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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
115/132

背番号

「なんだろう、良く四人で田沢湖へ

行ったかな?ねえ順子」

「うん」

「TZAWAKOか?好きな人でもいいですよ」

「あー」

二人は突然大声を上げた。


「なまはげの兄ちゃん!」

美紀が答えた。

「なまはげの兄ちゃん?」

亮が聞き返すと嬉しそうに答えた。

「私たちが高二の時、敦子はなまはげになっている

男の人に恋をしてしまって

四人で追っかけた事があるんです」

順子が言うと澄子が面白がって聞いた。


「それで?」

「それが奥さんと子供がいる人だったので諦めました」

亮はそれを聞いて女子高生の熱しやすくて冷めやすいところが

恐ろしく思った。

「INANIWA UDON」 「SHIRAKAMI」「AKITAINU」「TAZAWAKO」「NAMAHAGE」

亮は合計五つのワードが浮かんだ。

順子と美紀は敦子の楽しかった話題をたくさん話し


「後は東京の大学に行った早苗が知っています」

「そうですか」

亮は順子に久保田早苗に連絡を取ってもらい

東京で会う旨を伝えてもらった。

「これから食事でもと言いたいところですが、

佐藤さんのお宅で食事をする事になっているんです」

「そういえばおばさん元気になりましたか?」

敦子の葬式で気を落としていたので美紀は心配していた。


「はい、元気になったようですよ」

「良かった」

亮は二人の様子を見て洋子に電話を掛け

二人を連れて行っていいか確認すると

洋子が快諾した。

「順子さん、美紀さんみんなで佐藤さんのお宅に行きませんか?

敦子さんの弔いだと思って」

二人はしばらく悩んで答えた。

亮は二人が来ることによってもう少し

キーワードが出るような気がしていた。

「はい、お線香も上げたいし」

「それは良かった」


亮たちは佐藤敦子の家に行って洋子と

恵子の家族と順子と美紀が参加し

たくさんの料理を作って敦子の思い出話をして

洋子は時折涙を流していた。

亮はみんなの話を聞き途中退席をして

敦子のパソコンのパスワードを打った。


敦子さんの一番楽しかった時代、亮はそれを確信して

「namahage17」

今まで閉じていたパソコンの画面のセンターの画面が変わった。

「開いた!」

亮は澄子を呼ばず、画像ホルダーを押すとたくさんの

写真が出てきた。

家族、友人、食べ物、風景、そして櫨場俊夫、

息子のロバートそして木村健吾

木村健吾と肩を組んだり腕にぶら

下がったりまるで恋人との様だった。

しかし、木村健吾との写真はフェイスブックにも

載せていなかった。

つまり、木村健吾が有名人であるがゆえにSNSでは

公開できなかったかもしれなかった。


亮はすぐに森へ電話を掛けた。

「森さん、佐藤敦子は木村健吾と親しかったようです」

「わかりました。ところで、木村健吾が犯人ですか?」

「多分違うと思います」

「じゃあ、誰?」

「考えています」

「とにかく明日、事情を聴きに行ってみます」

「お願いします」

敦子は恐らく櫨場ロバートの紹介で木村健吾と知り合い

恋人関係になったのかもしれなかった。


亮は次に敦子のスマフォのパスワードを考えると

6桁番号なので90万通りの組み合わせが有り

母親に言わせると家族の誕生日はすべて試した

ダメだったそうだ。

「ん?」

亮はもう一度敦子の高校時代の写真を見た。

「バレーボール部」

敦子の背番号は10だった。

「まさか・・・」

亮はパスワードに10を打ち木村健吾の12を

打ち最後にロバートの17を打つと

エラーが出た。

亮は首をかしげながら立ち上がって順子の所へ行った。


「桑原さん、敦子さんのバレーボールの背番号は何番でした?」

「6番です」

「卒業写真では10番でしたけど?」

「ううん、敦子が一番頑張った高二の時は6番でした」

「そうか、そうだったのか!」

亮は敦子の部屋に戻り061217のパスワードを入れると

それは開いた。


亮は迷わず写真を開け、新しい順から写真を見ていった。

最後に訪れたボストン、その前のニューヨーク、

木村健吾の写真がたくさん残されていた。

「やはり木村健吾と付き合っていたんだ」

亮は罪悪感に苛まれSNSを見るとそこには有るはずのものが無かった。

亮はホルダーを探したがどこにもLINEアプリが無かったのだった。


亮は敦子のスマフォを持って美紀の所へ行った。

「能代さん、敦子さんLINEをやっていませんでしたか?」

「はい、やっていましたよ」

「あの時だってニューヨークやボストンから

たくさん写真を送ってきました」

敦子はスマフォの画面を見せた

そこには、遠征中の木村健吾も映っていた。

「すみません、敦子さん最近新しい彼氏ができたと言っていませんでした?」

亮を囲み順子と美紀が小声で話した。

「はい、新しい彼氏ができたと言っていました。ただ相手が有名人なので

 名前が明かせないって」

「やはりそうでしたか・・・・」

亮は澄子の耳元で囁いた。

「澄子さん、敦子さんと木村健吾は付き合っていたようです」

「そうなんですか?」

澄子は不思議そうな顔をしていた。


「東京へ戻ったら木村健吾の事調べてください」

「わかったけど、彼が犯人なんですか?」

「違うと思いますが、関係は有ると思います。ただ犯人は間違いなく日本人です」

日本人でもない限りわざわざLINEアプリを削除する訳がなかったからだった。


「ねえ、團さんパソコンのLINEは?」

「敦子さんはパソコンLINEを長い事使っていなかったので、

バーコードログインしていなかったようです」

「そうか・・・流産のショックからかな」

「そうですね。最終ログインから見るとその頃ですね」

澄子は同じ女としその時の気持ちが痛いように分かった。

心痛の洋子は沢山の人に囲まれ、元気になっていた。


亮は洋子たちに引き留められたが、翌朝7時30分の

飛行機に乗るためにホテルに宿泊することにした。

「團さん、これからどうするの?」

チェックインが終わりカードキーを受け取ると澄子が聞いた。

「これから論文の英訳書かないといけないので」

下村教授は亮に論文を送っていたのだった。


「ああ、そうなんですか」

女心が分からない亮は

「おやすみなさい」

と言って部屋のドアを閉めた。

澄子はこの後、亮と少しプライベートの話たかったが

気持ちは通じなかった。


翌朝、5時に亮はホテルの周りを散歩して

部屋に戻った。

「おはようございます、

館内電話を受けると澄子の声が聞こえた。

「朝食に行きますか?」

「はい」

亮と澄子はビュッフェで会うと食事を始めた。


「昨日はお疲れ様でした」

亮は澄子にねぎらいの言葉を言った。

「いいえ、大したことしていませんけど」

「とんでもないです。帰ったら木村健吾さんの

情報集めてくださいね」

亮は爽やかに微笑んだ。

「わかりました頑張ります」

「英訳はできましたか?」

「はい、医学界の論文の英訳はこの業界用語知っていないと

 書けないので、よく頼まれんですよ」

「翻訳料はもらえるんですか?」

「いいえ」


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