表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
82/132

襲われる

「やっぱりあれか?」

デビッドは大声で笑った。

「それは失礼よ、亮はアメリカの女性に馴れていないだけよ」

ローラは立ち上がってデビッドを叱った。

「ローラ、冗談だよ。亮は内気なんだよ、女性に対して」

「そうならいいんだけど・・・」

パティは自分の誘いに一向に乗ってこない亮が

内気だと聞いてちょっとホッとして独り言を言った。

デビッドのたちのやり取りを聞いていたロビンはなぜか嬉しかった。

「お待たせしました」

亮はトレーにグラスを載せて来た。


「なんだ、これ?」

デビッドはオレンジ色のグラスを指差した。

「一日分の野菜ジュースです。ロビン飲んでください」

「これをか?」

ロビンはグラスを指差して気持ち悪そうな顔をした。

「美味しそうじゃない」

パティとローラはそれを飲んでにっこりと笑い

ロビンとデビッドに進めた。

嫌そうに飲んだロビンは声を上げた。


「美味い、これいけるぞ!」

「これはいい、Natural Grillの新しいメニューになる」

デビッドがうなずいた

「Natural Grill?」

ロビンが首を傾げた。

「ああ、Big Grillの売り上げが落ちたので亮たちと

新メニューを開発して店名を変えているんだ、

味はそのままでカロリーを30%から50%ダウンさせた。

亮は日本の大学にいた時、人間が健康になる植物の研究をしていて

 それを父の会社が取り入れたんだ。今は農場と契約して

日本の野菜や中国野菜も作っている」

デビッドは目を輝かせて話をした。


「ロビン、健康のためにこのジュースを飲み続けてください」

亮は今日始めて会った人間にも関わらずロビンに頼んだ。

「ああ、でも作るのがめんどうだ」

「僕が作り置きをしておくから」

「ありがとう」

ロビンが下を向いて亮に礼を言った。

デビッドはロビンの顔を見て静かに頼んだ。

「ロビン、仕事の依頼なんだが受けてくれないか?」

「仕事!なんですか?」

ロビンは嬉しそうにデビッドに聞いた。


「バイオ燃料の製造管理プログラムだ、

上手く出来上がったら君の作りたがっていた

 セキュリティソフトの開発に資金を出そう。どうだ?」

「お願いします」

ロビンは自分の信用できるデビッドの仕事なので喜んで依頼を受けた。

「それから、ロビン。亮はいい奴だ、仲良くしてやってくれ」

「はい・・・」

ロビンはうなずくと真剣な目で亮の顔を見た。


「亮、教えてくれ。どうして

科学選手権の表彰式に来なかった?」

「やはりロビンやはり知っていたんですね。

実はあの時友人を白血病で亡くして

精神的に参っていました。

それに医学部から薬学部進路変更したばかりだったので、

行く時間の余裕が無かったんです」

「そうだったのか、死んだのは彼女か?」

ロビンは悲しそうな顔をして聞いた。


「いいえ、彼女までとは・・・」

亮が首を落とすとデビッドが勝手に決め付けた。

「そうか、亮が女性と付き合わない理由がわかったぞ。

まだその女性の事が忘れられないんだな、あはは」

亮は秋山良子の話をする必要も無いので何も言わなかった。

「亮、よろしくな」

ロビンは亮の肩を叩いて強く握手をした。

「ロビン、こちらこそよろしく」


~~~~~

ロビンの部屋に5人で12台のパソコンを運んだ

「ロビン、大丈夫か。この部屋相当暑くなるぞ」

デビッドがパソコンを並べながらロビンに言った

「あはは、このボロエアコンで大丈夫かな?」

ロビンはパソコンのケーブルを繋ぎながらエアコン下を覗き込んだ。

「ロビンここは窓が無いの?」

ローラがロビンにきつい質問をするとロビンは無愛想に答えた。

「近所がうるさいので窓を塞いだ」

「それより電流の方が足りるでしょうか?」

「わからん」

亮がロビンに聞くとロビンはあきらめたように手を挙げた。


五人が黙々とセッティングして電源を入れると

パソコンはゴーという音を立てて熱風を吐き出しながら

動き出したがすぐにブレーカーが落ちた。

「やっぱり、だめだ。エアコンを切る」

ロビンはエアコンを切ってもう一度

パソコンの電源を入れると順調に動き出した。

ロビンはデビッドとローラを帰して作業に入り

亮もパティも暑さの為に上着を脱き、Tシャツ姿になった。


亮はテレビで観るFBI女性捜査官のようなパティの姿に

見とれて時々大きな胸のラインを見ていた。

「遅くなるからパティも帰ってくれ、

作業中に電源が落ちたら大変なことになるので相当暑くなるぞ」

「徹夜の仕事になるって家に連絡をしてありますので大丈夫です」

ロビンが言うとパティは頑固に答えた

「じゃあ、パティ氷とダイエットペプシを買って来てくれ」

「はい」


パティはティシャツにジャケットはおって部屋を

出て行くとロビンはモニターを見たまま上半身裸になった。

「ロビン、この辺りの治安は?」

亮はパティが心配になってロビンに聞いた。

「最悪だよ。だから家賃が安いんだ」

「まずい、彼女ノーブラで出て行った」

「大丈夫だろう表通りのコンビになら歩いて2、3分だ。

 それにジャケットを着ていたろう」


~~~~~

パティはロビンの部屋を出てコンビニに向って歩くと

大きく揺れる自分の胸に気が付いた。

「あっ、ブラを付けてくるの忘れた」

パティは人に気付かれないように左腕で胸の揺れを抑えて歩き

恐怖で時々後ろを振り返りながらやっとの思いでコンビニに着くと

冷蔵庫を覗き込んだ。

「やだ売り切れ?」

パティはしょうが無しにもう一軒のコンビニに向った。


そこまで行く道程は歩く人はまばらで街灯が

ポツリポツリとある暗い路地ばかりで

時々黒人が座り込んで大声で話をしていた。

二軒目コンビニのレジで支払いをする時胸を隠していた左手を離すと

パティの白いティシャツがプルプルと揺れ

それを見ていた店員が大きな目を見開いて驚いていた。

両手に氷を持ったパティは揺れるノーブラの胸を突き出しながら

歩くと、後ろからヒタヒタと足音が聞こえた。


~~~~~~

「ロビン、遅いですねパティ」

帰りが遅いパティが気になって亮はロビンに言った。

「まさか違う店に行ったんじゃないだろうな。あっちは危ないぞ」

「ロビン、いらないCDありませんか?」

「そこに山済みになっているよ。DVDが」

「パティを迎えに行ってきます」

亮はDVDを持って部屋を飛び出して行った。

「あいつ傘を持って行き行きやがった。雨も降っていないのに?」


~~~~~

氷を両手に持ったパティは後ろからの気配に危険を感じて

早足になった。

すると突然パティの口に大きな手がかぶせられると

パティの体は宙に浮き足をバタつかせた。

「お嬢さん、一緒に遊ぼうぜ、痛て!」

男の手の力が緩みその隙にパティは男の手から離れた。

「パティ逃げろ!」


亮は大きな声を上げるとパティは氷を拾って亮の後ろに隠れた

「大丈夫か、パティ」

「うん」

すると大きな男が声を上げて亮に向かってきた

「ウォー」

「でかい!」

亮は手に持ったDVDを男の顔に向って何枚も投げると

男は怯むことなくDVDを避けて走ってきた。


「やばい」

亮はパティをかばって顔を殴られてぶっ飛んだ。

「ふう、くそっ!」

亮は立ち上がると傘を手に持って

男に向って背を向け男が手を出して瞬間

テニスのバックスタイルから回転して男の右手の甲を傘で叩いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ