しみだった。


「さて、帰りましょうか」

ジェニファーは大した収穫がなかった事が残念だった。

「すみません。今夜鈴木妙子さんとまた会う事になっているので

こちらに泊まる事になります。

 ジェニファーさんは一人で帰ってください」

亮はさらに尚子と会う話はしなかった。


「あなたのガードを命令されているので

帰る訳には行かないし、また昼間のような事件がまた

有ったら大変な事になるわ。警視に許可を取って

 父の家に泊まるわ」

「すみません」

「いいのよ。仕事なんだから」

「ええと、あと2時間あるなあ」

亮は日本に電話をかける時間を待っていた。


「ねえ、セントラルパーク散歩しない?

ここから車で20分くらいだから」

ジェニファーは亮の手を引いた。

「良いですよ。セントラルパークにどこへ行きますか?」

「シープメドウへ行きましょう」

「あの芝生のところですか?喜んで」


※シープメドウはセントラルパークの西側にある芝生の広場で61000㎡ある

ニューヨーク市民の憩いの場である。

亮は大勢の人が寝転んでいるシープメドウで一度くつろいでみたかった。


亮とジェニファーがシープメドウに着くとジェニファーが

亮の目を見つめ向かい合って立った。

「ジ、ジェニファーさん・・・」

真剣な目で見つめられた亮はジェニファーが

抱き付いてくる予感がしていた。


「初キスか・・・」

ジェニファーは突然亮に抱き付き右手手首を

反対に捻りそれを持ち上げた。

「痛て~~~」

亮は痛みのあまり膝をついた。

「や、やめてください」

「亮、無謀なあなたは万が一の為に格闘技を覚えるべき、

 手っ取り早いのはサブミッションよ」

「わ、わかりましたから手を離してください」


「でも相手が凶悪犯だったら腕の腱を切るくらいに

本気でやらなくちゃいけませんよ。

 そうしなきゃ、逆にあなたが殺される」

「分かっています」

亮はそう言って自分がされたサブミッションを思い出し

ジェニファーの左の脇の下に右手を突っ込み、

それを支点に左手首を掴んで後ろに回った。


「あっ、そうよ。そのまま腕を上げれば脱臼する。

これがチキンアームロック」

「ああ、なるほど」

亮は返事をして腕を外しすばやく離れた。

ジェニファーは亮の覚えが早いのに感心し

簡単な手首固め、腕挫腕固、ネックロック、

腕挫十字固を教えた。

「亮、この他に絞め技と言って首を絞める技が

あるけど喉仏を潰してしまって

 死ぬ可能性があるので勧めないわ」

「すみません、少しでいいから教えてください」

「分かったわ」

ジェニファーは亮のジャケットの襟を持って交差させた。


「これがトライアングルチョーク(三角締め)

柔道の技にあるわね。これは首の頸動脈を圧迫して

脳に行く血液を抑えて失神させる」

ジェニファーは他にクロスチョークをやって見せた。

「はあ、かなりきついですね」

「うふふ」

ジェニファーは正面から亮の首を脇に抱え、

手首を亮の喉仏に当ててそれを持ち上げた。


「フロントチョークは喉頭隆起(喉仏)を押し込め、

気管を塞いで肺に空気が行き届かないようにし、

窒息させる方法よ。相手の背が高いと難しいけど・・・

このままグランドに持ち込めば首の骨を折る事もあるわ。

そして後ろに回ってスリーパーホールド(裸締め)」

ジェニファーの巨乳が亮の首をしっかりホールドして

亮は身動き取れなくなっていた。

そしてジェニファーは亮を倒し、太ももで亮の首を抑えた。


「こうして足でホールドすれば口や鼻を塞いで呼吸ができないようにし、

窒息させる」

亮はタップして大きく息を吸った。

「ありがとうございました」

亮は立ち上がって首をくるくる回した。

「かなり強烈ですね」

亮はジェニファーの巨乳と太ももですっかり参っていた。

「そうでしょう」

意味を勘違いしたジェニファーはニコニコと笑った。


技を覚えて来た亮は3回に1回技を返していた。

「なかなかやるわね」

ジェニファーは真剣な顔をして腰を落とし亮にとびかかる寸前

亮とジェニファーの真剣な挌闘を

見ていた人たちが周りに集まって来た。

「ジェニファー、終わりにしましょう。人が集まってきました。

このままやっていると

警察に通報されそうです」

「そうね。お疲れさま。今度は警察署でやりましょう」

「お願いします」

亮がお辞儀をするとジェニファーは観衆の手前亮と腕を組んだ。


「ジェニファー、敦子さんは殺意のある人間に殺されたんですね」

亮は様々な絞め技をジェニファーに教わり、喉仏をつぶされていた敦子は

間違いなく素人に殺された事を確信した。

「そうね、訓練を受けた人間は殺すよりもまず戦意を奪う事から始めるわ。

 どんな人間だって人を殺すのは嫌な物よ」

「そうですよね、殺したやつは罪の意識で苛まれているはず・・・きっと」

亮は敦子を殺した犯人が尚子を誘拐した

殺人犯ルイス・マーチンで無い事を願った。


「元気ないわね。さあ、行きましょう」

ジェニファーに肩を叩かれた亮は巨大な胸で

押しつぶされそうになった感覚を思い出し

股間を抑えた。


「ん?どうしたの?苦しくておしっこちびっちゃった?」

「い、いいえなんでも・・・そろそろ行きますか」

ジェニファーに鈴木妙子の会う時間を

決める為にジェニファーに聞いた。


「そうね。17時か・・・どこへ行きたい?

金曜の夜はリザーブしておかないと混むわよ」

「そうですね。華金ですものね」

「hanakin?」

「YGIF。Thank God it's Fridayです」

「そうそう、金曜日の夜はみんな思い思いの

事をして日ごろのストレスを発散するわ」

「そう言えば、ニューヨークって遊ぶ街だと思っていましたが

銀行や郵便局が始まる時間が8時からと早いですね」

「うふふ、それはニューヨークが世界の金融、

証券の中心だからよ。金融のエリートビジネスマンたちは

朝早くからタフな仕事しているわ。


だから仕事が終わって飲むと言っても

せいぜい1時間くらい。後はさっさと

家に帰って家でゆっくりするわ」

「そうなんですか・・・意外だな」

亮はカウンターで飲んでいる美女に声をかけてベッドインする

シーンだけが印象的だった。

「まさか、映画みたいにいつもクラブで

男がナンパしていると思っていた?」

「は、はい」

「うふふ、それに飲んで騒ぐのは金、土曜日の夜だけよ。

それにナイトクラブはカップルや友達グループで

行くところだからクラブに来る1人の女性は

怪しいから気を付けて」


「なるほどね~」

「亮ってまだアメリカンカルチャー知らないのね?」

「そうですね。こっちに来てからずっと

忙しかったものですから・・・」

「じゃあ、今度の週末ボストンのナイトクラブに

行こうか?学生が多いから盛り上がるわよ」

「はい、連れて行ってください」

亮はジェニファーをエスコートするのが楽しみだった。


「OK、DJ調べておくわ」

「DJって何か関係あるんですか?」

「クラブの集客はDJで決まると言っても過言じゃないわ。

人気のDJなんか年収数十億円よ」

「そんなに!ミュージシャンでもないのに・・・」

「ナイトクラブは音楽を聴きに行くところよ。

その世界を作るのがDJ」

DJと言ったらTRFのDJKOOくらいしか知らずなぜ

収入が何億円何十億円も稼げるか

亮は首を傾げた。


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