絹がなければ綿を着れば良いのに
グルトルテ皇国より騎士団が派遣され、領地侵犯をしたとしてモギューヨ元伯爵達は捕縛され尋問をを受けた。
伯爵達は審判の門を通らず結界障壁を破壊して侵入していたのだ。
数分で自動修復してしまうので発見されなかった。
彼らは領地の住民登録せずのうのうと暮らしていたのだ。
住居提供を手引した者も当然処罰を受ける。
発端は「女一人が支配する領地など御し易い」と元貴族は簒奪を企てた。
豊かになった砂漠を我が物にしようと画策していたのだ。
とつぜん爵位を奪われた彼らは、未だ贅沢な暮らしから抜け出せずにいた。
徐々に略奪する謀りが婦人達の暴挙で頓挫したことは不幸中の幸い。
「そんなに爵位って旨味があったの?」
「国から一定の給付が貰えてたし、領地があれば運営功績次第でさらに儲かるのさ」
平民にはほとんど還元されなかったようだ。
かつてのメニア王侯貴族の贅は小国とは思えないものだった。
王国の貧富差は酷かったとカイルが言う。
「結界が強固だと驕ってた私も駄目ね」
日々技術は発展するもの、黒焦げの破砕玉もとい破砕魔道具はリモネルの結界を壊した。
魔道具は便利で危険だと再認識する。
早急に防御態勢を一新すべく動いた。
***
スニアンの設計とゴッツとマールの腕力で新しい結界基が設置された。
さすが大錬金術師、かつてリモネルが作ったものは子供だましのうようだ。
結界壁が分厚く2重構造になり、警報が鳴る仕組みも施された。
それからリモネルはスニアンに破砕魔道具の分析を依頼した。
「うん、中々やるね。障壁に触れた瞬間破裂して穴を空けたのだろう」
結界魔法の正エネルギーに対し、破砕魔法が負の力で捩じり切る。
「でもこれ、魔術師が無理矢理作ったようだね危険な代物だよ」
「そうなの?良くわからないわ」
魔法エネルギーを圧縮し固形化する、それに衝撃または電魔法で刺激して使うのが破砕玉。
それを改悪して結界障壁の魔力を吸収し爆発させる、威力は5倍から10倍。
そう説明を聞きゾッとした、破砕玉は一個で1km四方を破壊するのだ。
「改造玉の陣には爆破範囲を2m四方にまで縮小する構築式、だから結界が空くほどになった。だが爆破エネルギーは一定量じゃない、空間さえ歪めるかもしれなかった」
「もし歪んだら?」
「世界自体に大穴が出来る、もしくは歪みに全部飲み込まれて消える」
誰がそんな危険物を造ったのか。
蒼白になった私をスニアンが抱き寄せた「怖がらせてごめん」と言った。
「いいえ、大丈夫。力を、知恵を貸してスニアン」
「よし、結婚しよう」
「・・・なぜそうなる?」
貴族が全部悪者ではないですが、旧王国の輩は90%害悪設定にしてます




