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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
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ライスボール

「そうだな、その通りだ」

「でも、残念ね。亮の名前を出せば

資金を集められるかも知れないのに」

マリーが言うと亮は首を横に振った。

「僕は偶然になったヒーローの名前でお金を集めるずるい考えではなく

 本当に世のためになるビジネスである事実でお金を集めたいと思います」

「そうだな、私ももう一度がんばってみる。どうせリニューアルするなら

 店名も変えて徹底的にやってみよう」

ジョージはマリーの手を握り

デビッドとローラと亮の顔を見て微笑んだ。


~~~~~~~

翌朝、亮が外で体操をしているとジョージが亮に聞いた

「おはよう亮、今から我々は教会に一緒に行きますか?」

「洗礼を受けていませんが行っていいですか?」

「もちろん、神様はいつでもあなたを招待しています」

亮が連れて行かれたのは近くにあるプロテスタント教会だった

最初に賛美歌を唄い席に座ると牧師は聖書を読んで

説教を始め亮は牧師の説教に感動していた。


「すばらしい」

亮がつぶやくとマリーは亮の顔を見て微笑んだ

「ハリス牧師さんはSt Poul教会の牧師さんで

 今日は特別にこの教会に来てくれたのよ」

「はい」

亮がすばらしいと言ったのは牧師の説教だけではなく

日本語訳の聖書より意味が分かったからだで

亮はこの日から旧約聖書に書いてある不思議な出来事に興味を

持ち読み始めた。


ハリス牧師は出口で東洋人の亮に気がつき声を掛けた。

「ようこそ、どちらから?」

「日本です」

「すばらしい、神のお導きですね」

亮と握手をしたハリス牧師が笑顔で言った

「またお会いしましょう」

「はい」

亮は笑顔で答えた。

~~~~~~


12時にジョージの家に着くと

寿司マシンが届いていてまもなく

BigGrillの三人社員がやってきた

「さあ、ここで色々作って今週幹部を集めて試食会をしよう」

ジョージが亮たちと三人の社員に言った

「アキラ・ダンです」

「ウエンディ・ブランシェットです」

「トム・マクドナルトです」

「キャロル・サンダースです」

三人とも社長のジョージに呼ばれ真剣な顔つきで亮に挨拶をした


一通り挨拶を終えると亮は米の炊き方、

ネタの作り方、ライスボールの作り方

マシンの使用方法を三人に教え色々なメニューを提案していった

ジョージとデビッドは店名変更とその予算で話し合い

マリーとローラもその話を聞いていた

夜になり亮たちはジョージとマリーに別れを告げ

車でボストンに向かった。


「亮、ありがとう。お金を借りに来たのに

レストランのリニューアルに

巻き込んでしまった」

デビッドはすまなそうな顔をしていた。

「とんでもありません、楽しかったですよ」

「そう言ってもらえると助かるわ」

ローラはホッとして言った


「亮、これからどうするんだ?」

デビッドが亮に聞くと亮はこれからのスケジュールを考えた。

「今週はウエンディ、キャロル、トムと連絡を取り合って

 来週はデビッドの両親の家に泊まりこみます」

「そうか・・・亮、学校を休ませて悪いなあ」

「大学は勉強をするだけじゃないし勉強はいくらでも調整がききます」

亮は面白い事が起きそうでワクワクしていた


~~~~~~

亮がアパートに戻ると文明から電話がかかってきた。

「亮、例の会社の立ち上げどうなった?」

「今、準備中です」

「ずいぶん時間がかかるな、何か理由でも有るのか?」

文明は不機嫌だった。

亮はデビッドの事を考えて投資の話をまだせず、デビッドのレストランの

事を文明に説明した

「これに成功すれば僕とデビッドの絆が出来ます」

「あはは、家族を増やすわけかお前らしい。

じゃあ2週間待てばいいんだな」

「はい」

「国の金を動かすんだ途中では止められないぞ」

「分かっています」

~~~~~~

「おお」

文明は父親の劉文光の前で大声を上げた。

「どうした?文明。亮にあんなにきつく言って」

「お父さん、亮はすごい本物だよ」

「何がだ?」

「あいつはあの若さで自分が何をすべきか知っている。

いつも父さんが言っていた」

「金を作る前にまず信頼関係を作れか?」

「そうだよ」

文明はそう言って何か亮の力になりたかった。

「文明、何か協力できる事は無いのか?」

「僕も何か考えていたんだが、思いつかないんだ」

「亮の事だ、何かあったら向こうから連絡が有るだろう」

文光が笑っていた。


~~~~~~

翌朝、亮はライスボールを作る方法と

ライスボールを包む物が気になって

トムに電話をかけた

「おはようございます」

「ダンさんどうしたんですか?」

「週末のアメリカンフットボールの時に配るライスボールの数

 決まりましたか?」


「はい、1000個を予定しています」

「やはり・・・」

「どうしました?」

「大量にご飯を炊くのに釜が無いんですよ」

「炊く?」

トム・マクドナルドはご飯を炊く意味が分からなかった。

「やっぱりそうですよね」

亮が電話を切ると中国から帰った翔記がドアをノックした。


「おはよう、亮」

「翔記お帰りなさい」

「これお土産だ」

翔記が中華チマキを持ってきた。

「ありがとう、これ美味しかったんだ」

「うん、俺も好きだ」

亮は一口食べると笑い出した。

「これだ!」

「な、なんだ」

「翔記、もち米が欲しい」

「もち米?」

「はい」

「それなら文明に連絡するといい、

中華食材をアメリカに輸出している」


「なるほど・・・」

亮はニヤリと笑った。

「翔記、夕飯は僕の料理を食べてくれ」

そう言って亮は部屋を飛び出した。

夜になって翔記が亮の部屋に来ると

黄色いライスボールがテーブルの上に並んでいた


「おい、テニスボールみたいだな」

翔記がそのボールをしみじみ見た

「あはは、確かにテニスボールだ。まあ食べてくれ中華スープも作った」

翔記が手に取って口に入れると驚いて声を上げた。

「おお、中にミートボールが入っている。美味い!それにこの香り」

「サフランです」

「うん、いい香りだ」

「これ?」


「米を炊いたライスボールは手がべたべたするので

 米ともち米を混ぜて蒸しました」

「なるほど、べたつかない」

「サフランは風邪、生理痛、冷え性、ストレスにも効くんです」

「なるほど、それでこれどうするんだ?」

「あっ、まだ言っていなかった」

亮は不思議そうな顔をしている翔記に顔を

赤くしてデビッドとのいきさつを話した

「なるほど、ヘルシーレストランがバイオ燃料に変わるのか」

翔記は亮のまったく関係の無い行動が次々に繋がっている事が

まるで囲碁のよう思えた。


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