天命
亮とデビッドと文明と翔記はバイオ燃料について話し合い
持ち株と投資金額の話で熱が入っていた。
デビッドは秀樹に言われた通り冷静に話を進めて行き
独占契約を望む文明達を納得させた。
「では、出来るだけ早い実用化をお待ちしています」
文明はデビッドと握手をするとデビッドは文明を安心させた。
「はい、中国に関しては独占契約ですから安心してください」
「ところで今どのような状況ですか?」
文明が聞くと状況を説明した。
「はい、いま亮の提案で緑藻から燃料を作るのは成功しています。
燃焼パワーがまだ足らない状況ではぜの実を混ぜてパワーを上げていますが
このはぜの木を植林して消費量に合わせる為の
成長を待つと3年から5年かかります」
「うん」
文明は渋い顔をして聞いていた、それを見たデビッドはバックから瓶を取り出し
文明に見せた。
「これが緑藻から作った燃料です」
瓶を秀樹と文明に渡した。
秀樹と文明はそれぞれ蓋を開け、臭いを嗅いだり指につけたりしていた
「火はつきますか?」
秀樹が聞くとデビッドは首を横に振った。
「もちろん、でもここではちょっと・・・」
「そうですね」
「私の車には今50%のこの燃料が入っていてなんら問題はありません、
これから研究を重ね70%100%にしていく予定です」
デビッドが話し終えると文明がうなずいた。
「車を見せていただけますか?」
「もちろん」
デビッドはキーをポケットから取り出しお店の前に止まっていた
車に案内した
「どうぞエンジンをかけてください」
「はい」
文明は運転席に乗りエンジンをかけると、なんの問題も無く
エンジンがかかった。
「ドライブしますか?」
デビッドは文明を誘った。
「ええ、良かったらみんな一緒に」
文明は五人が乗り込んだ車をスタートさせ
何のストレスも無く車はボストンの市内を走りハイウエイを
を走って行った。
「團さん50%でこのレベルなら将来が楽しみですね」
文明が秀樹に話しかけると秀樹が答えた
「ええ、後は生産コストの問題ですね」
「それは化石燃料の中東からの輸送コスト、製油コストを考えると
問題有りません。もちろんCO2も激減します」
デビッドが答えると秀樹が言った。
「分かりました、ただ今これを世に出すと必ず潰される。
機が熟すまで研究を重ねじっくり待ちましょう」
文明は秀樹の言う事に賛同した。
「はい、今これを量産したら必ず石油メジャーに抹殺される。
世界がこれを求めた時一気に行きましょう」
「デビッド、時間を待てる投資家を探してください。それまで我々は
援助します」
秀樹がデビッドに言うとデビッドは秀樹に聞いた。
「そのタイミングは?」
「父親の私が言うのもなんだが、亮に任せよう」
「えっ、僕ですか?」
亮は慌てて聞いた。
「うん、それがいい」
文明も翔記もデビッドも秀樹の言葉に賛同した。
「なぜ僕を?」
「亮、お前はアメリカに来てたった3ヶ月でここに四人を
集めた不思議な運を持っている」
デビッドが言うと秀樹と翔記と文明が笑ってうなずいた。
亮は何も言わずにいると翔記が口を開いた。
「僕たちは亮に命を救われた、そして図書館の本も」
すして文明が続いた。
「亮は主席を救った」
「僕は亮に父の店を救われた、そしてローラの命も」
みんなが真剣な顔をしてみるので亮は仕方なしに返事をした。
「分かりました、努力します」
「おお」
普段消極的な亮が責任ある立場を引き受けた事に驚いて四人は声を上げた。
「さて、みんなの出会いを祝って飲みましょう」
デビッドはみんなをボストンの港が見えるバーに誘って
四人でお酒を飲みだした。
「きっと亮は人を救うために生まれてきた男かも知れないな」
翔記が呟いた。
その声が聞こえた亮は秀樹に今まで黙っていた事を話した。
「実はお父さん、古文書の中に入っていた手紙があるんです」
「なんと書いてあったんだ?」
「七人の女性を救えです」
「なるほど七人の女性か・・・」
秀樹は亮が女性に囲まれ様子を想像してニヤニヤ笑うと
デビッドは自分の彼女のローラを救ってもらった事に感謝して言った。
「亮はローラと元アイドルを助けた」
「は、はい」
「軽井沢で原美咲さんを助けたな」
亮が返事をすると秀樹が亮の肩を叩いた
「私の妹、麗華を救ってくれた」
翔記はうなずいた。
「合計四人か七人を救うと何が起きるか楽しみだ」
4千年の歴史がある中国人の文明は古文書の内容を真剣に信じていた。
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翌朝、亮と秀樹は亮の車でニューヨークに向かった
「楽しい夜だったな、亮」
「ええ」
「お前をこっちに留学させてよかったよ」
「はい、いい出会いがありました、
大学卒業もこちらでしばらく暮したいと思います」
「それがそうも行かなくなった」
「どうしたんですか?」
「DUN製薬の売り上げが落ちているんだ、会社のデータが盗まれている可能性が大きい。
大学院卒業後、帰国してDUN製薬の社内調査と糖尿病治療薬の開発を進めてくれ」
「はい、わかりました松本の研究所の徳山さんとはメールでやり取りしていますが
臨床まで3年くらいかかりそうです」
「うん、出来るだけ研究室の連中にアドバイスしてくれ」
「分かりました」
亮は自分の計画が狂ってショックだった。
「それとGIA(米国宝石学会)で宝石鑑定士の勉強をしてもらう」




