ツインテールは何歳まで?
周辺諸国の王族が次々と祝辞を述べに現れた。
誉めそやす彼らに閉口しそうになりつつ、当たり障りない返礼をする。
ひと段落した頃合いで楽団が祝いの曲を奏でる。
人々は晩餐を楽しみ始めた、美酒に酔い談笑に興じる。
「さすがに旧貴族は衛兵に止められたわね」
「そりゃそうだろう、僧兵も睨みをきかせているからね」
玉座から離れた壁際で悔し気に此方を覗う一団が見える。
装いの質が明らかに劣るのは気のせいではないだろう。
本来は平民なのだ、会場から追い出されないだけ温情というもの。
だがしかし、不測の事態というものは現れる。
ダンス音楽に切り替わり舞踏が始まった頃合いでソレはやってきた。
舞い踊る隙間を掻い潜り、やむなくこちらへ流された体で貴族風の父娘が玉座前に来た。
(あらまあ、策士ね)
「祝辞を述べる事をお許しください」
髭紳士が腰をおり願い出る、祝いの場で捨てるわけもいかないとスニアンは渋々許可した。
「ご結婚おめでとうございます、ここにおりますのは娘のメリーゼと申します。お見知りおきを」
「オニオネル伯爵の長女メリーゼでございます」
おいおい・・・ツッコミが追い付かない。
祝辞のついでに娘を売り込むとかなに?セカンドネーム言ってるけど爵位ないよね!?
相貌の特徴から明らかにメニア民丸出しだもの!
スニアンは無表情のままピクリともしない。
しかし、怒りが頂点に達して青筋がピクピク破裂しそうになっている。
「お目にかかれて光栄ですわ、麗しの教皇様。氷荊の君、ずっとお慕いしておりました」
ぽうっと頬を薔薇色に染めて、愛を請うような仕草を向ける。
ええええ!?
花嫁の私はさっきからガン無視されてますけど!
髭のおっさんすらこっち見ないんですけど!
これから蜜月を迎える新郎新婦に愛の告白をかましてきた父娘。
娘はツインテールの髪を揺らし、垂れ気味の瞳で丸顔の美少女とも言える容姿で頑張ってます。
でも、この方・・・どう見ても40代、ほうれい線ヤバイです。
ファンデを塗り過ぎてお面被ってるみたいです。
突っついていいですか?
目をしきりにパチパチして可愛さアピールしてます。
それ許せるの10代までだと思うんです。
・・・
・・
・
いたたまれなくなってリモネルは教皇に声をかけた。
「スニアン?」
「・・・ああ、すまない。踊ろうか?」
「え?あ・・・はい」
スニアンはスイッと立ちリモネルの腰に手を当てフロアへ誘う。
数歩進んだところで《ドーーーン!》と衝撃が襲った。
リモネルは弾き飛ばされ横倒しに転げてしまった。
何が起きたのかわからず床の上で呆ける。
誰かの悲鳴と怒号が聞こえた。
「だいじょうぶか!」抱き起したのはナゼルフェン皇子だった。
「ええ・・・あの私は一体・・・やだ!恥ずかしい!」
衆目を集めた失態を恥じて震えてしまう、皇子が上着を掛け視線から庇ってくれた。
――スニアン!?
スニアンはどこ・・・・
「え・・・」
信じられない光景がそこにあった。
波乱でござる




