料理
「ええ」
亮は挨拶もそこそこに台所で料理を始めた。
「あら、ずいぶんたくさん作ってきたのね」
パティが食材を見て驚いていた。
「ええ、下ごしらえをしてありますから」
「そうだ、ローラも呼んだからもうすぐ来るわ」
「そ、そうですか」
亮はローラの名前を聞いてドキドキした。
亮が作ったのは「おからハンバーグ」「豆乳シチュー」
「湯葉刺身」「湯葉サラダ」「湯葉」「湯葉揚げ」だった
亮が台所から出てくるとローラがリビングで
家族と話をして嬉しそうに手を振った
「亮、お疲れ様」
亮の料理にグランド一家とローラは驚いていた。
「亮、これの料理凄くヘルシーだわ」
パティが感動していた
「そうですか。ありがとうございます」
「亮このハンバーグ、ソイが入っているのか?」
アーロンがおいしそうに食べながら言った。
「はい、とてもカロリーが低いんです」
「でも、このシチューが最高だわ」
ローラがセクシーな顔をして亮を見つめた
「和食ってローフィッシュと天ぷらだけだと思っていたけど
太りすぎの私にはピッタリだね」
アリスが亮の顔を見ると亮はアリスの様子に気が付いた。
「アリス、膝と足首が痛くないですか?」
「分りますか、とても痛いのよ」
「食事が終わったら見せてください」
「亮はお医者さん?」
アリスが顔を傾げると亮は優しく微笑んだ。
「いいえ、理学療法士です」
「おお、マッサージ」
「亮、理学療法士って何?」
パティが聞いた。
「体の問題の部分を治療するんです」
「おお」
アリスが凄い顔をした。
「大丈夫です、マッサージだけです」
亮は手に漢方を溶かしたオイルでアリスの
足首から膝までマッサージをすると
目を閉じで体をゆったりとさせた。
「凄く気持ちいいわ、亮」
アリスは痛みが取れてゆっくり立ち上がった
「ありがとう亮」
「いいえ、体重を落とせばもっと楽になりますよ」
亮はその後背中を中心にマッサージとストレッチ繰り返した
その様子を見ていた家族は亮の優しさに親近感を覚えていた。
「亮の専攻は何かね」
アーロンが亮に聞いた。
「経済学です」
「そうか、医学に詳しそうだが」
「日本では薬学を勉強していました」
「ずいぶん道がずれたな」
「ええ、まあ。アーロンの仕事は?」
「私の仕事は設計士です。日本の木造建築のすばらしさに
畏敬の念を抱いています」
口数の少ないアーロンが自ら日本の話をした。
「ありがとうございます」
「日本の木造建築は世界に誇る耐震構造です。
あの技術に学ぶ所はたくさんあります」
アーロンは自分の部屋から日本建築物の写真集を持って来て
亮を質問責めにした。
「パティも日本建築に興味があるって言っていましたね」
亮が言うとアーロンは自慢げに話した。
「あはは、私が日本の城が好きで子供の頃から
お城の写真を見せていたからでしょう」
「親子って良いですね、アーロン」
「ああ、最高だ!」
アーロンは微笑んだ。
「亮、私日本のアニメと漫画が好き」
デニスは無邪気な顔をして亮の腕を掴んだ
「ありがとう」
「私、必ず日本に行くから」
「デニスは何年生?」
赤毛で活発そうなデニスは幼く見えた。
「イエール大学の1年生」
「凄いね」
※イェール大学はクリントン、ブッシュなどアメリカ大統領を
何人も輩出超名門大学である。
「妹は私と違って妹は優秀なの」
パティは妹を自慢していた。
「どうして今日は?」
「パティが亮を紹介するから帰ってこいって」
「わざわざ、ありがとう。今度日本のアニメの
DVDをプレゼントするよ何が良い?」
「ソードアートオンラインと進撃の巨人」
「黒の剣士とアキトとエレンか?」
「そうそう」
デニスは亮が自分の趣味をわかってくれて喜んでいた。
「デニスはソードが好きなんだね」
「そうよ、パパが昔から刀が好きだったから」
デニスは亮にすっかりなついてしまった。
「亮はデニスが好きなのね」
パティはやきもちを妬いていた。
「いいえ、僕の家庭教師の教え子幸子ちゃんがデニスと同じ年で
東大の法学部に入ってんです」
「そう、じゃあ将来弁護士同士で仲良くなれるかもね」
パティは亮の説明を聞いてホッとしていた。
ローラと亮はパティの家を出るとローラは
嬉しそうに亮と腕を組み喜びを表した。
「美味しかったわ、亮の料理」
「そうですか?」
「今度は私の家でも作って」
「そうですね、デビッドと三人で食べましょう」
「ううん、二人きりで良いわ。その後マッサージをしてちょうだい」
ローラは亮に胸を押し付けた。
「な、何を」
亮はローラの胸の柔らかさでめまいがするほど興奮していた
「いったいなんなんだ?このローラの態度」
亮は彼氏がいる日本人なら絶対取らない態度に困惑していた
「亮、あなた弟みたいで可愛い」
「そう言われても・・・」
亮はローラを美佐江や千沙子の姉のような感覚にはなれず
グラマーでセクシーな魅力的な女性にしか見えなかった
翌朝、亮の元にデビッドから呼び出しの電話があった
「君の考えた製造方法で作ったバイオアルコールの
エネルギー利益率がトウモロコシの10倍になる、ぜひ話を聞かせてくれ」
「はい」
「このハゼノキの実を0.5%を混ぜるだけで燃焼効率が
上がるとは驚いた、ハゼノキの実と言うのは何なんだ?」
「和ロウソクの原料です」
「やはりそうか、人類はだんだん昔に戻っているな」
「そのようです」
「ところでこの緑藻は?」
「光合成効率の良いボツリオコッカスが最良と言われていますが、
バイオ技術でもっと増殖率の高い、緑藻と植物を探します」
「分った。亮君どんな事があっても僕はやり遂げるぞ」
「はい、地球のためにがんばってください」
「うん。それで、僕の母校のマサチューセッツ工科大学理学部(MIT)
の教授を紹介するからアイディアを出し合ってくれないか、
それとMITには健康科学部があるからそっちの授業を
受けたらどうだ?製薬に関係しているだろう」
「はい、ありがとうございます。ぜひ」
経済や経営の勉強より科学が好きな亮はデビッド言葉に興奮を隠し切れなかった
デビッドと親しくなった亮にとってローラは遠い存在になってしまったが
何でも話せる友人として大きな存在となった。
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9月に入学して3ヶ月経ち11月になるとボストンは気温が
0度以下になる日が続き、雪が降っていた。
「亮、北京も寒いぞ、雪はあまり降らんけどな」
窓から外を見ながら翔記は亮に言った
「寒いのが苦手なんです、ハワイ大学に行けばよかった」
「あはは、優秀な人材は寒いところから誕生するんだ」
「確かに、暑すぎるとボケるかもしれないな」
「来週、北京だ!亮に会わせたい人がいるんだ」
「そ、そんなに人を紹介しないで下さい。ドキドキします」
「あはは、大丈夫だ。僕の叔父さんと従兄弟だ」
「ああ良かった。僕は陳先生に会うのが楽しみなんです」
「相変わらずだな、北京はあまり遊ぶ所が無いから
好きなだけ中華料理を食べさせてやるよ」
「はい、ゴチになります」




