表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
48/132

解決

「うん、奴が誘拐犯だったらな」

「了解です。合図を送ったら援護に来てください」

「わかった」

フレイザーは亮の肩を叩いた。

亮は純子に段取りを説明した

「純子さん、ルイスはAKK48に詳しいから君を見たら絶対興味を持つ

片言の英語と日本語を使ってルイスにドアを開けさせるんだ。

僕が必ず君を護る」

「はい」


亮の言葉に勇気づけられた純子は緊張した

面持ちで返事をすると車から降りて

ルイスの家のチャイムを鳴らした。

するとルイスはドアスコープからドアの外を覗き

その向こうに可愛い日本女性が立っているのを確認した。

そしてドアチェーンをしたままルイスはその隙間ら顔を覗かせると

純子は笑顔で英語で話した。


「ハーイ、マイネイムイズ ジュンコ・イナダ

 アイアム ア メンバーオブ AKK48」

「wow、really?」

「yes、イントロダクション オブ ジェフ」

純子は亮に言われたように片言の英語で話した

「OK、OK」

ルイスはジェフと言う名前を聞いて喜んで

ドアチェーンをはずしドアを開けた。


純子は右手を後ろに手を回して亮に合図を送る

と歌いだした。

「会いたかった、会いたかった、会いたかった、yes」

3回歌うと純子はしゃがみこんでルイスの視界から突然

消え、ルイスの目の前に亮が投げた3枚のCDが飛んできた

それは額、まぶた、頬を切りルイスは驚きと痛みで顔を覆い

しゃがみこんだ。亮は隠れていた場所から一気に玄関のドアから

飛び込みルイスの顎をテニスラケットフレームで叩き

グリップで水落を突き倒れたルイスの両手両足をタオルで縛り上げた。


「尚子は何処だ?」

亮が大声でルイスに聞いていると

フレイザーが銃をかまえて入ってきた。

「亮、もう捕まえたのか?」

「ええ、尚子さんの居所を探しましょう」

「この家の作りだと、たぶん玄関の脇のドアを開けると地下への階段だ」

「はい」

亮とフレイザーは階段のドアを開けて地下へ下りると

椅子に縛られ気を失っている尚子を見つけた。


亮は尚子のロープを解き床に寝せ自分の上着をかけ脈拍を診た

「警視、命に別状は無いようです救急車を呼んでください」

「もう呼んでおいたよ。それより死体処理班も呼ばなくては・・・」

「どうしたんですか?」

亮が立ち上がって部屋の奥を見ると

冷凍保存をされた少女の遺体が眠らされていた。


亮は真っ先に考えたのは尚子の心の傷どうやって癒すかだった。

フレイザーは尚子を抱き上げ1階に運び出すと

警察と救急隊が入ってきた。

「警視、僕はボストンに戻ります」

「おいおい、ニューヨーク市警に君の手柄の話をしなくては」

「僕は民間人ですから、警視の手柄にしてください。

その方が風通しがいいでしょう」

「まったく君は・・・ありがとう亮」

フレイザーが握手をすると亮は一番心配な事を言った。


「警視、尚子さんの心のケアをお願いします」

「ああ、被害者専門の精神科医師が

カウンセリングをしてくれる大丈夫だろう」

「はい」

「團さん、ありがとうございました」

純子が礼を言うと亮が笑って言った。


「いいえ、それよりアメリカを嫌いにならないでください」

「はい」

純子は小さくうなずいた。

亮は純子と別れると何事も無かったように車をボストンに向かって走らせた

しばらくすると亮は投げつけたCDの事を思い出した。

「ああ、シカゴとベルリンと美空ひばりのCD・・・」

亮はハンドルを握ったまま頭を擡げた。


~~~~~~

「フレイザー警視、ジェフ・ネルソンはルイスに金を

貰って白尾尚子を誘拐したそうです」

パーカー刑事がフレイザーに報告をした。

「やっぱり亮の推理通りだった」

フレイザーが呟くとパーカー刑事がCDを拾ってきた。

「フレイザー警視、CDを投げて犯人を捕まえるなんて凄いですね」

「あはは」

フレイザーは笑うだけだった。


「通訳の日本人が帰ってしまって

稲田純子さんの聴取が出来なんですが」

「もういいじゃないか、無事に救出したんだから、

それより二人の遺体は?」

「ルイスは少女コレクターだったようです。

他にも死体があるか調べています」

「気の毒にな」

フレイザーは無事に白尾が救出された事で亮に感謝をした


~~~~~~~

朝の4時にボストンに戻った亮は授業を休むことなく

授業に出席をし、夕方にボストン警察に呼ばれた。

「亮、CDを持ってきたぞ。ただ壊れたラケットは

ニューヨーク警察で預かっている」

「ありがとうございます」

「白尾尚子さんは大丈夫だ、薬を打たれてあまり記憶に無いらしい。

 友達の稲田純子もルイスの家の中の様子も知らないままだ、よかったな」

「はい」

亮はその話を聞いて充分満足だった。


「それで、ニューヨーク市警のほうで何か礼をしたいらしい」

「えっ、話したんですか?僕の事を」

「しょうがない、CDを投げて人を倒すなんて忍者でもなければ出来ない芸当だ」

「そうですね、それなら来週ニューヨーク市警の署員にBig Grillで

僕の作ったメニューを食べてもらうように言って下さい」

「わかったそれは私のほうから頼んでおく。

亮、謙虚にするのも良いが感謝状は貰ってお

けあまり断るのも嫌味に感じられるぞ。ここはアメリカだ!」

「わかりました」


「遅くなったがボストン警察も感謝状を出すつもりだ、

ニューヨーク市警には負けたくないからな」

「ありがとうございます」

「亮、私は君と知り合えた事を誇りに思う」

フレイザーは亮と硬い握手をした。

「警視、お土産食べてください」

亮が袋を渡すとそれを見たフレイザーは目を丸くした。


「何だ、テニスボールを食わせるつもりか?」

「あはは、犬みたいに口にくわえたまま走らないでください」

「ありがとう、妻と一緒に食べてみる」

「よろしく」

亮がフレイザーの部屋を出ようとすると

フレイザーは思いついたように亮に声を掛けた


「亮!」

「はい」

「また事件が有ったら手伝ってくれ」

「お断りします」

亮は直ぐに答えた。

「なぜだ?」

「ラケットが壊れます」

「あはは、じゃあ感謝状と一緒に

10本ほどラケットをプレゼントしよう」

「わかりました、日本人からみの事件があったらお手伝いします」

亮は腰を深く折って丁寧に礼をしてフレイザーの部屋を出て行った


~~~~~~

フレイザー警視が自分の部屋にミッチェル刑事を呼んだ。

「ミッチェル刑事、これから日本人の事件や相談があったら

 團亮に依頼してくれ」

「でも彼は留学生ですがいいのですか?」

「もちろん、彼を信じてやってくれ」

「了解しました」

「君は知らないだろうが、彼が5月にハーバード大を救った男だ」

「あ、あの図書館の爆弾を一人で処理した男ですか!?」

「ああ、そうだ」

「ハッ」

ミッチェルは亮に敬意を表し背筋を伸ばした。


~~~~~~

亮はパティに電話をかけた

「今夜そっち行っていいですか?」

「いいけど、私じゃなくておばあちゃんに用があるんでしょう」

パティは祖母のアリスばかり大事にしている亮に

へそを曲げていた。

「別にそう言うわけじゃないけど」

「それで何の用?」

「食べて欲しいものがあるんだけど」

「ふう、いいわ来て」

パティは思わせぶりな態度を取る亮の言葉にため息をついて答えた。

「たまにはデートに誘ってよ、亮」

パティはつぶやいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ