↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
穀潰しと言われた聖女は自給自足する   作者: ハバネロあんこ
PR
22/67

引き籠り元聖女のジレンマ

「麦種を生かしたい」と移民してきた農夫から申請がきた。

土地はいくらでもある、ショウが担当するオアシス付近を貸した。

だからといってすぐ生えるのかと疑問である。


土づくりからだと農家夫婦は嬉しそうに開拓しだした。

ゴッツとマールが興味津々なようで足げく通い手伝うようになった。


「仮の家ってこと忘れてない?」

宮殿から畑の様子を見ていた。



私はグロワールの書を読んで錬金を少し学んだ。

遠方の様子を宮殿にいながら監視できる優れものを造ったのだ。

外の様子を白水晶から撮り、宮殿の鏡と水盆に映すことが可能になった。


結界防壁の監視も万全になり友人の負担も減ったと思う。

「私は居場所を護るために・・・なのに定住されたらメンドクサイ」

サンディがなにか言いたげにソワソワしてる。


困る人がいれば誰でも助けたい、でも慣れ合いは嫌。


寝室で腐るのも嫌なので自分の農園へ出た。

「雑草が増えたわ・・・よし!抜いちゃいましょう」

小型熊手と麻袋を手に泉近くの畑を無心に手入れした、時々虫に悲鳴をあげつつ・・・。


「ごめんねー虫は排除します」畑全体に浄化魔法をかけた。

泥棒虫という根元に居候する芋虫を消した、排除は毎日してるのにどこから来るやら悩みのタネである。

毟った雑草でパンパンになった麻袋をサンディが腐葉土室へ運んでくれた。


収穫を終えた箇所に畝を作り直した、ハーブを数種育てるのだ。

移民の人からハーブの種をいただいたのだ、断ったのだが薬にもなるのでと強引に贈られてしまった。

「ハーブティーが楽しみね、そろそろ花も育ててみたいわ」


生きるための畑から楽しむための物に変化してきた。

生活に余裕が出るのは幸せなんだと実感する。





腰が痛くなったので昼休憩にした。

サンディがアイスティーを入れてくれる、氷まで入ってるとは至れり尽くせり。

「あなたって私より錬金が凄いけれど不思議でならないわ」


器用に作られた真っすぐのびたストローを吸う、冷たい紅茶が喉を通って涼感に震える。

サンディは私の問に答える気が無いようで、トマトサラダを作っている。

平パンにナツメジャムを乗せて噛む、サクリと香しいパンに良く合う。


「バターが欲しいわね、でも乳牛の飼育は難しいわ」

相手は生き物だ、病気やケガの世話が良くわからない、半分砂漠のここでは牧草地はまだ無理だろう。

「なにより牛さんがいないじゃないの」

リモネルの頭に交易という言葉が浮かんだが即時却下した。


ここは国ではない、交易には他国と交渉が必要になってくる。

「無理ーー!コミュ障の私に外交なんて無理―!」


サンディにバターを強請れば良いかもしれないが負担をかけたくない。

学んでから知ったが素材無し錬金はかなり体に負荷がかかる、もし彼女が壊れてしまったらと考えたら怖くなった。

素材無錬金は禁止した。


「なにが無理なんですかな?」背後から声がかかりビックリする。

「まあ、ジャジさん。こんにちは・・・えーと身の丈に合わない願望といいますか」

宮殿に出入りを許しているジャジさんは、たまに来て世間話をしに来る。

このご老人以外とは交流していない。



「ピーナツバターならなんとかなるのでは?」

「そうね、うっかりしてました!!」

「それで落花生はあるのですかね?」

「・・・・・」



詰んだ。



「なるほど交易ですか、移民の中に元商人がおります一度相談されては?」

「でも、国とか団体という体裁はありません。大丈夫なんでしょうか?」

それらを含めて相談という事になる、他国へ行くということがリモネルには高い壁なのだ。


「うぅ・・・引きこもりたい」

「ぷもー」

サンディがもう籠ってますよと言った気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。