爆弾
亮は自分が異常な記憶力があるとは言えず
返事に困っていると、車の戸が叩かれた
ドアを開けた男は知的な風貌の40歳くらいの男性だった
「どうだ、様子は?スコット君」
「はい、この男性の協力をいただいて捜査中です。マーク・フレイザー警視」
「そうか、ダン君だね。協力ありがとう」
警視は笑顔で亮に握手を求めた。
「は、はい」
亮はいきなり警視に握手を求められ驚いていた
「君は日本の大学でトップだったそうだね。学部長に聞いたよ」
「はい」
「それで他に何か気づいた事があるかな?」
「はい、僕は爆弾のトラップの場所が分かると思います」
「ん?何故だ?」
「僕は一度見たものは忘られないんです。だから、もしも犯人が
図書館の中を本一冊動かしただけでも分かります」
「うーん、つまり君は爆弾の有りかが分かるというわけだね」
「はいもう1つ、携帯電話の機種がNOKIA 2610を使っていて電話をかけていました。
電話番号は213-627-7888です」
「よし、この電話番号を調べよう」
スコットは直ぐに手配をした
「まさか、相手は誰だか分からないだろうな」
「いいえ、知っています」
「えっ?今なんて言った」
スコットが亮の両肩を抑えて聞いた
「何度もジャックと言っていました」
亮が答えるとスコットは決め付けるように言った。
「ジャックと言う男はクリス相棒と言うわけだな」
「いいえ、敬語を使っていたので首謀者かもしれません。
20個の爆弾の入手は普通では難しいので」
亮が言うとスコットは亮の的確な推理に怒り出した
「そ、そんなの分かっている」
「スコット、電話は通じるのですが名義人は不明です。おそらく裏ルートの電話かと」
捜査官の一人がスコットにメモを持ってきた
「分かった」
スコットは亮の情報がまったく役に立たないのに失望していた
「ダン君、君のお陰で犯人像が見えてきた協力ありがとう」
スコットは亮に握手を求めると冷たい目で言った。
「ここから先は警察の仕事だ、帰って良いぞ」
「でも爆弾のほうが・・・」
「我々はプロだ、爆弾の処理は任せてくれ」
「でも・・・」
亮がスコットに話しかけるとフレイザー警視が肩を叩いた
「ダン、こっちへ」
二人は車を出るとフレイザーが亮の手を引いた。
「ダン、スコットは君の能力を知らないようだ。
爆弾処理は私の精鋭部隊を用意しよう」
「ほ、本当に信じてもらえるんですか?」
「あはは、君は私の恩師のロバート・スミス学部長の折り紙つきだ」
「はい、では先ほどスコット警部補言わなかった事が1つ」
「なんだ」
「80%の確立なのですが、クリスの電話相手はジャック・モーガンです」
「なんだって!」
フレイザー警視は亮の両肩を抑えた
「知っているんですか?」
「テロリストだ、最悪の。いかんこのままでは本が燃やされてしまう」
「は、はい」
「ジャック・モーガンの居場所を探さなくては」
「はい、ではクリスに掛かってくる電話を傍聴したらいかがですか」
「なるほど」
亮とフレイザー警視はSWATのトラックに乗ると
中には黒い覆面をした男が6人乗っていた。
「こんにちは」
亮が恐る恐る挨拶をすると男達は黙ってうなずいた
「みんな聞いてくれ、團君は爆弾の位置が分かるそうだ、
したがって君達は職員通用口から入り潜入し團君の指示通り爆弾を処理しながら
犯人と人質がいる4階へ上がってチャンスを待て」
「イエッサー」
6人は何も言わずにフレイザー警視の命令に従った
「警視、警備員はどうして彼の指示に従ったんですか?」
「状況はこうだ」
犯人のクリスは朝9時30分に爆弾を持ってローラを人質に取った
警備員、学生を館内から出るように指示し
すべての出入り口に閉じ爆弾を仕掛けローラを連れて
4階に上がったところ男女4人がいて
その場で人質になった。4人の学生の身元は判明していないが、
男二人女二人と犯人は言っている
「そうか・・・」
亮の頭に何かひっかかる物があった
亮はSWATと同じ武装をされ覆面にゴーグルをつけると何者か分からなかった
「ダンさんヘルメットにマイクが着いていますから、爆弾を見つけたら
指示をください」
隊長のジョンが言った。
「了解しました」
亮はアメリカの警察が自分の指示に従ってくれる事に嬉しく感じ
頼もしく思った
「では、職員通用口までは我々に付いて来てください」
6人SWAT隊員が腰の周りにピストル、手錠、手りゅう弾、ナイフなどの重装備に
ヘッケラー&コッポ社のマシンガンMP5手に持つと
「僕のは無いですよね・・・」
「NO」
ジョンが冷たく答え、亮はずっしりと重い懐中電灯を渡された
「これだけか・・・」
「ダン、君は我々が命をかけて守るだから」
ジョンは亮の肩を叩き職員通用門の方に走った
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「スコット警部補、SWATが裏口に向って移動しています」
監視カメラの見ていた職員がスコットに報告をした
「何!フレイザー警視、私に相談も無く・・・」
スコットは舌を鳴らした
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職員通用門に着いたSWATと亮は腰を低くした
「さて、ダンこの職員通用口には爆弾が仕掛けてある可能性あるから
隣の窓から潜入する」
ジョンはサミーを呼びカッターで窓にある鉄格子を切る用意をしていた
「待ってください隊長、爆弾はドアに付いていません」
「ん?ダン。何故わかる?」
「ドアに何の異常もありません」
「ん?」
「今朝見たとき同じ状態です。逆に窓に手の跡がついています」
「違いが分かるのか?」
「はい」
亮は自信を持って返事をした
「トラップか・・・」
ジョンは考えて亮の言葉を信じた。
「サミー、ドアを開けて入るぞ」
「隊長、そんな。犯人は普通入り口に爆弾を取り付けます」
「いや、ダンを信じよう」
「イエッサー」
サミーは返事をしてカッターをしまった。
「もし良かったら僕が入り口を開けますが」
「いや、我々が開けよう」
ジョンが指示をすると盾を持った隊員が入り口のドアの鍵を開けて
それを引くと何も無かった。
「おお、開いた」
ジョンが亮の胸を叩いて言うと亮が前に出た。
「ジョンこの先は僕が先導します」
「OK」
亮は先頭に入ると
窓の下に爆弾が仕掛けあった
「1つ目」
亮が周りを見ると右側にあるロッカーに異常を発見した
「3番目のロッカーの足元から反対の壁に赤外線が出ています」
亮がマイクで言うと隊員が返事をした。
「了解」
亮の後ろの隊員が前に出てロッカーの前に立つと亮はロッカーをじっと見た。
「ロッカーのダイヤルは3725です」
「了解」
隊員はなぜ亮がダイヤル番号を知っているか
不思議に思いながらダイヤルを合わせ
ロッカーを開けて爆弾を外した。
「合っていましたね、2つ目」
亮は懐中電灯を点けて廊下を歩き閲覧室に入り周りを見渡すと本棚に目が止まった。
「右側の机の下と反対の左の本棚、左側の本棚の高さ1.5mグリーンの本」
亮は指を指すと隊員は爆弾を外し、親指を立てた。




