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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
三章 アメリカ編
32/132

興味

「今日は彼のお父さんの歓迎レセプションなんだ」

「お父さんって?」

「劉泰平、中国経済連合副主席だ」

「ああ、聞いたこと有ります」

亮は翔記が凄い人の息子だと知ってゾクゾクした

そこに劉泰平が登場してレセプションが始まった。


亮にとってアメリカと中国の経済交流は自分には関係なく

逆に日本が取り残されるような気がしていて

無関心を装って食べ物を黙々と食べていた。

そこに翔記にと一緒に泰平が亮に向って歩いてきた。


「君がダン・アキラだね」

「は、はい」

泰平は亮を思い切り抱きしめた。

「君は私の息子と娘の恩人だ。私は一生をかけてこの恩を返す」

「気にしないでください、僕は何も」

「いや、警察に事情を聞いている。謙虚な日本人もいいが

君は英雄なんだ。もっと胸を張って生きたまえ」


「はい」

「そして、息子といい友達になってくれ。

息子は将来の中国を背負っていく男だ!」

「は、はい」

亮はまだ若い翔記に目的がありそれに向って

勉強していく態度に尊敬の念を抱いていた

「翔記、一緒にみんなに挨拶をするぞ」

泰平が命令をすると翔記は背筋を伸ばして返事をした。


「はい」

「そうだ!ダン君。君も来たまえ」

「はっ?」

亮が驚いていると翔記が手を引いた

泰平は翔記と亮を連れて出席者に挨拶をして行った。

「私の息子の翔記と息子の恩人のダン・アキラです」

「ああ、あの図書館爆弾事件のヒーローですね」


招待客は亮と熱い握手をした、泰平の行動は

亮をあっという間に有名人にしてしまった

「劉さん、こんな事したら息子さんの影が薄くなってしまいます」

亮は泰平の耳元で囁いた。

「いいんだ、中国ではいつもトップだった翔記には

自分のよりも優秀な人間を見せて反骨精神を養った方がいい」

「そうか」

亮は翔記が嫉妬して仲が悪くなりそうな気がしていた。


「ダン、あれが父のやり方なんだ、気にしないでくれ」

翔記は逆に亮に肩を組んだ。

「ダン、あの爆弾のトラップを全部君が見つけたと言うのは本当か?」

挨拶が一通り終わると翔記は亮の耳元で囁いた。

「ちょっとオーバーですが」

「へえ、どうやったか教えてくれよ」

「いつか教えます」

亮はフレイザー警視に口止めされていたので言えなかった。


「なるほど、それを言ったら敵に命を狙われるかも知れない」

「そんな物騒な話をしないでください」

亮は心の底からビビッていた。

「ダン大丈夫だ、僕の友達ならガードしてもらえる」

「ガード?」


「ああ、これでも僕は重要人物なので密かに守ってもらっている、

図書館での事件の時は僕がまだ留学が決まっていなかったので

ボディガードが付かなかった」

「すごい!まるで映画みたいだ」

亮は映画みたいな翔記にとても興味を持って

サングラスの男がアパートの周りに立っていて

イヤフォンを付けている姿が浮んだ


「今度僕のアパートに遊びにおいでよ、

ボストンに住んでいる中国人を紹介するから」

「でも中国語が出来ませんよ」

「教えてあげるよ。それだけ英語が上手なら中国語もすぐに覚えられるさ。

これから国際社会を生きているには中国語を話すのが必須条件だ」

「なるほど」

「中国人はおしゃべりの中で相手を信頼していくんだ」

亮は中国の未来を一所懸命語る翔記が気に入ってきた


「劉さんこれから亮って呼んでください」

「えっリョウ?」

「亮という字はアキラと読ませるんだけどニックネームはリョウなんです」

「OK、諸葛亮孔明は僕の好きな人物だ、僕はショウキでいい」

「はい、よろしく」

「ところで亮、年は幾つ?」

「23歳です?」

「わお、同じ年だ。妹の麗華が亮と同じ年だ」

翔記は麗華を呼んだ。


「劉麗華は中国人民大学の4年生で今日は父親の付き添いで来たんだ」

翔記に紹介された亮は細身で背が高い麗華が中国映画のヒロインの様に見え、

ワイヤーアクションで宙を浮いている姿を思い浮かべ亮は笑ってしまった

「どうしたの?私変?」


麗華が困ったように亮に聞くと亮はしっかりと麗華の目を見て答えた。

「いいえ、香港映画に出演しているチャンツイーみたいに綺麗なので」

亮がそう言うと麗華が顔を赤らめた。


「亮、それはまんざら嘘じゃないんだ、時々香港の雑誌にモデルとして

載っているし僕の従兄弟の劉文明が香港で映画会社を経営してるので

麗華に出演を頼んでいるんだが、こいつは内気で断っている」

翔記は恥ずかしがり屋の麗華の代わりに説明をした。

「そうですか、やっぱり。麗華さんならスターになれますよ」

亮は赤いチャイナドレス姿の麗華を上から下まで見た。


「亮、麗華がお前に気が有るらしい」

翔記は亮の耳元で囁いた

「そんな事言われても」

亮は、中国人はプライドが高くて日本人の男性なんか

相手にしないと聞いた事があったので返事に困った。


「今度北京に遊びに行きます」

亮は翔記と麗華に言うと二人が嬉しそうに笑っていた。

「そうだ、11月の末のサンクスギビングデーは

大学が休みだその時に北京に行こういいな」

「えっ?」

亮は断る間もなくせっかちな翔記は日程を決めてしまい

父親の泰平に伝えに行った。


「ごめんなさい、兄はせっかちなの。でも北京に来てくれて嬉しいわ」

「はい」

「そうそう、兄に聞いたのですが漢方の勉強をしているんですって?」

「はい」

「それなら『本草綱目』の現代版に翻訳研究をしている陳先生を紹介します」

「ほ、本当ですか?」

亮は和漢方薬の元になった中国漢方薬の本草綱目話を

聞いて嬉しくなり亮は次の日から翔記に中国語のレッスンを受けるようになった。

亮はローラと時々食事をしたり映画を観に行ったりするようになっていった。


「ローラこうやって時々食事をして彼に悪くないですか?」

「いいのよ。別にあなたと私が変な関係じゃないんだから、弟みたいで好きよ」

「そりゃそうだけど」

亮が思いを寄せているローラの一言はちょっとショックだった

「何?私と付き合いたいの?」

ローラの胸元から見える豊満な乳房の谷間に亮は顔をうずめてみたかった。


「亮がちゃんと女性をケアできるようになったら付き合ってあげる」

ローラはまるで亮の気持ちが分っているかのように、セクシーな目つきで話をした

「はい」

「じゃあ、今度私の友達のパーティがあるから連れてってあげる、

ただ話題とか特技が無いと相手にしてもらえないわよ。

日本の話をしても興味が無い人は知らないんだから」

「話題か」

亮は考え込んだ。


確かに日本人である事メリットはなく顔やスタイル、

体の大きさでは負けてしまい薬の話題では女性に受けない、

いきなり得意の理学療法士の骨や筋肉の話では

女性が逃げてしまう。亮は困っていた。

翌日、学校で女性と話をしている翔記に声をかけた。


「翔記、どうして女性と話をしているんだ?」

「亮こそどうして女性と話をしない?」

「話題がない」

「あはは、この大学に来る学生はエリートだし

学費が高いから金持ちの息子が殆どだ、

君がいるだけで女性は興味があるはずだ」


「そうか、なるほど」

「日本ではどうしていた。持てたろう東大なんだから」

「いや、全然」

「へんだなあ、僕が女だったら付き合ってみたい」

翔記がまじめな顔をして言うので亮が後ずさりをすると翔記は笑った。

「あはは、冗談だよ。とにかく話しかけてみろよ、逃げる奴はいない」

翔記が肩を叩いた。


亮が受けている授業の中にスミス学部長の

授業がありスミスが学生に聞いた。

「何か質問はあるかな・・・アキラ」

スミスが亮を指差した。

「はい、日本では1997に銀行が破綻するほどの株価の暴落がありました。

その原因は不動産投資でした、今のアメリカのサブプライムローンが

何かの原因で崩壊したらアメリカは大不況になるのではないでしょうか」


亮の質問を失笑する学生が何人かいるとスミスが真面目な顔をして答えた。

「アキラ、いい質問だ。我々経済学者もそれを危惧して、

色々提案しているんだが日本バブルの崩壊の状況を詳しく教えて欲しい」

「分りました」

授業が終わると亮の周りに学生が集まった。


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