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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
81/132

パソコン

「ああ、各大学には優秀な研究者がたくさんいるから、

どんなセキュリティープログラム施されているかわからない。

さもないと研究データが盗まれるからな」

ロビンは当たり前のような返事を帰してきた。


「それで、僕は何を手伝えばいいですか?」

亮は一向に作業に取り掛からないロビンを気にして聞いた。

「中古パソコンを10台集めてくれ、できるだけセキュリティを

破るのにスピードを早くしたいんだ」

「なるほど、パソコンをつなぐと早くなると聞いた事があります」

「うんそうだ、中古のパソコンなら1台100ドルで買える」

「分かりましたすぐに買って来ます」

「あっ、モニターは要らないからな」

「はい」

亮はロビンの部屋から出て道路に出るとパティが歩いてきた。


「あら、亮」

「パティ、いいところに来た。買い物に行こう」

「何を買うの?」

「パソコン、中古ショップに案内してください」

「わかったわ」

亮とパティはパソコンショップに向った


~~~~~

「まったく、あいつが團亮か。

どうやっていじめてやろうかな。クリス」

ロビンはパソコンのモニターに自分とクリスが

肩を組んで写っている写真を見ながら

箱からケーブルを取り出して出してニヤリと笑った。

~~~~~

中古パソコンショップに着いた亮はパティとPCを選び出した。

「ねえ、亮。ロビンて言う人どんな人?」

パティはまだ会った事の無いロビンの事が気になった。

「デビッドの紹介で今日始めて会ったんだけど

かなり優秀なハッカーらしい」

「へえ、じゃあ彼に学生名簿を出してもらうのね」

「はい」


亮はパティの側を離れ店の奥に有るパソコンを

数分間いじってパティのところに戻ってきた。

「パティ、ここはカードで買えますか?」

「うふふ、アメリカではカードを使えないのは教会の献金くらいよ」

「良かった、100ドルしか持っていなかったので」

亮がカードで支払いをするとパティが亮の顔をジッと見ていた。


「亮、どうしてディスカバーカードを持っているの?」

「えっ、どうしてですか?」

「だって亮は日本人の学生だからアメリカの

クレジットカードは作られないと思って」

「あはは、そうなんです。ディスカバー

銀行口座にヒストリーが無いので

担保金を預けて作ってもらいました。

一年くらい使えば本物のカードが作れると思います」


「そうか、こっちへ来る日本人は日本の

クレジットカードを使っているものね。

 こないだ、田舎のガソリンスタンドで

使えなかったと言っていたわ」

パティは亮が本気でアメリカに

馴染もうとしていることを感じた。


「それより驚いたのは、カード会社から請求が来て

支払う分の小切手を郵送するんですね」

「そうよ」

パティは首を傾げた。

「日本の会社は給料が25日で銀行振り込みです。

クレジット代は銀行引き落としなんです」

「えっ?給料は月1回なの?」

「ええ、お陰で月末に銀行に行列ができるんです」

「うふふ、面白い」

PCを車に積み終えた店員が亮に合図を送ると

二人は笑いながら車に乗った。


「亮、お金大丈夫?」

「はい、アルバイトでたっぷり稼いできました」

「どれくらい?」

「4万ドルくらいかな」

「4万ドルってそんなに・・・!」


~~~~~

「亮、ロビンとはどうなった?」

そこへデビッドが心配して電話をかけてきた。

「ええ、やってくれるそうなので今、パソコンを10台買って

 ロビンの部屋の届けるところです」

「そうか、今からみんなで食事をしないか?」

「はい」

「僕からロビンに電話をかけて呼び出しておく、トムの店で会おう」

「はい」


~~~~~~

亮とパティがトムの店に入ると店主のトムが明るく亮を向かえた。

「やあ、アキラ元気か」

「はい、おかげさまで」

店で食事をしている連中も亮に挨拶をした。

「亮、相変わらず人気者ね」

パティは亮を笑顔で見た。

そこにデビッドとローラが入ってきた。


「パティ」

「ローラお久しぶり」

そう言ってパティとローラがハグをした後に

4人は円卓に座った。

「デビッド、ロビンは?」

「今来る」

「彼は家を出るのを嫌がっていませんでしたか?」

亮はロビンが引きこもりの

パソコンオタクのような気がしていた。


「あいつは大学の寮の後輩でその時からいつも

腹を空かしているから必ず来るさ」

「いつも?」

「うん、あいつの支出は電気料、

コンピューター、家賃そして最後に食費だ」

デビッドが言うとパティとローラが笑った。


「ロビンは何の仕事をしているんですか?」

亮はデビッドに聞いた。

「彼は大学の時から天才と言われていたが

変わり者で就職ができないんだ。

 亮が気に入ればバイオ燃料のプログラムを

頼もうと思っている」

「別に、気に入らないわけではないですけど

ロビンは僕を気に入らないようです」

「なぜだ?」

デビッドはロビンと亮の関係があまり

うまく行っていないような気がした。


「とにかく努力してみます」

そこへロビンが入ってきた。

「やあ、デビッド」

「ロビン、元気か?」

二人が握りこぶしをぶつけ合うと

ロビンはローラに挨拶をした。

「ロビン、こちらが私の友達のパトリシア」

ローラに紹介されたロビンと

パトリシアは握手をして自己紹介をした。


「ロビン、改めて紹介する僕の

ビジネスパートナーのアキラ・ダンだ」

デビッドが亮を紹介した。

「ビジネスパートナー?」

ロビンが不思議そうな顔をして聞きなおした。

「ああ、バイオ燃料の会社を作るのに資金を集めてくれたんだ」

デビッドは亮の紹介をするとロビンはあまりにも

デビッドが亮を褒めるので不機嫌な顔をしていた。


「そうか、君はやっぱりいい人だ」

またその嫌味を亮に向かって言った。

「ロビン、パソコンを買ってきました」

亮がロビンに報告するとロビンは困ったような顔をした。

「そうだ、いい忘れたんだがファイヤーウォール用に後2台欲しかった」

「そうだろうと思って、2台余分に買っておきました」

亮は明るく言うとロビンは待っていたかのように難題を押し付けた。


「ああ、そうか。ありがとう。ケーブルを頼むのを忘れていたよ」

「大丈夫です。買って来てあります」

「ああ、そうか」

ロビンの声が落ちた。

そこにステーキが運ばれるとロビンは嬉しそうに食べ始めた。

亮たちがサラダを頼んだのにも関わらず

ロビンはステーキだけを食べていた。


「ロビンは野菜を食べないんですか?」

「うん、俺は野菜は嫌いだ」

亮が聞くとロビンは美味しそうにステーキを食べていた。

「ロビン、それはいけないわ、野菜も食べないと体に悪いわ」

パティがロビンを心配して言った。

「うん、でも野菜は味が無いから嫌いなんだ」

亮は黙ってその会話を聞いていて思いついたように

立ち上がってトムの所へ行った。


「あれ、亮どこへ行ったの?」

パティが回りを見渡してローラに聞くとローラは気に留めず答えた。

「トイレじゃない?」

それを確認したロビンはパティに聞いた。

「パティ、亮と付き合っているのか?」

「ううん、亮は私には興味が無いみたいよ。でも凄くいい友だち」

パティは亮の女性に対する冷めた態度に自分で言い訳をした。

「やっぱり、あいつ変だよな、ローラ」

デビッドがローラに同意を求めるとローラが首を傾げた。

「そうね、彼大学の中でも女子学生と話をした事が無いらしいわ」


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