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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
三章 アメリカ編
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人質

4年後


新しい世界と出会いの期待を胸に亮はアメリカに旅立った。


5月のボストンは気候が良く学生たち夏休み前で忙しそうにしていた。

(アメリカの大学では入学試験は無く、高校および大学の成績

、語学力、品行、家族、財産等などの書類選考が行われ、最後に面接で合否が決まる)

亮のハーバード大学の書類選考は終わり面接を残すのみになっていて

翌日の面接まで時間があった亮は赤レンガ作りの歴史ある大学の下調べをしていた。

亮が何よりも気に入ったのは、世界有数の蔵書を持つ図書館だった。


「凄い」

亮は図書館の中を何時間も見て歩いていると

ブラウンのショートヘアのメガネをかけた女性が声をかけた

「何かお探しですか?」

「いいえ、あまりにも凄い図書館なので見学をしているんです」

「ああ、そうですか。どちらの方ですか?」

「僕ですか?」

「はい」

女性は笑顔で亮を見つめた。


「日本からです」

「ここの学生?」

「いいえ、入学希望の書類を提出して明日面接なんです」

「受かるといいわね。私この図書館で働いているローラです」

「入学したらよろしくお願いします」

亮は深々とお辞儀をするとその奇妙な挨拶にローラは驚いていた。


亮が頭を上げるとローラは手を差し伸べていた

「よろしくね」

亮とローラは握手をした。

ローラの手は真っ白で細く長い指をしていた

「でもまだ入学許可は・・・」

「大丈夫よ、あなたなら面接で合格よ。賢そうだもの。ええと」

「あっ、失礼しました。akira・danです」

「幸運を祈っているわ、akira」

「ありがとうございます」

亮はそのまま図書館の隅々まで眺めて図書館を後にした。


翌朝、10時に亮は大学の面接室に入った

「アキラ・ダンさん」

ロバート・スミス学部長と二人の面接担当教授の前に亮は座った

「あなたの日本での大学と大学院の成績はオールAトップの成績ですね、

 学長からの特別推薦状もいただいています」

「はい、ありがとうございます」


「あなたはどうして大学の薬学部なのに経済学部を希望したんですか?」

「製薬会社の経営の為に経営を学びたいと思っています、医師は一人で

生涯数千人の人しか救えません。

しかし、良い薬があれば何千万人、いいえ何億人の人を救えます。

製薬会社は新薬開発に数千万ドルから数億ドルの投資をしなければなりません、

だから企業としては投資したお金の回収が早い薬を選んでしまうのです」

「なるほど」

三人はうなずいた。


「ですから時間と金が掛かってもいい薬を作る製薬会社を作りたんです

 世界の病める人のために」

「すると3年編入卒業後MBAで経営学を学ぶというわけですね」

「はい、よろしくお願いします」

学部長は立ち上がり亮に握手を求めた肩を叩いた


「アキラ・ダン入学おめでとう」

二人の教授も拍手をして握手をした


亮が外へ出ると警察官があわただしく動いていた

「何があったんですか?」

亮は警察官に聞くと警官が止めた。

「図書館で立てこもりだ、危険だから行くな!」

警察官は命令口調で亮を押しのけた

亮は図書館のローラが気になっていた


「まさか」

亮は図書館の方へ向う学生に声をかけて聞いた

「図書館で何が?」

「図書館職員の女性と学生の4人が人質になっている」

亮が胸騒ぎは的中した。


亮も学生と図書館へ向って歩いて行くと

図書館の周りには警察車両が並びライフル銃を持った警官隊が囲み、

その先には人が入らないように規制していた


~~~~~~~

ボストン市警の指令車の中では

各所に設置されたカメラの映像が映し出されていた

「スコット警部補、犯人から電話がかかってきています」

ネゴシエーターのスコット警部補に電話がかかってきた


「私はスコット・ローパーだ、君の名前は?」

「トムだ」

「今の状況は?」

「人質5人を預かっている、図書館の職員のローラと4人の学生

 男二人と女二人だ」


「トム、君の要求はなんだ」

「1億ドルを大学に請求する」

「それは無理だろう」

「無理じゃない、大学は4百億ドルの基金を持って

年間8億ドルの寄付金をもらっているはずだ」


「要求はそれだけか?」

「1,000m以内にヘリコプターを飛ばすな」

「1億ドルの受け渡し方法は」

「おって連絡する。無理に突入をしたら図書館に仕掛けた

 トラップ爆弾20個が爆発する

 1530万冊の世界に誇る貴重な蔵書が燃える事になるぞ」

「分かった、大学と協議する」

スコットがトムとの電話を切ると

スコットが指令車から出た

「学長と打ち合わせだ」


~~~~~~~

亮はどうしても中の様子を知りたくて野次馬の間をウロウロしていると

スミス学部長が亮に声をかけた。

「ダン、せっかく入学が決まった日に大変な事が起ってしまったな」

「はい、中で何が起こっているんですか?」

「男が、5人を人質に立て篭もって、今ネゴシエーターが

 犯人に声をかけているそうだ」

「はい」


「ここだけの話だが爆弾を図書館内に仕掛けたそうだ」

「それって・・・」

亮の頭中に前日と今朝の図書館の様子が頭に浮んだ

「学部長犯人に心当たりが・・・・」

「ん?」

「学部長、ひょっとしたら僕は犯人の顔を見ています」

「なんだって、本当か?」


「今朝9時に図書館のローラに会いました、

その時に不審な男性を図書館の入り口で見か

けています」

「わかった、警察に私の教え子が居る連絡を取ってみよう」


~~~~~~~~

亮は指令車に呼ばれてスコットに会った

「私はネゴシエーターのスコット・ローパーだ。犯人を見たそうだな」

「はい、犯人かどうかは分かりませんが。昨日の夕方と今朝怪しい人物を見ています」

「うん、その男の特徴を教えてくれ」

「はい、名前がクリス。年齢が19歳から21歳、身長175cm、

 体重65kg前後、髪の毛ブラウン、目の色ブラウン

 Leeのジーンズにナイキのシューズグリーンのシャツを着ていました」


「名前までわかっているのか?」

「はい、閲覧室で見かけた男のDell のノートPCに名前が書いてありました」

「ずいぶん詳しいな、それで顔はどんなだ」

「すみません。紙と鉛筆を貸してください」

亮は凄いスピードで似顔絵を描き始めた

5分後に男の絵をスコットに渡すとスコットは絵を見て感心していた


「うまいなあ、この絵」

「ありがとうございます」

「誰かこの男の顔を学生名簿から調べてくれ」

車内にいた一人の男が受け取った

「スコットさん思い出したことがあります」

「なんだ」


「右首の外側を最近怪我した事が有るはずです」

「なぜ?」

「歩き方と靴の減り方が異常でした」

「なぜそんな事が分かるんだ」

「何故って言われても・・・」


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