修理
「あう!」
男はあまりの痛みに手を押さえてしゃがみこんだ。
亮は容赦なく男の上唇を狙って傘で突くと男は両手で
顔を抑えて転げまわった。
「素手で戦えるように格闘技を覚えなくちゃ」
亮は独り言を言った。
「パティ、逃げよう」
亮はパティの手を引いて走った。
「亮、大丈夫。顔を殴られたようだけど」
「ああ、大丈夫。手でかばったから」
「良かった、でもCDがクリーンヒットだったわ」
パティは男の手の甲にCD当たる瞬間の覚えていた」
「あはは、ありがとうございます」
「でも、あの男死なないかしら?地面を転がっていたわよ」
パティは亮が犯罪者になるのを恐れて聞いた。
「大丈夫、手の甲も上唇も凄い痛いだけで、命に別状はないです」
「良かった」
パティは安心したせいで涙が出てきて亮に思い切り抱きついた。
大きなやわらかい胸を押し付けられて亮は
ドキドキしながら囁いた。
「パティ、君のノーブラの大きな胸は刺激的過ぎます」
「ごめんなさい、今度は部屋に戻ったらすぐにつけるわ」
亮が言った褒め言葉の意味がパティには分からないようだった。
~~~~~
「ただいま」
亮がドアを開けているとロビンはモニターから目を離すこともなく
返事をした。
「お帰りおそかったな」
「ええ、私道に迷っちゃって。亮が来て助かったわ」
パティはロビンに気を使って何事も無かったように取り繕った。
「それはよかった」
亮はこっそりと傘とDVDを元に戻した。
「亮、もうすぐサーバーに入り込めるぞ」
ロビンは嬉しくなって叫んでいた。
「はい」
汗だらけのロビン見たパティはタオルでロビンの顔を拭いた
「ありがとう、パティ」
ロビンは嬉しそうに笑うと凄い勢いでキーボードを叩き
パティが買ってきたダイエットペプシ飲んだ。
「あはは、一番の難関の我が母校に入ったぞ。名簿をダウンロードだ」
ロビンが一つ目の大学のダウンロードが終えると
次々に他の大学の名簿もダウンロードして行った。
「ロビン、申し訳ない時間のある限り他の大学の名簿もダウンロードを」
「なんだって!?アメリカの大学は4000、学生数は1700万人もいるんだぞ」
「そんなにあるですか?ではボストンを中心にできるだけ広げていってくれませんか、
その間僕はダウンロードした名簿をチェックしていきます」
「しょうがない、分かった」
ロビンがしぶしぶ納得すると亮はダウンロードされた名簿を無言で記憶して行った。
「亮、10万人を超した本当に記憶できるのか?
一人1秒ずつでも10万秒、27時間かかるぞ」
「そうよ、時間がかかりすぎるわ」
パティは両手を広げた。
「はい、とりあえずボストンだけやってみます」
亮が汗を拭いているとロビンはパソコンの電源を切って
エアコンのスイッチを入れると涼しい風を流した。
「少しでも亮の記憶しやすい環境にしなくてはな」
「ロビンありがとう、これで0.5秒で記憶できます」
亮はモニターを見ながらマウスをクイックして行った。
~~~~~~
ロビンとパティは睡魔に襲われ長椅子で居眠りをしていると
コーヒーの香りで二人は目を覚ました。
「お目覚めですか?パティ、ロビン」
「亮、悪かった、寝てしまった」
ロビンが眠そうな目で言った
「いいえ、お陰で集中できました」
「今、何時?」
パティが聞くと亮は時計を見た。
「7時20分、まだ会社に間に合いますよ。パティ」
「あん、今日は休む」
パティが一度ソファーに横になってすぐに体を起こして聞いた。
「所で亮、何人までやったの?」
「終わりましたよ、10万人」
亮は涼しい顔をして言った。
「本当か?亮。一人辺り0.2秒だぞ」
ロビンは亮が6時間の短い間にどうやって
記憶したか不思議だった
「はい」
亮はロビンの返事に答えるとパティの耳元で囁いた。
「パティ、昨日襲ってきた男はボストン大学の
フットボールのディフェンダーの男でした」
「本当!?」
「ジェームズ・ミトン。コロラド州・スプリング出身の2年生です。
捕まえましょうか?」
「いいわ、痛い思いして反省していると思う」
「そうですね」
「亮、フットボールをやっている人も手が大きくない?」
パティは亮がフットボールというスポーツと言ったので
犯人はフットボールをやっていた人間である可能性もあると思った。
「そうですね、でも何か違うんです。昨日襲ってきた男と向き合って
イメージが違うんです」
「何が違うのかしら?」
パティは亮の考えている事が分からなかった。
「一休みしたら大学に行ってフットボールと
バスケットボールとバレーボールを観てみます」
亮はブツブツと言っているので心配になったパティは亮に言った。
「亮、私の家で休んだらどう?お婆ちゃんも会いたがっていたし、おいでよ」
「うん、じゃあ3時間だけ」
「うふふ」
パティは嬉しくてしょうがなかった。
「ロビン、バイオ燃料の資料をパソコンに落としてありますから
よろしくお願いします」
「ああ、早速仕事か」
ロビンはため息をついた。
「もちろん、燃焼効率を上げるために今考えられるだけでも10万通り
の混合と燃焼実験をしてどうしても2年で完成させたいんです」
「ん?どうして2年なんだ?」
「おそらく原油価格の高騰の余波でアメリカ金融市場の崩壊が起きます」
「それが2年後?」
「はい、2年後にバイオ燃料を完成させそれを発表すれば
世の中の石油不足の機運に乗じて一気に上場すれば資金の余裕ができます」
「なるほど、それが2年後か・・・その予測をしているのはどこの誰だ?」
ロビンは2年後のアメリカ金融崩壊の話を聞くのは初めてだった。
「そんな事は経済学者なら誰でも予想している話です、ただ誰もそれを認めたくないだけです」
「わかった、君を信じよう」
「ロビンは1年以内にハッカーの能力を生かして完璧な
セキュリティシステムを完成させてください」
「1年か」
「はい、これから世界中のテロリストは色々な方法でアメリカにサイバーテロを仕掛けてきます。
そのためのセキュリティが必要なんです。誰にも入り込めない鉄壁のセキュリティを
作ってください」
「そうか、俺にしかできない、ハッカーの俺しかできないセキュリティか」
「はい」
「よっし!」
ロビンは手を握り締めた。
~~~~~
亮はパティの家の2階の部屋で仮眠をしてい
悲鳴が聞こえてきた。
「キャー」
亮はベッドから飛び起きて声の聞こえた1階のキッチンに入って行くと
パティの母親リンダが水を噴出している水道の蛇口を押さえていた。
「アリス、元栓は?」
亮は様子を理解してアリスに聞いた。
「私の足元の扉を開けた奥にあるわ」
「OK」
亮は膝をシンク台の下の扉を開き、手を突っ込んで元栓を締めた。
「ありがとう、急に蛇口から水が噴出してしまったの、寝ていたのにごめんなさい」
「いいえ、そろそろ起きようとしていたので、蛇口直してしまいましょう。レンチは?」
「あっ、車庫に道具箱があるわ」
亮は車庫から道具箱を取ってきシンク台の扉を開けナットを緩めレバー蛇口をはずした
それをキッチン台の上に載せパッキンをはずした。
「アリス、パッキンが切れってそこから水が飛び出していました」
「そう、どうすれば良いの?」




