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グッド・ジョブ エピソード0  作者: 渡夢太郎
五章 ナチュラル・グリル
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取材

「そうか・・・」

亮は敦子の実家に電話を掛けた。 

「團と申します」

「ああ、先日は遠いところありがとうございました」

「いいえ。敦子さんのアパートの荷物は全部戻りましたか?」

「はい、アメリカの荷物もアパートの

荷物もこちらの敦子の部屋に帰っています」

「何か変わった物はありませんか?」

「敦子の人生をえぐるようで、何もしていません」

「明日、伺ってもいいですか?」

「良いですけど大丈夫ですか?」

洋子は亮の費用を気にしていた。

「今度はホテルも予約していますから気になさらないでください」

「はい、お待ちしています」


亮は電話を切ると警視庁捜査一課に電話をして森を呼んだ。

「森です」

「ボストン警察のダンです」

亮は相変わらずアメリカ人のふりをして電話を掛けていた。

「ああ、お久しぶりです。その後捜査の状況はいかがですか?」

「全くと言っていいほど進展していません」

「そうですか・・・それで要件は?」

「バレーボール選手の木村健吾さんの事調べてほしいのですが」


「えっ?佐藤敦子さんと関係があるんですか?」

「ひょっとしたらボストンで佐藤さんと会っている可能性があるんです」

「はあ、難しいですがとりあえず木村健吾さんの事調べてみましょう」

「すみません、よろしくお願い情報がつかめましたら

前回と同じメールアドレスに

 お願いします」

「了解しました」

「今度何か美味しいもの送ります」

「あはは。気にしないでください」

森は電話を切ると独り言を言った。


「ん?ボストンで美味しい物ってなんだ?

 ボストン饅頭とかボストンせんべいだったりして」

森はボストンの食べ物を楽しみにニヤニヤと笑った。


森は捜査一課11係、係長の西田の所へ行った。

「ボストン警察の依頼で調べることがあるので

明日出かけてよろしいでしょうか?」

「例の日本人が殺された事件か?」

「はい、事件が無いのでよろしいですよね」

「良いけど、森英語喋れたっけ?」

「いいえ、先方が日本語を喋れるので」

「なるほどな、後で報告書を書いておけよ」

「はい」

森は席に戻り木村健吾について調べ始めた。


「身長193cm 体重94kg 28歳

出身 R電気勤務 全日本のエースアタッカー

まあこんなんじゃ調べたうちに入らんな」

警察の個人情報は住所、氏名、職業、本籍、学歴、前科

運転免許証から交通違反歴、パスポートから渡航先歴

小中高大の学籍簿による同級生の名簿、年金情報によるアルバイト歴。

本籍から親戚、親戚の職業、連絡先を調べ上げる事が出来る。


一度罪を犯せば、刑事訴訟法に基づいて捜査対象者となり

警察はこの情報を元に捜査が始まる。

手配さればレンタカーも借りることも、出国することも

親や親戚の元に逃げることもできず。警察は犯人を追い詰めていく。


警察の情報を使う事が出来ないため、罪を犯していない木村健吾を調べることは、

容易ではなく、森は先輩が経営している探偵社に連絡した。

「並河さん森です」

「おお、久しぶりだな。捜査一課に移動になったそうじゃないか」

「はい、例の偽ブランド摘発の功績が認められまして」

「ああ、あの大学生が作ったブランドの通販会社か」

「はい、ある人物を調べたいのですが、こちらでは動けないので困っているんです」

「なんだ?」

並河は警察が動けない人物と聞いて驚いていた。


「アメリカのボストンで殺された日本人OLの件で

人物照会がボストン警察から来たんです」

「人物照会か。犯人引き渡し条約が有っても

犯人と確定するまでは日本の

警察は動けないからな」

「はい」

「我々が動くと費用が掛かるぞ。一体誰なんだ?調査対象は」

「バレーボール選手の木村健吾です」

「あはは、それでは動けるはずがないな」

「そうなんです」

「人気バレーボール選手だから週刊誌の方が

情報を持っているんじゃないか?」

「そうですね」

「それなら私の知り合いの記者を紹介しよう。後で電話をする」

「お願いします」

森は電話を切ってため息をつくと亮から電話がかかって来た。

「こんにちは、森さんが困っているのではないかと思って電話をしました」

「えっ?」

「犯人でもない人を警察が調べるのは大変ですよね。

もし知り合いの探偵社が有ればこちらで

 費用を出しますけど・・・」

亮はまるで森の行動を知っているかのように言った。


「その通りです」

「わかりました。紹介していただいた

探偵社に手付金を振り込みます」

「あ、そうしていただくとありがたい。

それと週刊誌記者を紹介してもらえそうなんだが」

「そうか有名人なら週刊誌記者が情報を持っているかもしれませんね。

ありがとうございます」


「それとは別にこちらでも調べられるだけ調べてみます」

「わかりました。また電話します」

亮が電話を切ると森の元に並河から電話がかかって来た。

「週刊毎潮の記者と連絡が取れた。連絡を取ってくれ」

「ありがとうございます。調査費用は先方で支払うそうです」

「ずいぶん、気前がいいなあアメリカの警察は。振込口座メールで送る」

並河はアメリカの警察組織の気前良さに驚いていた。


「それで記者さんの連絡先は?」

「ああ、その件だが先方もOL殺人事件に興味が

あるらしく逆に話を聞かせてほしいそうだ」

「では、ボストン警察のダンさんを紹介する事にします」

「ああ、それがいいだろう。間に君が入って誤解、

語弊があるといけないからな」

「では、自分はできる範囲内で調べておきます」

森は送られてきたメールを亮に転送した。


亮は送られてきたメールのNaNa探偵社の並河に電話を掛けた。

「もしもし、警視庁の森さんに紹介いただいた團と申します」

「はい、並河です。話は伺っています。それでどのような調査を?」

「バレーボール選手の木村健吾さんの交友関係を知りたいのですが?」

「ああ、任せてください。浮気調査は当社の得意分野ですから」

「浮気じゃないんですけど・・・まあ同じですね」

「早速、調査に入りますが調査費を・・・」


「ああ、先ほど100万円振り込んでおきました」

「ありがとうございます。早速今夜から調査に入ります」

並河はアメリカからの送金の速さに驚いていた。

「お願いします。それから紹介いただいた

記者さんは私の方から連絡させていただきます」

「はい、お願いします」

亮は並河との話が終わると毎潮社に電話を掛け記者の

立原を呼び出したが留守だった。

「申し訳ありません。立原は取材に出て

帰社予定が未定になっています」

事務的な女性の声が帰って来た。


「困ったなあ」

「私で良かったら話を伺って立原に伝えますが」

「わかりました。どちらへ行けばいいですか?」

亮と毎潮社の女性と16時に市ヶ谷駅前の喫茶店で会う事になった。

亮が待っている喫茶店に入って来たのは、髪の毛を後ろに縛って

グレーのパンツスーツ姿の女性で亮の事がわからず周りを見渡していた。

亮は目立つように立ち上がって手を振った。


「すみません。アメリカ人だと思っていたので」

「れっきとした日本人です。團と申します」

「はい、星野澄子と申します」

澄子は亮に名刺を差し出した。

「すみません、名刺が無いものですから」

「いいえ」

二人が椅子に座ると亮は澄子の名刺を見た。

「アシスタントと書いてありますが?」

「はい、長期インターンでアシスタントを

していてこの春に本採用です」


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