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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
58/132

提供

~~~~~~

クリスマスが終わり美宝堂の正月休みで大晦日に

團一家は亮を残してハワイに旅立ち

亮は軽井沢の研究室で卒論を書いていた。


「亮さん、進んでいますか?」

五郎が亮のテーブルにハーブティを置いた。

「五郎さんありがとうございます。今校正中です」


「じゃあ、いい正月が迎えられそうですね」

「はい」

亮は頭をぐるぐると回すと五郎に話しかけた。


「五郎さん、緑藻の方はいい物見つかりましたか?」

「ええ、色々調べたんですがインドネシア近辺の物が繁殖力が強く

光合成による酸素の放出量もかなり物です」


「それはすばらしいですね、五郎さん5月になったらインドネシアに

採取に行きましょう、多恵さんも一緒に」

「はい」

「五郎さん、緑藻が好む水質も調べなければなりませんね」

「ええ。そうですね」

五郎は亮の優しい言葉に返事をして亮の肩に手を乗せた。

「五郎さん、食糧にできる緑藻も探しましょう。ユーグレナとか」


「確かにユーグレナ(ミドリムシ)は光合成で二酸化炭素を

 酸素に変える能力を持っていてユーグレナの成分

パラミロンはβ1,3-グルカンの一種で、体の免疫機能に作用し、抗菌、

抗ウイルス、代謝改善に効果があるようです。問題は雑菌に弱いので

健康食品レベルなら問題ないと思いますが食料として扱うのは大規模な設備が」


「つまり管理システムに高額な設備投資がかかると言う事ですね」

「はい」

「頑張りましょう」

そして正月休み明けに亮は卒論を提出してボストンに飛び立った。


~~~~~~

ボストンに帰ってきた亮はデビッドに連絡を取った。

「亮、待っていたぞ」

デビッドはプレゼンの準備が出来たので亮と

一緒に投資家を歩きたかった


「デビッド、バイオ燃料を作るためには日照時間が長く温かいところがいいんですが」

「うん、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスの砂漠地帯なら土地が

安くていいんだが水が問題だな」

「はい、こちらも繁殖力の高い緑藻が見つかりそうです」


「それは良い、とりあえず集めたお金で実験施設とプールを作る予定だ

 パティのお父さんに頼んでもう設計図が出来ている」

「ああ、そうか」

亮は人間のつながりがドンドン広がって行くのが

嬉しかった


「亮、ずいぶん長く日本に帰っていたな」

「ええ、実家が宝石を売っているのでクリスマスは忙しいんです、

 それに大学院の卒論も有ったし・・・」

「そうか宝石か・・・亮、近いうちに買うかもしれない」


「あはは、分かっています。今度ニューヨークの宝石店へ行きましょう」

「うん、仕事が忙しくなるからローラと一緒に暮らそうと思っている」

亮は照れないがら話すデビッドの声を聞いて笑った。

「幸せになってください、デビッド」


「ああ、すべて亮のお陰だ」

「そんな事ないですよ」

亮は心から二人の幸せになって欲しかった。


~~~~~~

翌日、亮が大学へ行くと医学部大学院に呼び出され

事務室に行った

「團亮ですお呼びですか?」

「ロバート教授の部屋へ行ってください」

事務の女性がにっこり笑って部屋を教えた。


亮なぜ呼び出されたか意味が分からずノックをして部屋に入った。

「あのう、團亮です」

「やあ、團。私はロバート・ハンクスです」

ロバートは笑顔で亮に握手を求めた


「どう言う用件ですか?」

心配になってオドオドと聞いた。

「ああ、忙しいところすまない。ちょっと協力して欲しい事があってね」

「なんでしょうか?」

ロバートは亮に椅子に座るように指示した。


「まず、君は日本の東大の薬学部だったそうだね」

「はい」

亮は突然言われて驚いているとロバートは亮の資料をしみじみと見ていた。

「君の資料はこちらに届いているがオールA優秀な成績だ。

そしてこちらの大学の成績も評価が高い」


「はい・・・」

「どうして、医学の世界に入らなかったんだ?」

「同時に多くの人を救いたいと思って薬学の勉強をしました、

そして経済学部の勉強をしているのは製薬会社の経営のためです」

「そうか、君の能力はこのまま埋もれては惜しい、

私の研究室で医学の勉強と研究をしてみないか?」


「はあ、でも僕はこの大学の経済学部、

卒業後は大学院で経営学部のMBAを取る予定です」

「あはは、その話はスミス学部長に聞いている、単位の方は私の方で善処する」

「はい、ぜひ」

亮は退屈な経済学部より医学の勉強が出来る事で喜んで返事をした。


「そしてもう1つ、精子の提供者になってもらいたいんだ」

「精子の提供者ですか?」

「うちのように優秀な学生が多いところは不妊症患者の依頼が多い、

 ただ東洋人の提供者が少ないんだ」

亮がモジモジと考え込んでいた。


「知らない人と・・・あの・・・」

「あはは、直接相手の女性とはしないよ、みんな勘違いをするんだ」

「そ、そうですか」

亮は赤面した。


「血液検査をして病気と遺伝子に異常が無かったら精液は他の提供者と混ぜて使う」

「分かりましたたぶん大丈夫です、それでどうやって採取するんですか?」

「あはは、後で看護師に聞いてくれ、たぶん素敵なDVDを貸してくれるさ」

亮はそれを聞いてTVの画面を見ている自分を想像していた。


「團君、どうせティッシュに包んで捨てるんだ、人助けだと思って協力頼むよ」

「はい」

亮は恥ずかしい思いをしながら協力をする事にした。


~~~~~~

その夜、亮は日本のお土産を持ってパティの家に行った。

「あけましておめでとうございます」

日本かぶれをしたアーロンが片言の日本で挨拶をするので亮は赤面した。


「今日は恥ずかしい事ばかりだ」

亮は独り言を言った。

「アーロン、お土産を買ってきました」

亮はパティの父親のアーロンに模造の日本刀を渡した。


「おお、すばらしい!サムライ」

アーロンは刀を抜いて振り回していた。

それを見ていたパティとアリスとリンダとデニスが

あっけに取られていた。


「アーロン、危ないから振り回さないで」

妻のリンダがアーロンを叱った

「あはは、アーロン刀の使い方は後で教えます」

亮がアーロンに言うと嬉しそうに笑った。


「亮、真剣白刃取りって本当にあるのか?」

「はいできます、ただかなりの有段者ではなくては出来ませんよ」

「そうか、凄い!」

アーロンは嬉しそうに刀を持って椅子に座った。

「遅くなりました」

亮は浴衣と有田焼をパティたちに渡した


夏に大量に売っている簡易帯付きの浴衣セットは

結び方を知らなくても楽に結べるもので

女性たちは憧れの着物を貰って喜んでいた


「アーロン、デビッドの研究所の設計を描いたそうですね」

「ああ、バイオ燃料とは実に面白い研究だ、亮の部屋も作ってある」

「僕の部屋ですか?」


「うん、デビッドのたっての願いで亮の部屋を作ったんだ。亮、嬉しそうだな」

微笑んでいる亮を見たアーロンが亮に言った。

「はい、アパートでは出来ない事もありますから」

「あはは、臭いの出るものはまず無理だろう」


「ええ、漢方薬はかなり臭いますから」

亮は今の部屋の周りの気を使わないで薬の研究が出来るのが嬉しかった。

「ところで亮、パティの事はどう思っている?」

アーロンが急に真剣な顔をして亮に近づいた。


「はい、パティは美人だし頭も良いし家族のようでとても好きです」

亮は突然言われ何も考えず思ったことを言った。

「そうか、家族か・・・道理で・・・」

アーロンは将来有望な日本人の亮に娘のパティが相手にされていない事に

がっかりして肩を落とした。

そこへ何も知らない浴衣に着替えた四人の女性たちが亮とアーロンの前に現れた。

「どう?」


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