帝国へ
一部の住人が去り落ち着いた頃、帝国へ向かう日を迎えた。
「ゴッツ、マール、サンディお留守番お願いね」
三人はしばらく私から離れない、名残惜しいようだ。
「すぐ帰るからだいじょうぶよ」
「「「むぷ」」」
「いってきます」
「「「ぷむっ」」」
「ねぇ」
「「「・・・」」」
「離れないさい!」
「「「ション」」」
「なつかれてますなー」ジャジさんは笑いながら3人を引き離す。
お爺さんにそんな力が!?
「リモネル様、わたしが3人を見てます。いってらっしゃい」
「はい、いってきます!」
とは言っても移動は目の前。
「さ、手を繋いで円陣組んで離しちゃダメですよ」
ウカイル親子が訝しい顔で私を見る、信じてくださいな。
「3 2 1」フォン!
「ひゃあ、ほんとに消えた!」宮殿で見送ったジャジさんが後ろにコケた。
青白い光を残し4人が消えた辺りをマールが撫でて「むぷぅ」と嘆いた。
***
帝国国境付近――
「「「わああああ・・・あ?」」」
「煩いですよ、みなさん着きましたよ」
帝国付近は随分涼しく感じた、ずっと砂漠生活をしたせいだろうか。
「んん。。では俺が国境警備兵に話をつけます」
外交で慣れてるカインが引率してくれた、頼もしいと思う。
「私はカイン・ショーダル。メニアシトラ王国の方から参った。」
(方)を付けた嘘は言ってない。
通行許可証を確認する警備兵が「おお、一年ぶりですなカイン殿」と言った。
顔見知りのようだ、すんなり入国できた。
連れは家族と移動魔法で付いてきた魔術師だと説明した。
準男爵の父と武官の兄だ、不審者は私だけ。
「スリルありますね、ドキドキが止まらないわ」
「嘘は言ってませんよ?」ヘラリと笑うカインは図太い性格のようだ。
国境から帝国南門まで絨毯で移動した、「馬より早い」とザインが興奮している。
そんな顔してもあげませんよ?
南門も同様に通ってしまう「門兵はね平民だから金に弱いんだよ」カインは銀貨をチラリ見せた。
犯罪なのでは?
「ううぅ緊張で吐きそうよ・・・」
「大丈夫、真っ黒のローブ姿はどうみても魔術師ですよ」
そういう問題じゃないでしょーーー!
帝国の街は何もかも威厳の塊のような建造物だらけで、壁はすべて彫刻が施されている。
噴水は5段作りで、巨大な水の女神が微笑んで立っていた。
メニアシトラにあったものが玩具のようだと思い知る。
「王都のギルドはデカイからすぐわかるよ、ほら!」
ほらってギルド自体初だからわかりません。
神殿のような佇まいで「不届き者は神罰を下す」と言われそうで怖い。
大理石の石柱回廊に圧倒されつつ観音開きの戸を開けて入る。
執事風の男性が「ご用件は?」と聞いてくる。
「我らはメニアシトラから参った先ぶれは出してない、ギルドマスターとの面会許可が欲しい」
お待ちくださいと通話魔道具を取り出し連絡をとっている。
受付フロアはそれなり混雑している、1階は新規登録のビギナーが多そうだが、屈強な戦士がいたり、商人がいたりバラバラのように見えた。
「カードを持って3階へどうぞ」と華奢な受付嬢が案内していた。
どうやら新人の冒険者らしくオドオドしていた。
「お待たせしました、10分ほどなら面会可能でございます」
「ありがとう、案内たのむ」
執事はスイスイとしなやかな黒豹のような足取りで前を歩く、・・・ん?尻尾!?尻尾生えてる!
獣人ですよ、とカイルがこっそり教えてくれた。
ベルベットのようなツヤツヤ尻尾に見とれてしまった。
美しい黒豹執事がニヤリと微笑んだ。
く、食われる!
最奥の部屋へ案内された、黒檀のドアをノックする。
「マスター、お客様をお連れしました」
「入れ」
モノクルを掛けた神経質そうな男性が巨大なデスクで威嚇してきた。
「メニアの田舎風情が何用かね?」
地鳴りのような低い声が響いた。
転移魔法って便利ですねー
移動のなんやかんやも省略できます
✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。フハハハ




