突入
「2冊が本物か。どうやって探す」
「8冊の本の両側5冊づつ、合計10冊を取ってください」
「うん」
ジョンは亮の言っている意味がわからなかったが
部下に指示をした
「倒さないように気をつけて」
部下達は丁寧に10冊を8ヶ所に積み上げた
亮は8冊の本を丁寧に見て2ヶ所を選んだ
「ジョン、こことそこの2冊です」
「分かるのか?」
「ええ、6ヶ所は1冊を抜いて別の本と入れ替えていますが
2ヶ所は両側3冊を抜いた後があります。つまり爆弾本をセットするのに邪魔だったわけです」
「と言うことは・・・」
「本の底にスイッチが付いていて、ちょっとした振動や音で
爆発すると思います」
「なるほど。マーク」
ジョンは部下のマークを呼んで亮の言っている意味を伝えた
マークは爆弾本の下から出ている爆発のスイッチになる錘の部分が
下がらないようにエボナイトの板を本の下に滑り込ませ
そっと引き抜き小口(背の反対側)の所にある
スイッチを切りジョンに向って親指を立てた
「ダン、これで20の爆弾を解除したぞ」
「はい。ジョン犯人はいい人なようですね」
「ん?なぜだ?」
取引終了後、爆弾を解除できるようになっています。
「そ、そうだな」
ジョンは不機嫌な返事をしたが亮の言っている事に納得していた。
「と言う事は、仲間が何人か居る事が確実だな」
「はい、クリスはただの爆弾オタクでジャックに利用されていると思います」
ジョンはフレイザー警視に爆弾20個を処理した事と
複数犯の可能性が高いという事を報告した
「よし分かった、今から犯人と交渉に入る。突入の指示を待て」
フレイザー警視はジョンに言った
「了解」
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スコットは上層部の指示でクリスと交渉を始めた
「クリスかお金の受け渡し方法が決まったか?」
「お金の準備が出来ると今度は催促ですか」
クリスは冷静に答えた。
「それで方法は?」
「ああ、決まった。まずお金をケイマンブリティッシュバンク
口座番号1877459875に振り込んでもらう、
確認が出来たらヘリコプターを図書館の上空に来てもらって
縄梯子を下ろしてもらいベランダから僕と人質二人が
ヘリコプターに乗って我々が飛び立つ、
我々が無事に逃げられたら、二人の人質を開放して
爆弾の解除方法をメールで連絡する」
「分かった、直ぐに手配をする」
「言っておくが、ヘリは民間機だぞ」
「分かった」
~~~~~~~~~
スコットとクリスのやり取りは直ぐに
ジョンたちの所に伝えられた。
「ジョン、変ですね」
「何がだ?」
「クリスの身の保障がありませんよ」
「ん?人質を二人取るだろう」
「いいえ。もしジャックがクリスを見捨てたらどうなりますか?
1億ドルを手に入れたジャックは、後はどうなってもいいわけですよね」
「なるほど」
「だから1億ドルを振り込む前に何とかしなくては」
「わかった」
ジャックは直ぐにフレイザー警視に亮の行った事を伝えた
「亮、突入命令が出たぞ」
「待ってください。これから僕はここで学びます。
だからここを血で汚さないでください」
「じゃあどうするんだ?亮」
ジョンは少しイラついていた
「特殊警棒を持っていますか?」
「ああ、持っている」
ジョンはそれを亮に渡すとそれを振って重さを計った。
「もう1本ありますか」
「有るよ」
隊員の一人が亮に渡した。
「それでどうするつもりだ?」
ジョンは亮にきつい口調で言った
亮は詳しく段取りをジョンに説明をすると
SWATの服を脱ぎ面接の時の
スーツのパンツにワイシャツ姿になって
特殊警棒を腰にしまった
「ジョン、僕の付けているマイクで状況を把握して動いてください」
「わかった、気をつけろよ」
「はい」
亮はそう言って階段を3階から4階に上がっていった。
「誰だ!」
ピストルを持ったマットが銃口を亮に向けた
亮は両手を挙げるとゆっくりと話した。
「ま、待ってください、僕は3階の
トイレにいたんですけど何があったんですか?」
「ずいぶん、長いトイレだな」
マット亮を手招きした。
「それより、どうやってここへ上がってきた?」
クリスは爆弾が爆発しない事が不思議で聞いた。
「えっ?普通に階段を上ってきました」
亮は惚けて答えるとクリスは仕掛けが上手く
動かない可能性がある不安が頭をよぎった。
「そんな馬鹿な」
クリスは不安になってパソコンのリモートを見た。
「あなたそこの二人と同じチャイニーズ?」
セクシーな声を出してアンは亮に聞いた。
「いいえ、日本人です」
亮はベスト爆弾を体に付けられている男女とローラを見て言った。
「僕もあのベスト爆弾を付けられるんですか?」
「いや、もう無い」
マットがそう言って椅子に座るようにピストルで合図をした
「マット、下に行って爆弾をチェックしてくる。
爆弾が爆発しなかったら
警察が突入してくる」
爆弾に関して絶対の自信を持っていたクリスの
プライドはズタズタになっていた
「すぐ終わるか?」
「ああ、5分で充分だ」
「OK」
マットは顎上げた。
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クリスはパソコンのリモートを解除して
階段を駆け下りると
3階で待機していたSWATは音も立てずクリスを確保した。
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亮が椅子に座るとうつむいていたローラが亮に気がついて
小さな声を上げた
「あっ」
「なに?知り合い」
アンは気がついて亮に聞いた。
「もちろん、ここの学生ですから」
亮は冷静に答えるとアンは納得して答えた。
「そうね、警察じゃないのが分かって良かったわ、
警察ならマットが殺していたわ」
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「フレイザー警視、一人確保しました。犯人は後二人です」
ジョンは亮の会話で犯人が二人いる事を確認し
フレイザーに報告をした。
「そのまま、突入したらどうだ?」
「いいえ、人質三人は体に爆弾を付けられています。しかも今ダンが・・・」
「なんだって、ダンを行かせたのか?」
「はい、お陰でクリスを確保しました」
「うーん、ダンを信じるしかないな」
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「じゃあ、君も人質になってもらうか」
マットはアンにピストルを渡すとロープを手に持った。
「3・2・1」
亮はマットが亮に近づくタイミングを計っていて
マットが亮の体にロープを掛けようとした瞬間
亮は腰の特殊警棒でマットの顔を殴り鳩尾を突き
そのまま、何が起きたか理解できないで慌てている
アンの手を叩きピストルを落とした。
「犯人を倒しました!」
亮の大きな声に反応したジョンが声を上げた。
「GO、GO、GO」
ジョンの声でSWATの隊員は階段を駆け上がり
マットとアンの頭にマシンガンMP5を突きつけた。
他の隊員が人質のローラと中国人の
ベスト爆弾を外そうとすると亮が大声で止めた。
「待ってください」
「その爆弾にトラップが仕掛けてあるかもしれません、
クリスに聞いてください」




