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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
二章 再会
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ブランド

「は、はい?」

「きっとお似合いですよ、着てみるだけでいいですから」

「は、はい」

女性はフィッティングルームで着替えると足元に靴が用意されていた

「それを履いてください」

「はい」

そして、女性が鏡の前に立つと目が輝いた。


「素敵!」

そういって自分の体を何度も見ていると亮が話しかけた。

「とてもお似合いです、このワンピースはウエストが絞り込んであるので

 お客様のようにウエストの細い方には最高です」

「ええ」

女性は笑顔でいっぱいになった。


「これいただくわ」

「ありがとうございます」

「それとこの靴も」

「ありがとうございます」

亮は押し売りのようで気が引けていると

女性はフィッティングルームから出てきて

脱いだ洋服を他の店員に渡した。


「私このお店に来るのがはじめでだったけど、

こんな商品の売り方する店員さんは初めてだったわ」

「すみません」

「ううん、いいのよ。あなた、センスがいいわ。他の物も見ていただけるかしら

 今の服に合ったバッグも」

「は、はい」

亮がその女性に付いていった。


~~~~~~~~~~

「ほう、凄いなあ」

それを見ていた秀樹はニヤニヤと笑った。

「あのお客様は岩田財閥の奥さまでした。今までMデパートに行っていたそうなのですが、

 今日ふらっと立ち寄ったら亮に声をかけられたそうです」

事の詳細を秀樹に伝えた。

「それは運が悪かった、ん?良かったのか」

「今日、岩田様が買われた金額が300万円よ、お父さん」

「あはは、女の子と話もできない亮が300万円も商品を売ったのか。あはは」

秀樹は大笑いをした。


~~~~~~~~~~

それから1週間で亮は美宝堂の商品をすべて頭に入れ

販売価格、仕入れ価格、粗利益、商品回転率まで分析を終えたところに

秀樹は亮を社長室に呼び出した。

「亮、どうだ」

「おかげさまで、ブランド品が分かりました」

「うん」

「ブランド品は完璧です、デザイン、素材、技術、作った人の魂とパワーが感じられます」


「お前もう分かったのか」

秀樹は驚いていた。

「はい、ブランド品は間違いなく値段相応の価値があるものです」

亮は秀樹に頭を下げた。

「うん、そうだ」

「だから、コピー商品は許せません」

「うん、ところでお前は1ヶ月で5000万円の売上げを上げた」


「はい、粗利益で1350万円です」

「あはは、計算していたのか」

「はい、バレンタインデーの食事代とアットリーニのスーツ代を返さないと」

「わかった、アルバイト代と相殺しておくスーツは誕生日のプレゼントだ」

「ああ、よかった」


亮は借金を返してホッしていた。

「それで亮、どうして売上げを上げたか分かっているのか?」

「はい、いい商品だから自信を持ってお客さんに勧めたからです」

「なるほどな、いい事聞いた」

「では、『ブランド生活』を攻撃いたします」

「うん、怪しい物はドンドン買って良いぞ」

「分かりました、ただ一人でたくさん買うと怪しまれますから

 住所を変えて注文しましょう」

「そうだな、受け取ってくれる人の住所は後で連絡する」

「はい」


~~~~~

その日、亮は良子を食事に誘った。

バレンタインデーの日から亮と良子は時々一緒に映画や食事へ行くようなり

亮も次第に会話が長く続くようになっていた

「秋山さんお久しぶりです」

「アルバイトの方どう?」

「もう終わりました、食事に行きませんか?」

「本当?嬉しい」

二人は渋谷のセンター街にあるパスタ店に入って

良子に小さな包みを渡した。


「アルバイト料が入ったから」

「ほんとう、嬉しい。開けていい」

「はい」

良子が包み紙を取るとケースが出てきて

中には指輪が入っていた

「素敵!」

「姉がデザインしたリングです」

それはシルバーの台の真ん中に小さなピンクサファイアが

あしらってあるリングだった


「ありがとう」

「アルバイト料が良かったもので」

「聞いて良い。いくら貰ったの?」

「ええと、日当が8000円、20日で160000円

 源泉引かれて140000円」

「うん」


「それに、1350万円の3%歩合に源泉引かれて36万4500円

 合計472500円そこから借金を返すと342500円」

「すごい、でも1350万円て何?」

「お店で売った商品の粗利です、それの

 歩合3%です」

「うふふ、團君まじめね、全部報告するんだ」


「報告って・・・聞かれたから」

亮は不思議な顔をした。

「團君って、お小遣いをいくら貰っているの?」

「お小遣い貰った事ないです」

「えっ?」

「うちの家族はお金が欲しい時は働くんです」

「でも、小学校の時は働けないし欲しいものあるでしょう」

「ええ、その時は万引きをして」

「えっ、嘘!」

「嘘です、あはは」


亮が珍しく冗談を言った。

「それで?」

「うちの家族は毎年お正月に1年分のお小遣いを貰うんです」

「うん」

「それで、自分で1年分の支出計画を立てるんです」

「うふふ、国家予算みたい」

「余った分は預金して高校になった時から、資金運用して利益を出しています」

「そう」

亮は高田とまったく違った生き方に良子は唖然としていた、


「今、年収は?」

「あはは」

亮は笑ってごまかした

「秋山さん、その後の高田さんの様子分かりますか?」

「どうして?」

「いえ、あの時大騒ぎになってしまったから」

良子は大きく息を吐いた。


「連絡あったわ。川野さんと別れたって」

「そうなんですか、じゃあまたお付き合いを?」

「ううん、だって私高田さんの先輩に貢物にするらしいから」

「あの時、そう言っていましたね」

良子はうなずいた。


「先輩ってどんな人でしょうね」

「何処かの女子大の理事長らしいけど、30歳くらいらしいわ」

「若いんですね、2代目でしょうか?」

「ええ、そんな事言っていたような気がする」

「まさか・・・」

亮は高田が理事長に気を使うのはその女子大生にブランド品を売っている事を

思い浮かべた。


「ねえ、團君。3月30日誕生日でしょう、もうすぐね」

「はい。今度19歳です」

「えっ、まだ?」

「ええ、早生まれなので」

「そうか・・・」

良子は肩を落とした

「どうしたんですか?」


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