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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
三章 アメリカ編
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家族

「ねえ、日本の話をして私中国はあまり好きじゃない」

パトリシアは、翔記はあまり好きでは無いという事を遠まわしに言った。

「パトリシアは日本の何に興味があるんですか?」

「うふふ、パティって呼んで」

「はい、僕はリョウと呼んでください」

「OK亮、私が日本に興味があるのは食べ物と建築物よ」

「日本料理と言うと豆腐料理がいいですよ」

「そうよ、日本人は寿司とか天ぷらを進めるけど豆腐がヘルシーだわ」

「それから豆乳(soymilk)を暖めて湯葉料理や豆乳鍋料理があります」


「本当食べてみたい、豆乳鍋」

「ええ、中に色々な野菜や薬草を入れてとても健康になります。

今度作ってあげます」

「うれしいありがとう。じゃあ来週の金曜日私の家でいい?」

「えっ」

亮はアメリカでは「今度」と言う社交辞令がきかない事が分った。


「家族は何人ですか?」

「おばあちゃんと両親と妹の5人家族よ」

「いきなり行って良いんですか?僕」

「大丈夫よ、日本人でもあなたの英語ネイティブだから違和感がないわ」

亮の言いたい事はいきなり男性を家に入れることが

心配だから聞いたのだったが違う返事が返ってきた。


「亮、踊りませんか」

パティがダンスに誘った。

「いや、踊どれないから」

「うふふ、日本人はみんな出来ないと断るのね」

「そうです」


「どうしてなの?」

「下手だと恥ずかしいからです」

「最初はみんな下手よ、恥ずかしいなんて変だわ」

「日本は人並みに出来ないと恥なんです。

勉強もスポーツも趣味もそして英語も」

「じゃあ人並み以下だったら?」

「やりません」

パティはあきれた顔をした。


「じゃあ、亮も他の日本人と同じ?」

亮はデビッドとべったりと寄り添って踊っている

ローラを見て羨ましく思いチラ見した。

「いいえ、恥をかかない努力をします」

「うふふ」

パティは亮に手を差し出した。


「パティ、すみません。ここで踊っている1番うまいカップルは?」

「あそこの二人」

パティが指さすと亮は1分ほど二人のステップを見ていた

「OK、パティ大丈夫です。踊りましょう」

亮はパティの手を握ると流れるように踊りだした。


「上手いじゃない、亮」

「おかげさまで」

そして亮は踊っているうちに益々上手くなっていった。

「上手いじゃない、出来ないって言っていたのに」

パティは驚いて言った。

パティは踊りを終えると女友達に呼ばれていった。

亮は翔記と一緒に帰ろうと誘った。


「翔記帰りましょう」

「いや、僕はちょっとここにいる」

翔記の隣には中国人風の女性が立っていた。

「ああ、分りました」

亮は翔記の女性の口説き方の上手さに亮は感心した。

亮が一人で帰ろうとするとローラが声をかけて来た


「亮、もう帰るの?」

「ええ、勉強がありますから」

「そうか、今度デビッドが話をしたいと言っていたわ」

「分りました、レポートを書いておくと伝えてください」

「うん、ありがとう」

デビッドに久々に会ったローラの顔は頬を赤くして幸せに満ちていた。

一人ぼっちで自分のアパートに戻る亮の頭には

ローラの厚くてセクシーな唇と大きな胸元、

何度もよぎり今夜デビッドに抱かれるであろうローラを思い浮かべ、

亮は生まれて初めて男に嫉妬の心を燃やしていた。


亮は部屋に戻り五朗に電話をかけた。

「亮です。お久しぶりです」

「おお、亮さんお久しぶりです。どうしました?」

「バイオ燃料になる植物の研究をしたいのですが」

「亮さんそれはいいテーマです。実は私も研究をしていました。


トウモロコシやサトウキビで作るバイオアルコールは

火力が弱く製造効率も悪くてこのままだと世界中で食糧難、

砂糖不足を起こしてしまう。だからもっと環境の悪い砂漠や火山灰で出来る

植物を探しています。少し時間をいただけますか?」

「分りました、僕は緑藻がいいと思います」

亮が五郎に言うと五郎は亮に会えるのが楽しみになった。


「はい、日本に戻られた時ゆっくりと」

「ええ」

「亮さん、お体大切に」

「五郎さんも」


亮は電話を切るとすぐに秀樹に電話をかけて

五郎の研究予算の上げてくれるように頼み

大学の図書館にある植物関係の本を毎日読みながら

五郎にメールを送る日々を続けた。


「亮、毎日何を調べているんだ」

ある日翔記が亮の肩を叩いた。

「バイオ燃料を調べています、将来中国も燃料不足で悩みますよ」

「亮、お前は何て奴なんだ!」

翔記の目が真剣になった。

「えっ?」

「実は僕もそれを考えていた。世界の工場となっている

我が国は一年中電力不足なんだ。

そして発電所の50%が未だに石炭に頼っている」

「CO2排出が多いはずですね」


「実に恥ずかしい話だ。ただ我が国は技術が無いんだよ。

だから父がアメリカに来たんだ」

「分ります」

「頼むよ、新しい技術があったら教えてくれ」

「もちろんです」

「ところで亮、MITの授業うちの大学の単位になるの知っていたか?」

「いいえ」

亮は知っていたが知らないふりをして笑った。


数日後、亮はローラの所へレポートを渡した。

「これをデビッドに渡してください」

「ありがとう、でもこれは直接渡した方がいいわ」

「そ、そうですか」

「私から連絡をしておくから会社の方へ行ってくれる?」

「えっ?」

亮は不機嫌に返事をするとローラが微笑んだ。


「亮、私はデビッドと仲良くして欲しいの、ねっお願い」

「はい」

亮は仕方無しにデビッドの会社に行くとそれは巨大な研究施設だった。

入り口でデビッドに連絡すると白衣の姿で出来てきた。

「やあ、亮レポートを持って来てくれたんだって?」

「はい」

亮はデビッドにレポートを渡した。


「おいおい、製造方法、ガソリンと混合比率と燃焼効率比較それの

販売利益のシミュレーションが書いてあるじゃないか」

「はい」

「これをもらっていいのか?」

「はい」

「でもこれの製造法はうちの社が研究している方法とまったく違うぞ」

「かまいません、地球温暖化の防止になるなら」

「分った、じゃあこれは君が書いた証明に僕が受取証を書こう」

デビッドは受け取り証を書きそれにサインをして亮に渡した。


亮はそのデビッド行為がとてもまじめで好感を持てたが

そのまじめな性格がとても悔しかった。

もう少しデビッドの性格が悪ければ亮はどんな事があっても

ローラを奪い取ったかも知れなかった。

「とにかく新しいバイオエネルギーの研究、上司に提案してみる」

「お願いします、アメリカの自動車会社はエコカーの研究が遅れています。

早くしないと、世界一の座から陥落してしまいますよ」


「分っている、実はこの研究施設はある自動車

メーカーからのお金が出ているんだ」

「なるほど・・・それじゃ進路変更できませんね」

「ああ、かなり難しいが努力してみるよ」

デビッドは亮に手を差し伸べ強く握手をした。

「これからもローラの相手を

してあげてくれ、いつも寂しい思いをさせているから」

「は、はい」


~~~~~~~~

金曜日の夜、亮はパティの家に食材を持って行った。

「いらっしゃい、亮」

パティが玄関を開けて亮を向い入れて亮は家族に挨拶をした。

「初めまして亮・ダンです、よろしく」

「ようこそパティの父親のアーロン・グランドです」

アーロンは細身で髭を生やしメガネをして神経質そうな男だった。

パティの祖母のアリス、母親のリンダ、妹のデニスを紹介された。

「パティ、さっそくだけど台所を貸してくれる?」


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