誘拐
「わが国の未来にもかかわってくるようだな、何でも言ってくれ
協力する、亮は俺の家族だ」
「はい、遠慮なくお願いします」
二人は握手をすると亮は残りのライスボールを袋に入れて
デビッドに電話をかけライスボールを届ける事にした。
亮はデビッドの部屋に着くとローラも待っていた
「亮、何か面白いものが出来たのか?」
「ええ、食べてください」
亮はサフランライスのライスボールをデビッドとローラに渡した
「これまるでテニスボールね」
デビッドは笑いながらそれを頬張った。
「サフランを入れて蒸しました。これなら保存も効くので1000個
を作れます」
「そう、サフランは色々な効用があるのよね、でも高いわ」
ローラは手を上げた.
「そうなんですネックは価格なんです。
日本では1g10ドルくらいします。
もう少し安くなるといいんですが・・・」
「それはスペイン産を買うからよ、メキシコ産ならもっと安いわよ」
「なるほど、分かりました」
亮は文明にサフランともち米の相談をしようと思っていた。
「これはすごいなあ、素手で掴んでもべたつかない、しかも袋が・・・」
デビッドが感心していると亮が説明をした。
「そうです、長方形の紙をねじって作った三角錐のテトラ袋です」
「うん、食べやすい」
亮は文明に電話をかけてサフランともち米の話をした
「もち米の件は分かった、ただサフランの件はもう少し待ってくれ」
「お願いします」
亮が直ぐにインターネットでサフランの事を調べると
生産国のトップはイランで世界の60%を生産しているが
そのほとんどが、スペインが販売している事が分かった
「これって?」
ローラがモニターを覗いて亮に聞いた。
「つまりパエリアを食べるスペイン人がイランから大量にサフランを
買っていて世界流通を仕切るようになってしまったんでしょうね」
「じゃあ、じゃあイラン産のサフランを
スペインブランドにして高く売っているわけね」
「ええ」
亮はこれからBigGrillにはサフランが必要となってくる事を考え
安価での安定供給を
考えなければならないと思っていた
「今からニューヨークに行きます」
亮が言うとデビッドが亮を止めた。
「おい、今日じゃなくても」
「いいえ、みんなに相談する事があります」
「では、僕も行こう」
「いいえ、一人で行きます」
亮が一人で行きたい理由は往復の時間に車の中で
考える事が出来るからだった。
~~~~~~~
トムたちは改装中のBigGrillで亮の提案した料理の研究をしていた。
「亮が作った料理はすばらしい味付けだ」
トムが言うとウエンディも同意をした。
「ほとんど味の変更が無くても食べられるわ」
そこへ亮からトムに電話がかかってきた
「トム今からそっちへ行きます」
「何だって?」
「ライスボールが出来たので届けます」
「わ、分かった、待っている」
トムは電話を切ると驚いて二人に伝えた。
「亮が今こっちに向かっている」
「えっ?今から」
キャロルは亮のまじめさに驚いていた。
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亮は2時間でグリニッジに着くと
それを迎えた三人はあまりの到着の速さに口を開いて亮を見ていた
「亮、何で来たんだ?」
「自分の車です」
「あはは、飛行機で来たのかと思ったよ。
ハイウェイパトロールによく捕まらなかったな」
「あっ!ハイウェイパトロールが居たんだ」
亮はハイウェイパトロールがいることをすっかり忘れていた。
亮は早速ライスボールを三人に食べさせた。
「これは美味しい、これサフランライスでしょう」
ウエンディが聞いた
「ええ」
「これはヘルシーだ!しかもベタベタしないし」
トムが喜んで食べると三人は生産原価の事を考えた。
「後は値段だけね!」
キャロルがちょっと悲観的だった。
「はい、材料の価格は調べています」
レシピをトムに渡すと亮は文明に電話をかけた。
「文明、価格がわかりましたか?」
「ああ、今電話をしようと思っていた、もち米もサフランも中国産で間に合う
から安く供給できるぞ、もちろん安全な物だ」
「あはは、信じています」
「他にも食材を扱っているから何でも言ってくれ」
「ありがとうございます。契約の件は後ほど連絡します」
「おい亮、それが成功したらチャイニーズレストランやらないか?
お前がプロデュースしてくれればいい店ができそうだ」
「考えておきます」
亮は他の事など考える余裕もなく
電話を切ると笑顔でキャロルに伝えた。
「キャロル、食材が安く入るそうです」
「わかりました、早速レシピ通り作ってみます」
「お願いします。では」
亮が帰ろうとするとウエンディが聞いた。
「えっ?もう帰るの?」
「はい、帰りは制限速度で帰りますから」
「あはは」
三人が笑うとジョージがやってきた。
「デビッドから連絡があってきたんだが早かったな、亮」
「はい、今三人にライスボールを食べてもらいました」
「そうか、じゃあ私も」
ライスボールを受け取ったジョージは声に詰まった
「これテニスボールか、いいじゃないか」
ジョージはそれを頬張りながら、その美味さで微笑んでいた
「これはいい、商品名もテニスボールにしよう。わはは」
「はい」
亮は商品名が自分の好きなテニスボールでも良かった。
亮が車乗ってボストンに変える途中
マーク・フレイザー警視から電話があった。
「久しぶりだね。亮」
「お久しぶりです、どうしたんですか?」
「今何処にいる?」
「ニューヨークのグリニッジからボストンに向かっています」
「ちょうどいい、Uターンだ」
「はい?」
亮はブレーキを踏んで路側帯に車を止めた。
「どうしたんですか?」
「君の知恵を借りたい、直ぐにニューヨーク市警に来てくれ」
「ニューヨークですか?もう12時ですよ」
「警察に夜も昼もない」
「はあ」
亮は、自分は警察官でもなく、そこまで言われる謂れは無いはずなのだが
フレイザー警視は強引だった。そしてボストン警察の警視がどうして
ニューヨークにいるかわからないまま亮はニューヨーク市警に向かった。
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ニューヨーク市警に着いた亮はある部屋に連れて行かれ
そこにフレイザー警視が待っていた
「お久しぶりです」
「やあ、帰るところすまないね」
「ボストン市警の警視さんがどうしてここに?」
「実はボストンの大学に留学していた日本人女子大生が誘拐された」
「営利誘拐じゃないですよね」
「たぶん、今のところ何の金銭の要求が来ていない」
「それで僕にどうしろと?」
「彼女の救出を手伝って欲しい」
「どうして僕に?」
「誘拐された女性の友人が目撃者なんだが英語が話せないんだ」
「わかりました、誘拐された時刻は?」
「3時間半前の21時だ」
「それで誘拐された場所がここニューヨークと言う訳ですね」
「ああそうだ」
「でも、警視がこっちへ来るの早かったですね」
「ヘリコプターで来たんだよ」
フレイザーは手をクルクルと回した。
「それで、誘拐された女性の友達が隣の部屋にいる話を聞いてくれ」
「わかりました」




