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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
80/132

ハッキング

「紹介していただけませんか?」

「かなり変人だぞ」

~~~~~

翌日の夕方、亮はデビッドに教わった古いレンガ造りの建物の

2階の部屋のチャイムを鳴らした。

「誰だ?」

「デビッドの紹介で来ました。團です」

ドアの向こうに気配を感じたが中々ドアが開かず

亮は身動きせず5分ほど黙って立っていると

ドアの隙間からメガネをかけた男が覗いて言った。


「まだいたのか?」

「はい」

男はドアを大きく開け亮を招きいれた。

「團亮です、よろしくお願いします」

亮がそう言って右手を出したたが、ハイドはそれを無視した。

「ロビン・ハイドだ」

ロビンは亮の手を見ただけでデスクにたくさんな

並んでいるモニターの1つを見た

「それで、何の用だ?」

ロビンは無愛想に亮に聞いた。


「ハッキングを頼みたいんですけど」

亮はいきなりロイドに言うとロイドはニヤリと笑って

パソコンの前に座った。

「俺はハッキングのような悪い事をしない」

「そですか、じゃあ僕の経歴をどうやって調べました?」

「何の話だ?」

「右から2番目のモニターのスイッチを入れてください」

「故障中だ」


「ハイドさん、あなたは僕がチャイムを鳴らした時、入り口のカメラで

 僕の顔写真を撮ってハーバード大学の学生名簿の写真と照合しましたね

 それとデビッドから僕が爆弾事件を解決した話を聞いて、興味を持って

 会うことにした。違いますか?」

「あはは、そうだよ。それに5分待たせて君の本気度を試した」


ロビンはズバリ亮に言われたので笑いながら答え

2番目のモニターのスイッチを入れた。

「君は日本の東大薬学部からハーバード大の経済学部に来たそうだな、

 変わった経歴で面白いなあ」

「はあ」

「それでハッキングしてどうするつもりだ?」

「クリストファーコロンブスパークで日本人女性を殺した犯人を捕えたいんです」


「ははは、俺は警察じゃないぞ」

「僕が個人的にボストンにいる大学生全員名簿が欲しいんです」

「なに?犯人は大学生だと言うのか?」

「そうです」

「じゃあ、警察に相談すれば良いだろう」

「警察が動くと思いますか?7万人の学生から見つけ出せなんて」

「そうだ、そんな確証もないめんどうな捜査を警察はやらないな」

「はい」

ロビンは亮がやろうとしている無謀な事が面白かった。


「君は馬鹿だな」

「はい、馬鹿です」

ロビンは笑って答える亮に好意を持った。

「君が大学生に決め付けた理由はなんだ?」

「警察の鑑識の話だと身長185cm以上

女性の体内に残された男性の

体液から調べた血液型はO型、

膣の裂傷と遺体の首と手首と足首に異常に太い

痕が付いていて数人に暴行を受けた事がわかったので」


「ほう、まるで警察と繋がっているみたいな情報だ」

「日本人の僕はたまたま遺族との通訳を頼まれただけですよ」

亮はロビンに不審に思われないようにフレイザー警視と親しいと言わなかった


「まさか体が大きいだけでの情報で学生と決め付けたわけじゃないだろう」

「もちろん体の大きい社会人もいます。

ただバレーボールかバスケットボールを

やっている学生の可能性が高いので」

「そうなのか、学生なのか・・・」

ロビンは亮が考えている事が良くわからなかった。


「ただ殺された女性が数人に暴行されて

全裸で公園に投げ捨てられた事が同じ日本人として許せないんです」

亮は熱を込めて語るとロビンは笑みを浮かべて答えた

「へえ、いい人なんだね。君」

「別に、いい人じゃないですよ」

亮はオドオドと弁解するとロビンは亮に聞いた。


「わかった」

「じゃあ、ハッキングしてもらえますか?」

「ハッキングするにはギャラはもらうぞ」

ロビンは指を丸くして出すと亮は困った顔をした。

「いくらかかりますか、学生なので

そんなには多く払うのは無理ですけど」

「じゃあ俺の質問に答えてくれ。本当に君が

 図書館の爆弾を処理したのか?」


「はい、爆弾を処理したのは警察ですけど爆弾のセット場所は

 僕が見つけました」

そう言ってロビンは亮に図書館の爆弾撤去の方法を聞き

それに答えた亮の言葉にロビンは唖然とした。

「じゃあ、図書館にあった本の名前と

その置き場所を全部覚えていたというのか?」

「はい」

亮はそう言ってクリスの事を思い出した。


「その捕まった犯人のクリスとはアメリカ化学会主催の

高校生科学選手権で

奴と1位2位を争ったライバルだったんだ」

「えっ?ロビンも爆弾を作っていたんですか?」

「いや、俺はコンピューターソフトで奴は化学の方だった」

「優勝は?」


「俺が2位で奴が3位だった。1位は日本人の高校生で

なんて言ったかな?中国人みたいな漢字二文字の名前だった、

それで表彰式に来なかった失礼な奴だった」

「すみません」

「何で君が謝るんだ?」

「いえ、日本人として代わりに」

「また日本人か、君って本当にいい奴だな」

ロビンはシゲシゲと亮の顔を見て微笑んだ

「それで俺はMIT、クリスはスタンフォード大学に入った。


 でもどうしてあいつテロリストの仲間になってしまったんだろう」

「そうですね、そんなに優秀な人なのに残念です。でも凄くいい人だったので

 刑務所から出たら救ってあげたいと思います」

「そうか、いい人か・・・君は本当に・・・」

「ロビン、もう良いですよ」

亮はロビンがひどく人間関係で苦労していたと思っていた。


「どれで、いくらくらい?」

「ああ、横道にそれた。そうだな、モーニング娘のリカと

ミキティと小倉優子の写真集が欲しい」

亮は唖然として答えた。

「それだけでいいんですか?」

亮はあまりにも簡単な要求に驚いて聞きなおした


「ああ、それだけで充分だ。もっとも

三人合わせて20冊以上有るけどな」

「全部?」

「うん、もちろん」

亮はロビンが日本のアイドルオタクで

欲張りなのに驚いた。しかも少し古い。

「そうだ、元AKK48の白尾尚子と会いたくありませんか?」

「おっ、実は彼女もファンだったんだ」

「彼女はAKK48を辞めて今ニューヨークに住んでいます。

うまく行ったら一緒に食事に行きましょう」

「ま、まじか!」

ロビンは喜んで亮と初めて握手をした。


「そうだ、もう1つ頼みがある」

「はい?」

「何年か後に二文字の日本人がどんな凄い

科学者になったか教えてくれ」

ロビンは何年か後と言ったのは亮と

長い付き合いがしたいという意味が有った。


「了解です、でも日本のアイドル好きなのに

漢字は読めないんですか?」

「昔の話だ。良く覚えていない」

ロビンは不機嫌になって腕を組んだ、

亮はロビンに気を使いながら聞いた。


「アシスタントを一人呼んで良いですか?」

「アシスタント?」

ロビンはさっきに増して嫌な顔をした。

「女性です」

「そうか、それなら大歓迎だ」

「はい」

亮はすぐにパティにメールを送った。


「亮、インターネットって

どうしてできたか知っているか?」

「なぜですか?」

亮は知っていたが知らない振りをして聞いた。

「インターネットは元々アメリカの大学の

研究情報公開のために作られたネットワークが

 Webになって広がって行った。

つまり世界中の教育機関が繋がっているacademicは

一度入れば楽なもんだ」


「そう言えばさっき僕のデータを見ていましたね」

「ああ、あれはハッキングじゃないハーバード

の学生なら誰でも見られる情報だ」

「ロビンはMITじゃないですか」

亮は当たり前のように言うロビンにボソッと呟いた。

「それでロビン、大学のデータベースに入って

学生の情報を取るには難しいですか?」


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