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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
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日本人女性

「亮、身元不明の東洋人女性の死体が見つかった。手伝ってくれ」

「は、はい。死体ですか?」

亮は死体を見ると言われて気持ちが悪かった

「同朋かもしれないからな」

「はい」

亮はパティに連絡をするとパティは喜んで返事をした。


死体があったのはボストン市街地中心部にある

1634年創立されたアメリカ最古の都市公園

クリストファーコロンブスパークの奥の芝生の上だった。

夜から降っていた雨は発見される、

朝の5時まで全裸の女性の体を濡らし続け

すべての証拠を消し去っていた。


死体置き場に寝かされた女性の所に来た亮とパティは

亮は蝋人形のように固く白くなった女性の顔をみて

涙を流した

「どうした大丈夫か?亮」

フレイザー警視が亮に声をかけた

「大丈夫です、解剖は?」

「今からする」

「彼女は日本人です」

「分かるのか?」

「はい」


パティとフレイザーは一目で死体の女性を日本人と言い切った

亮の顔を見た

「何処で分かるんだ?」

「髪の色です、クリスタルモスカラー日本のDUN製薬のヘアカラーの色です」

「そうか・・・直ぐに日本人女性として捜査を始めよう」

「お願いします」

亮の言葉を信じたフレイザーは部下に指示をした。


「警視、髪の毛を一本いただけますか?」

「うん」

フレイザーは検視官の承諾を受けて亮に渡すと亮は髪を根元から指でこすった

「そうやって何か分かるんですか?」

パティが亮に聞いた


「はい、この毛染めは泡タイプなので根元から毛染めが出来ます」

「ええ」

「人間の髪の毛が伸びるスピードは1日0.3mmだから

根元からの色が変わっていない言う事は染めたのが1日~2日前です」

「なるほど」

パティは亮が意外な事に詳しいので驚いていた。


「それと、この人は4ヶ月前から1ヶ月までの3ヶ月間体調を崩していました。

と言うより妊娠していた可能性があります」

「えっ、どうして?」

「パティ、髪の毛を触ってください、でこぼこしているでしょう」

「ええ、周期的に」

「細い部分が生理の時です」


「あっ、なるほど、それで細い部分が約3cmだから妊娠3ヶ月間と言う訳か」

「はい、つまり日本の警察には2、3日前に日本を出国して1ヶ月前に堕胎した

雪の多い地方出身の人を調べてもらってください」

「亮、髪の毛だけでそれだけ分かるのか?」

「ええ、雪の多いところと言うのは靴のつま先が減っているんです」


「靴の減り方?」

「ええ、雪国で歩く時は踵から下ろすと滑るので、つま先から下ろして歩くんです」

「なるほど」

フレイザーは靴の裏側を見てパティが何歩か歩いてみた

「それとこの女性は若干外反母趾の傾向ですから、

ハイヒールを履く仕事やセールスの仕事をしていた

可能性があります。あとは司法解剖を待たないと」


「いや充分だ!これで日本の警察に調べてもらえるぞ!」

フレイザー警視は日本の警察にボストン警察のレベルの

高さを知らしめる事が出来て嬉しかった

亮が絞り込んだお陰で日本の警察の返事が早く

1時間ほどで該当者のデータが送られてきた

その内容は、渡米後2日前から連絡の取れていない

女性で秋田県秋田市出身佐藤敦子

27歳 職業、広告代理店の営業だった。


「亮、秋田って雪が多いのか?」

フレイザーが亮に聞いた。

「はい、とても」

「よし!当った」

フレイザーは指を鳴らすと声を上げた。

「日本人と分かれば、全力で犯人を捜すぞ」

「ではよろしくお願いします」

亮が警察を立ち去ろうとするとフレイザーは慌てて亮を止めた


「ま、まってくれ亮!」

「はい?」

「日本から資料が届くので資料を読むのを手伝ってくれ」

「分かりました」

亮が引き返すとパティが亮に頼んだ


「亮、私に日本語の読み方教えて」

「いいですよ、そうだ書道をやってみませんか」

「shodo?」

「はい、筆で漢字を書くんです」

「漢字素敵、とても綺麗ね」

「ええ、漢字には読み方も意味もパワーもあるんです」


「漢字にはパワーもあるの?」

「ええ、それは追々話します。それより殺された

佐藤敦子さんの付き合っていた男性を

 を探しましょう」

「どうやって?」

パティが首をかしげた


「今、日本ではツイッター、インスタグラム、FacebookとSNSは

 は色々あります。もしかしたら彼女もそこで書いていたかもしれません」

「そうか、ブログか」

「はい、もしブログを書いていたならボストンへ来る理由が分かるかもしれません」

「どうやって?」

「職場の同僚に聞いてみましょう」

亮はフレイザーに佐藤敦子の同僚と連絡を取りたい事を伝えた


「それなら、日本の警察に頼もう」

「僕が頼んでいいですか?英語が出来る警察官は

たぶん現場の人じゃなくて

 上の人だと思います」

「そうか、じゃあお願いしよう」


亮はフレイザーの許可を取ると警視庁の捜査一課に電話をかけ

殺された佐藤敦子のブログを同僚に聞いてもらった。

1時間ほどで捜査本部に電話がかかってきた

「ダンさんですか?」

電話の向こうでオドオドした感じの声が聞こえた。


「はいダンです、お疲れ様です」

「佐藤敦子さんのブログが分かりました。

名前が秋田小町だそうです」

亮は電話で聞きながら近くにあったPCで開き確認した。

「ありがとうございます。見つかりました、ええとお名前は?」

「森です」

「森さん、ありがとうございます」


「とんでもない、日本語が上手なので助かりました」

森は亮がアメリカ人と勘違いして答えた。

そして亮にとって森が数年後、互いに無くてはならない

存在になる事を知る由も無かった。

「パティ、ブログが分かりました」

亮はそう言って森田幸子に連絡をした。


「幸子さん、團亮です」

「亮さん!嬉しいい」

幸子は喜んでいた。

「フェイスブックちょっと調べてもらいたい事があって」

「SNSならフェイスブックの地元じゃないですか」

※フェイスブックは元々ハーバード大学のマーク・ザッカーバーグが

作った学生同士の交流を目的としたSNSだった。


「ちょっとこちらで日本のフェイスブック調べると文字化けが出てしまって」

「わかりました」

「メール送ります」

それから数十分後、幸子からメールが来た。

「パティ見つかった」

亮がそう言うとパティは嬉しそうな顔をしてモニターを覗いた

「亮、この男性が彼かしら?」

2日前の日記に敦子と金髪の男性が腕を組んだ

写真が掲載されていた。


「うん、ロバートと書いてあります」

亮は過去の日記を読んで二人の関係を推理し

フレイザー警視の部屋にパティと一緒に行った

「フレイザー警視、2日前に佐藤敦子さんと一緒にいた男です」

亮はプリントアウトした男の写真をフレイザーに見せた

「なるほど、アメリカ人か」

「名前はロバートでエンジニアだそうです」

「他には?」


「佐藤さんは1年前この男と日本の六本木で知り合い交際をしていたようです

 そして3ヶ月前に体調を崩して5日前にボストンに着いたそうです。

 体調を崩した時が妊娠した時ですね」

フレイザーはブログに自分の恋愛や体調を崩した事を

公開する日本女性の気持ちが理解できなかった


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