ナターシャ
亮の脇にいたロシア人のナターシャが拍手をした。
「ねえ、何処のホテルに泊まっているの?」
「長福ホテルですけど」
「今夜遊びに行って良い?」
「すみません、お金がないのでだめなんです」
「そう・・・」
ナターシャは元気なく返事をすると亮は慰めるように答えた。
「さあ、今度はロシアの歌を教えてください」
亮はナターシャとロシアの歌を唄った。
三人がクラブを出ると文明が亮に言った
「亮、彼女を連れ出さなくて良いのか?お金は俺が出したのに」
「いいえ、一緒に歌を唄って楽しかったから」
亮はナターシャに未練はなかった。
「そうか、あの巨乳を生で見たら鼻血ものだぞ」
翔記が亮をからかうと亮は逆に聞いた。
「二人とも彼女たちを連れ出さないんですか」
「あはは、俺は翔記の家に泊まるから無理だ」
文明が残念そうに答えた。
「残念だったな、ナターシャはお前には気が有ったんだぞ」
翔記はナターシャの亮に対する異常な態度に気がついていた
「そうですか、でも彼女たちにどれくらいお金を払うんですか?」
「2000元だ」
「30000円ですか・・・中国貨幣価値では高いですね」
亮はナターシャが亮を誘ったのは高額なお金を
取るためだったのがわかった。
「亮、夜中にドアがノックされても開けるんじゃないぞ、危ないからな
それとロビーで女に声を掛けられても部屋に入れるんじゃないぞ」
「分かっていますよ」
亮は二人と別れ長福ホテルに戻ってロビーを歩くとナターシャが声を掛けてきた
「團さん」
「ナターシャどうしたんですか?」
「あなたに会いたくて来ちゃった」
「ナターシャだめです、2000元は払えません」
「ううん、お金要らないから・・・お話がしたいの」
亮は必死に訴える顔を見て信じることにした。
「では、そこのバーで飲みながら」
「ううん、あなたの部屋でお話がしたい」
亮はナターシャを疑っていた。
「私を疑っているの?」
「ええまあ」
「うふふ、正直ね」
ナターシャはバックの中身を見せた
「ナイフやピストルや危ないもの何も無いでしょう」
「はい」
「じゃあ、部屋に入れて」
「しょうがないですね」
亮はナターシャを部屋に入れた
部屋に入った亮はミニバーを見た。
「ナターシャ何か飲みますか?」
「いいわ。ザクスカとウォッカを持ってきたから」
ナターシャは袋からスミルノフウォッカを見せた。
「ストレートで飲むんですか?」
「そうよ、ロシア人はカクテルで飲むなんて軟弱な飲み方はしないわよ」
ナターシャは野菜を煮た料理ザクスカを瓶から器に盛りウォッカをグラスに注いだ
亮がウォッカを飲むと悲鳴を上げた
「うっ、強い」
「うふふ」
ナターシャは優しい目で亮を見つめた。
「でも、中国の白酒より癖は無いですけどね」
「うふふ、ウォッカは一度瓶を開けたら空にしなくちゃいけないのよ」
「それは大変です」
亮はナターシャが自分を酔わせて何かを取ろうかとするのではないかと疑っていた
「あなたみんなに亮と呼ばれていたわね」
「ええ、本名はダン・アキラと言うんですけど、亮という字はリョウとも
読めるので」
亮は漢字でナターシャに説明した。
「亮、実は私はあなたに一目ぼれなの、私だけじゃなくて
残りの二人もあなたを気にしていたわ」
「それはありがとうございます」
亮がそう言うとナターシャは亮に抱きついてキスをして
亮が苦しくなって押し返しても離れなかった
「ナターシャ苦しい」
「亮、抱いてください」
「ちょっと待って」
亮は体が大きくグラマーのロシア人と関係を持つための心の準備をした
「亮は私の事嫌いですか?」
「嫌いも好きもまだ会ったばかりじゃないですか」
「ごめんなさい、こんな仕事をしていると男はみんな自分の事を抱きたいと
思っていたから」
「そうですね。僕こそ君を傷つけてしまったかな?」
「ううん」
ナターシャは恐る恐る亮の手を触った。
「ナターシャはロシアの何処から来たの?」
「カザフスタンの国境の近くのビースクと言う場所で
郊外の貧しい農家をしている」
「家族は?」
「母と祖父母と弟と妹」
「大家族ですね、ナターシャはどうして北京に来たんですか?」
「中国は経済大国だから稼げると思って」
「そうか・・・」
亮はナターシャの考えていることは正しいと思ったが体を売る仕事を応援は出来なかった
「私はここで働いて仕送りをしているの」
「大変ですね」
「お金を貯めていつか故郷に帰って結婚して幸せになるの」
ナターシャは父が死んで自分が子供時代貧しくて大雪の日歩いて学校へ行って
遭難しそうになった話や薪がなくなった家で家族が抱き合って暖を取った
話をして涙を流した。
亮はナターシャの涙を見て涙を一緒に流した。
「ナターシャきっといい事があるよ」
「ありがとう」
ナターシャは亮の胸に顔をうずめ笑みを浮かべた
「私を抱いて、お金なんか要らないから」
亮はその言葉で体中が熱くなってナターシャの体に
むしゃぼりつきたくなった。
「ナターシャ。君を抱いたら君を好きになってしまう」
「好きになって、私愛されたい」
「ごめん、君ともう2度と会えないかもしれない。それじゃあまりにも悲しい」
「そうね、私のような女好きにならない方がいいわ」
ナターシャは頭を垂れて涙を流した
「そう言うんじゃないんだ、まだ自分が人を愛する力が無いような気がするんだ」
「臆病な人ね、きっと恋愛で傷ついたことがあったのね」
「わかりますか?」
「ええ、あなたがとても可愛らしく見える」
「すみません」
亮が謝るとナターシャは服を脱ぎ始めた
それを見ていた亮の下半身は今にも爆発しそうに巨大になっていた。
「普通だ」
日本女性と比べてロシア人の体は
胸やお尻が日本人女性の倍あるだけであの感覚は変わらなかった。
シャワーを浴びてリラックスした二人はウォッカの残りを飲みながら
互いに故郷の話をし合って、まだ行った事の無い国を思い浮かべた
「亮これ上げる」
ナターシャは500ルーブルを亮に渡した
「これが私の国の通貨、時々これを見て故郷を思い出すの」
「そ、そうか」
亮は財布を開くと1000円札と5000円札と10000円札が
入っていた、亮は迷うことなく10000円札を渡した。
「ううん、2番目のがいい」
「どうして?」
「もし、今度会えた時1番大きなお札を交換しよう、また会える願いをこめて・・・」
「はい」
二人は握手をするとハグとキスをした。
「私、しばらくしたら稼げそうな香港かマカオへ行くつもりなの」
「そうですか」
亮はそれ以上の何も言えなかった。
ウォッカを飲みきると亮の頭はフラフラでベッドに倒れこんだ
「しょうがないなあ」
ナターシャは寝ている亮の脇に添い寝して
豊満な胸に亮の顔を抱きしめキスをしながら
優しく囁いていた
「初めて関係した日本人亮、良かったわ」
翌朝亮が目を覚ますとウォッカの空瓶もザルスカの瓶も残っておらず
ナターシャの泊まった痕跡は消えていた。
ナターシャの甘い残り香と枕ついた1本の金色の長い髪
そして机の上に置かれた500ルーブルが夢では無かった事をあらわしていた
「ナターシャ、さようなら」




