ローラ
隊員に連れられて来たクリスはジョンの言う事を無視しクリスが
笑って答えるとジョンがクリスを殴った。
「ここまで、僕の爆弾を解除してきたならそれも簡単だろう」
「おい、解除方法を言え」
ジョンがもう一度殴ろうとすると亮はジョンを止めクリスに聞いた
「ジョン殴っても無駄です」
「クリス、この爆弾はパスワードを入れて解除するんですね」
「ああ、8桁の数字だ、間違えたら吹っ飛ぶぞ」
「ありがとうございます」
亮が深々と頭を下げるとクリスはキョトンとした。
亮はまずローラの胸に付いているキーボードのボタンを押すと
ジョンがそれを止めた。
「ま、待て。間違えたら終わりだぞ」
ジョンが言うと亮は自信を持って答えた。
「はい、分かっています」
ローラは恐怖で目をつぶっていると亮が続いてボタンを押した
「カチャ」
と音がしてベストが外れるとクリスは大声を上げた。
「な、何でわかった」
「さっき、PCのパスワード入れていたじゃないですか」
「お、覚えていたのか?」
クリスは両腕を捕まれた図書館から連れて行かれた。
「ねえ、君」
中国人の男が亮に声をかけた
「はい」
「僕は、劉翔記こっちは妹の劉麗華だ。助けてくれてありがとう。
この恩は一生をかけて返す」
「はあ」
亮はなんと返事をして良いか分からなかった。
「ダン、ありがとう。あなたはヒーローよ」
ローラが亮にハグをした。
「ローラおかげさまで9月からこの大学に来る事が決まりました」
「本当、うれしい。じゃあこのお礼はその時に」
ローラは亮に握手を求めた。
「本当か、じゃあ同級生だな。ダン」
劉翔記が亮に握手を求めた。
「そうかそれで学生名簿に無かった訳か」
亮は呟きながら握手をした。
そして9月、亮は大学始まって以来最も有名な新入生となった。
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亮はハーバード大学の図書館に入って薬学の本を読むのが楽しかった
そこで知ったのは、アメリカンインディアンの薬草の作り方だった
「アキラ」
ローラが本を読んでいる亮の後ろから声をかけた。
「はい」
「やっとあなたを見つけたわ、待っていたのに声をかけてくれないんだもの」
「別にそういう訳ではないですけど」
亮はわざわざローラに礼を言われるのが嫌で
あえてローラを避けていた。
「うふふ、そろそろあなたの歓迎会をしなくちゃ」
「いいえ、そんな事しなくても」
「ううん、あなたは命の恩人だもの、お礼をしないと困るわ
今夜一緒に食事しましょ」
「は、はい」
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亮はアパートに戻り着替えて6時に図書館の前に行った。
ローラは自分の車に亮を乗せるとローラは嬉しそうな顔をした。
「ボストンはどう?」
ローラが聞くと亮は笑って答えた。
「歴史の趣のある街ですばらしいです」
「そう」
ローラは自分の住んでいる街を褒められて嬉しかった。
「寮にはなれた?」
「いいえ、あの事件があったので残念ながら警察と大学の意向でアパートに住んでいます。
あの時の事は警察に固く口止めされているので」
「そう残念ね。寮に入ると色々な人種、世界各国の人たちと知りあえて
情報や習慣を理解して人として何倍も成長する事が出来るし、
アメリカンカルチャーを通じてアメリカを理解で来るのに」
「そうですね」
亮はそう返事をしながらも一人暮らしに満足していた。
「まあ、アメリカンカルチャーは私たちが教えてあげるけど・・・」
「ありがとうございます」
「ボストンの何処へ行ったの?」
「いいえ、まだ大学の周りだけです」
亮にとっては大学の面積が158haもあれば
大学の周りを探索するだけでも時間がかかり過ぎるくらいだった
「そうか」
ローラは亮を何処に連れて行くか考えていた
「アキラは幾つなの?」
「僕は23歳です」
「私は26歳、お姉さんね」
「はい、ローラさん素敵なお姉さんです」
年上でセクシーなローラの体から漂う良い香が亮をドキドキさせた。
「ありがとう」
ローラは亮の顔を見て微笑むと今まで亮に話したい事があった。
「私、あなたに会って日本に興味がわいてきたの」
「日本の何に興味が?」
「食文化と漢字、そして・・・」
「日本料理はヘルシーで美味しいし、漢字は美しい。そして何ですか?」
ローラが恥ずかしそうに亮の目を見た。
「亮はサムライなんでしょう」
「サムライですか」
「あなたが特殊警棒で敵を倒したのを見たら
とてもかっこよかった。あれってサムライでしょう」
「あれは剣道と言う日本の武道です。決して僕はサムライではないですよ」
「そう・・・・」
ローラは残念そうな顔をしていた。
そもそも外国人がサムライに抱くイメージは何なのだろう?
サムライ=武士道
武士道は文武両道の鍛錬を欠かさず自分の命を以って徹底責任をとる。
その命を懸けた生き方がかっこいいのだろうか?亮は首を傾げた。
ローラはダウンタウンの近くの自分のアパートに車を止めて
歩いてステーキハウスに亮を連れて行った。
「給料が安いからこんな所でしかお礼が出来ないけど」
「いいえ、ステーキ大好きです」
「こんばんは」
ローラは店に入ると挨拶をした。
「やあ、ローラ今日は男連れか?」
周りの常連客やウエイターがローラに声をかけた。
「ええ、日本人のアキラよ」
ローラはみんなに亮を紹介した
「アキラです。よろしくお願いします」
大きな声で挨拶をした亮を見て客達は元気な日本人を見て声を上げた。
「おお」
「ローラどうしてみんな声を上げたんです?」
「普通日本人は大人しいから、驚いたのよ」
「そうなんですか?」
「特にハーバードに来る日本人はエリートだから
こういったお店に来ないわ」
「そうですか、もったいないこんなに歯ごたえがあって美味しいのに」
亮は運ばれてきたランプ肉のステーキを美味しそうに食べながら言った。
「本当?」
「ええ、日本の肉は柔らかいけど油が多くて値段が高いです」
「うふふ」
亮があまりにも美味しそうに食べるのでローラは亮が可愛らしく見えた。
「ワインも美味しいですね。甘味があって樽臭、バニラ臭がして色も濃く
濃厚でしっかりしています。熟成期間が長いようですね」
20歳過ぎてお酒を飲めるようになった亮はワインの味を知る事が出来た。
「そう、カリフォルニアワイン肉に合うでしょう」
「はい」
「ところで、あなたはあの時どうして命を懸けて私達を助けてくれたの?」
ローラは5月の人質事件を思い出して言った。
「あの時ただの野次馬の一人で、警察の指示に従っただけです」
ローラは野次馬がどうして警察に協力したか不思議だったが、
亮の説明は語学力の無さでしかないと思っていた。
「でも怖くなかった?」
「はい、彼ら警察の特殊部隊は優秀なので作戦に失敗は無いと思っていましたから」
亮はあの図書館の本のすべてのタイトルと配置を記憶していたとはローラに言えなかった。
亮はローラと話しているうちに、大きなグリーンの目と
柔らかそうなブラウンの髪をみてまるで映画のワンシーン様な気がしていた。
「アキラ、日本に彼女いるの?」
「いいえ」
「あらそう、もてそうなのにね。まさかゲイじゃないわよね」
「まさか・・・ストレートです」




