日常を乱さないで
妹と面会しないのかと大司教もとい、教皇様がおっしゃる。
「そのうち」と答えた。
火山災害終息後、リモネルは即座に砂漠へ戻った。
聖女の使命を果たせとかなんとか、小うるさい蠅(貴族)がうざかったので逃げた。
「勝手に聖女認定して欲しくないわ、いっそオランジェルを立てればいいのよ」
王宮に戻ったリモネルは農作業を楽しんだ。
メニアは滅んだ、縛られる謂れはない。
もとより自分は追い出された身、知ったことではないわ。
冷たい言い草は通常モードだが、聖グロワールから物資は送っている。
ツンデレがリモネルの売りだと元メニア民は知っていた。
突き放す癖に温情厚い聖女、それがリモネル。
「ふっふーんふふふふーん♪」
大好きなパイナップルの世話に余念がない、多年植物なので収穫は安定している。
時々、貝殻みたいな虫が悪さをするが容赦なく浄化する。
「リモ嬢、3地区のパインが収獲期のようだぞ」
ザインが知らせにきた。
「ありがとう!早速帝国のウカイルさんに知らせなきゃね」
「ああ、試食用を送るんだろ、同行していいか?」
「もちろんよ、親子の触れ合いをすれば良いわ」
クスクスと笑い揶揄うとザインはバツが悪そう。
彼はぶっきら棒だが親思いなのだ。
ギルドはまだまだ順調稼働とは行かなかった、もともと外交がない土地だから仕方ない。
砂糖の精製もまだ試行錯誤中、自分たちで消費するのとは違う、外貨を得るには品質は大事。
カインはというと新参農家の雇用契約で忙しかった。
メニアからの移住者もどっと増えて職を求めるもので溢れた。
メニアは農業国だったので人材には恵まれた。
ただ、ジャジさんが増えた住人の管理に追われていて申し訳なかった。
そろそろ住人を管理する役所を設置せねばならない。
ジャジさんはグロワール領知事になる予定。
私は支配者なんて無理だから丸投げである。
国にするつもりは今もないので、うち(宮殿)と分けるのもありかと思う。
「というわけで!移住者は締め切ります!」
1万人を超える勢いだったのでストップをかけた。
ジャジさんは「リモネル嬢の庭をお借りしてるのです、よろしいでのは?」と同意を貰った。
他国がどう私達の生活圏を見てるかわからないが
「ちょっかいかけてきたら容赦しないわ、ふっふっふ」と威嚇済である。
***
「なんで居るの?」リモネルは不機嫌全開である。
朝ご飯を食べるべく食堂に来たのに・・・
「おはよう、愛しい人」スニアンが眩しい笑みでパインジュースを飲んでいた。
あれから「私のことはスニアンと呼んで欲しい」とシツコイ。
なので「教皇様、お立場を考えてください」とあしらっている。
「こちらから押しかけないと会えないだろう?」
スニアンはスクランブルエッグをモニュモニュ食べていた。
「あーもー、スニアン!」
「なんですか?リモ」満面の笑みで答える。
「また、プロポーズですか?帰ってください」
「相思相愛なのに冷たいな」
ギュウと手をニギニギしてくる、いつから相思相愛か!?
「私が好いてるのは貴方ではないわ、ずっと慕っている人が・・・」
「・・・キミの心を支配してるのはマールだろう?」
「!?」
な、なんで知ってるの?
狼狽する私をスニアンがジッと見つめる。
「キミはゴーレムを本気で愛せるのかい?」




