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穀潰しと言われた聖女は自給自足する   作者: ハバネロあんこ
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元商人の家族

リモネルは白絹宮殿へ初めて人を招いた。

ジャジさんの口利きが無ければ出来ない出会いだ。




「はじめまして聖女様。元商人ウカイルと申します、出奔前は準男爵でした。」

黒髪に白髪混じるウカイルと名乗った中年紳士は恭しいお辞儀をした。


「聖女じゃないです、ただのリモネルとお呼びくださいな」

「しかしながら彼の国では教会認定の真の聖女とされていますよ?」

な、なんてはた迷惑な!


リモネルは密かに勝手なことばかり言う国だと罵った。


「それから倅二人を紹介させてください、右がカイン外交官の補佐でした。左は元武官のザインです」

兄弟は揃って会釈した。

「まぁ、補佐というと!」

「はい、他国へ同行しておりました。なにかお手伝いができれば嬉しく思います。」


「ザインです、腕には覚えがあります。護衛ならば身命を賭して仕えます。」

「いやいや、わたしは要人じゃないですよ、命を大切に!!」


元商人家族はエリートのようだ。

商才があるウカイルさんは貿易で貢献した実績と王家御用達になるほどの献上品でのし上がった人物だそうだ。

「ようするに金で買った爵位ですよ」と自嘲しワハハハと笑った。


「王城にいながらお会いすることはありませんでしたね」私が言うと。

「いいえ、熱心に祈りを捧げる御姿は何度か拝見しております」カインがニッコリ笑う。


「まあ、そうでしたか。失礼しました」

「俺も護衛についたことが数回あります、満月の儀の移動などで」

世話になりながら申しわけないと謝ると「「とんでもない!聖女様!」」と大慌てされた。


そして「国を捨てたのに、今更ですよねー」とみんなで大笑いした。


カインは人懐こい人で赤金の髪と目だ。

ザインはちょっと頑固そうな人、黒髪黒目だ。


アホ王子以外の青年との交流は初めてなので変な緊張をして疲れた。

ああ。引き籠りたい。



***


国家間での大きな貿易でなければ、個人交易は縛りは少ないとカウイルさんは言った。

「ただし国によっては税が高いです、ですのでギルド加入を勧めます」

「ギルド?ですか」

「はい、各国にはギルドの支部がございます、商業、工業、冒険者など職により分けられてます」

いろいろと分類があるようで農業と商業ギルドを勧められた。


他国へ入国審査を受けギルド登録する、または支部としてギルドを発足する。

「この地の規模ですので帝国の本部で支部認可を受けるべきと思います」


「帝国というと北東のガルゼア帝国ですか?」

「そうです、ここから馬車で約2週間ですかな。天候によりますが」

なにやら大事になってきたぞ・・・。


「あのーちょっぴり交易したいだけなんですが?」

「「「ダメです」」」


ええええーーーっ!?

ピーナツバターが欲しいだけなのにーー!




ちなみにメニアシトラは農業ギルドと商業ギルドだけだそうだ。

いちおう隣国であるのでナッツくらいは買えそうだが、正直いまさら関わりたくない。

種子を売ってた店主がちょっと気になる、お元気だろうか。



「ふむ、この地に名はありますかな?」

「えーと、つけてません・・・。」すみません。

悪魔の鍋と揶揄された砂漠だものありませんて。


「悪魔の鍋」じゃダメですかと言ったら猛反対された、ですよねー。

「悪の秘密結社みたいのは駄目です、信用に関わります。いっそ聖女様の存在を知らしめるのが得策です」

「聖女じゃありません!」


聖女と言うスーパーブランド?を使う手はないとごり押しされ、不服ながら《聖グロワール》と名乗ることになった。

「聖リモネルは絶対嫌!」と私が断固拒否した結果だ。


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