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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
四章 中国
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文明

「ありがとう麗華」

「ここで働いている人たちは月給5ドルなのよ」

「えっ?」


「下働きの子は修行だからほとんど無給、

でも資格を取れば将来はかなりの収入になるの、

中国は技術が有れば収入があるわ」

「なるほど、でも気持ちいい。癖になります」

「うふふ、ここは日本人も多く来るのよ」

「分ります」

「日本でもやれば良いのに」


「日本はマッサージ師になるのに

3年学校へ行かなくちゃ行けないんです」

「そんなに?」

「ええ、だから日本では足の裏マッサージを違法でやっている所が多いんです」

「でも、亮はどうして理学療法士になったの?」

「先祖が書いた漢方薬の古文書を調べるためです」


「なんかロマンがあっていいわね」

「ええ、きっと先祖は中国の『本草綱目』を読んでいたから繋がりが有ると思います」

「そうか、じゃあ中国は亮の先生って言う事ね」

「そうなります、あはは」

翌日、翔記はあいさつ回りで亮は麗華と運転手つきの車に乗って

万里の長城と明の十三陵を歩いた。


「凄いですね、麗華さん」

亮は古代の巨大な建造物を見て声を上げた

「そんなに喜んでもらえると嬉しいわ」

麗華は1日一緒にいて亮に対して好意を寄せて言った。


「今からは陳先生を紹介します」

「本当ですか!?うれしいです」

亮は本草綱目を現代訳にした陳先生を尊敬していて

会うのが本当に楽しみだった

「そんなに喜ばれるととても嬉しいです。

それから今夜は翔記と文明と4人で羊肉のしゃぶしゃぶを食べましょう」


「はい」

亮は初めて聞いた羊肉のしゃぶしゃぶと

聞いてどんな食べ物か想像していると

二人の乗った車は陳先生の病院に着いた。


そこは亮が想像していた場所とまったく違った

マンションがたくさん立ち並ぶ一角の小さな漢方医の病院で

麗華がドアを開けて声をかけると小柄な男性がニコニコしながら亮を出迎えた

陳はグリーンの表紙の分厚い1冊の本草綱目を持ってきて亮に説明をし始めた

日本にもある李時珍の書いた52巻を1冊にまとめとても読みやすくなっていた


「陳先生、この処方以外の物は?」

「私が新たに作ったものが1000ある」

「それはすばらしい、実は」

亮はこの日のために團正志斎の本のコピーを見せた

「おお、これはすばらしい精力剤ばかり書いてある」

陳は目を輝かせて見ていると最後のページを見て手を止めた

「これは・・・」

「媚薬の処方です」

亮が答えると陳は目を大きく見開いた。


「うん、君これは完成したのかね」

「いいえ、何度か試したんですけど効果はありませんでした」

「なるほど面白い」

陳はしばらく考え込んだ。

「麗華さんちょっと話が長くなりそうだ」

陳が言うと麗華は様子を察していった

「そう、じゃあ私は一度帰るわ」

麗華が帰ると陳は急に態度を変えた。


「亮、これはすごいぞ」

「でも効果がありませんでした」

「成分は合っていたんだが分量が間違っていたんじゃないか

 それと日本で手に入らない物がここにあるんだ」

陳は本草綱目を見せた


「鉱物ですか?」

「ああ、これは輝龍石強力な媚薬の成分だ、それと蝶の羽」

「なるほど日本では見つかりませんでした、どうしたら手に入りますか?」

「劉麗華に聞いて見なさい、とりあえず作ってみましょう」

亮と陳は2時間ほどかけて作った

「亮、これを試して見なさい」


亮は二人で作った漢方を煎じた物を飲んだ

「うっ」

「苦いか?」

「ええ、かなり」

「効果が有るようだったら飲みやすく錠剤に加工すればいい」

「はい、ありがとうございます」

亮が礼を言うと陳はコピーを返した。

「先生に差し上げます」

「いや、この製法は世界で君だけが持つべきだ、これを大量生産したら

 世の中がおかしくなってしまう。

そしてこの媚薬の目的をよく考えて使いなさい」

「分かりました、肝に銘じて」

「亮、君に私が考えた1000の処方を記念に上げよう」

「えっ?」

「漢方は奥が深い、少しでも君の研究に役立ててくれ」

「ありがとうございます」

亮と陳は固く握手をして陳は亮を強く抱きしめた。


~~~~~~~

亮はタクシーで麗華と待ち合わせのホテルに戻ると

ロビーを歩く女性が亮の顔見つめていた

「ん?」

亮は明らかに自分の変化に気がつきながら

ホテルの喫茶室に行くと麗華と文明がコーヒーを飲んでいた。

「お待たせしました」

「どうでした」

麗華は陳との事が気になっていた


「ええ、大変勉強になりました。それで輝龍石が欲しいんですが」

「そうね、日本では取れないわね」

「どうしたら良いですか?」

「父に聞いてみるわ」

麗華が浮かない顔で答えると文明が嬉しそうに答えた。

「うちのやつを譲るよ」

「おいくら位ですか?」

亮恐る恐る聞くと麗華が答えた。


「金より高いわ」

「えっ、本当ですか?」

亮はショックでめまいがした。

「あはは、たいした量じゃないだろう、ただで良い」

麗華は文明の言葉に目を大きく見開いた

「うふふ」

「どうした麗華?」

文明は麗華の笑い声が気になって聞いた。

「ううん、なんでも無いわ」

「変なやつ・・・亮今度香港に来ないか」

文明は亮を香港に誘ったが亮は気の無い返事をした。


「ええ」

「なんだ、香港は嫌いか?」

「なんか、怖いじゃないですか、香港って暗殺集団がいそうで」

「あはは、居ないとは言えないが昔と違って

香港は世界で2番目に安全な都市なんだぞ

 よほど東京のほうが危険だ」

「そうですよね」

亮は東京の治安の悪さ知っていて文明の言った事に納得をした。

「実はある事件があって警察になりたい時がありました」

「ある事件って何?」

麗華が興味深そうに聞いた


「レイプ犯を捕まえたのに相手に暴力を振るった事になって、

逆に僕が犯人扱いされました」

「そんな馬鹿な!」

文明が不思議そうな顔をして声を上げた。

「その犯人が国会議員の息子だったんです」

「あはは、そんな事はどこの国でもある、亮。そうならないために

 力を持つんだ」

文明は亮に教え込むように言った


「はい、力と言っても・・・」

亮は逆に落ち込むと麗華は亮を慰めた。

「文明、亮が萎縮してしまったわ。中国と日本は違うのよ」

「あはは、亮香港へ行こう。面白いところがたくさんあるぞ、

 美人もたくさん居る」

文明は亮と肩を組んだ。

「遅くなりました」

翔記がティールームに入ってきた

「おお、翔記か。食事へ行こう。その後飲みに行こう」

文明が立ち上がると翔記答えた。

「はい、それが・・・」

「どうした?」


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