近くて遠い隣人
西中央エリア、白絹宮殿の西隣にそれは出来た。
隣といっても歩いて半日は距離がある、リモネルは極力人と関わりたくなかった。
なにより子供等が「せいじょさま」とはやしてるのが苦痛なのだ。
―――二日前夜中
「総勢317人、家族数58組231人、独身者86人・・・以外と独り身が多いのね」
「ええ、実は・・」
「あぁ、いいわ。事情は聞かない主義」
大方予想がついていたので、深く追求したくなかった。
同情したとて全員を幸せになんて導けない、情けない・・・。
リモネルは58棟の仮設住宅を創造した、素材は砂。
それから雑居住宅を4棟(1棟30部屋)多めに創造した。
そして集会所用の1棟を村中央に配置した。
住宅地を囲むように商店用の平屋をいくつか。
「ジャジさん、いま見たことは内密にね?絶対よ」
「・・・は、はい、さすでございます聖女様ぁ」
「だーかーらー!聖女言われたくないから内緒なのーー!」
一晩で音もなく建築された住居を見ればバレバレな気がする・・・とジャジは思った。
「リモネル様の御力は錬金術でございますね、目の前で見られた幸運!長生きするもんですな!」
「は?れんきん・・・」
「おや、ご存じで行っていたかと?」
「王宮にいた時は無駄な力だと教師に言われたわ、だから無能って言われて」
「そんなバカな!貴重な神業ですぞ!聖なる力をも凌駕する・・ゲホォ!」
ジャジさんは興奮して咳き込み始めてしまった、落ち着いておじいちゃん!
「無からさえ物質を生み出す大錬金術師グロワールは有名な伝説ですぞ、是非これをお読みください!」
ブ厚い書物をぐいぐい押し付けられてしまった。
ぼちぼち読ませていただこう・・・。
***
一晩のうちに小さな街が出来上がったいた事で、移民の皆さんは大興奮している。
「喜んで頂けてなにより・・・ハハハ」
リモネルは乾いた笑い声しか出てこない、成人するまで無能と呼ばれてたんだもの仕方ない。
王家や専属魔術師は魔力量=偉大という感覚だったもの、いまさらスゴイ技って言われても・・・。
そいうえばサンディは無からサンドイッチを作ってた・・・そっか錬金術なのね。
でも傀儡人形の彼女がなぜ?
グロワールの本を読めばなにかわかるかしら?
ジャジさんの采配は見事だった、大きなトラブルもなく住居の振り分けが済、商業施設も借主が決まったようだ。
家賃がどうこう言ってきたが「不要」の一言で押し切った。
「あくまで一時保護なの!ボランティアよ!おk?」である。
「聖女様は無欲でいらっしゃる」
「ありがたや~ありがたや~」
拝まないで・・・・。
心に余裕がないと人助けってできないと思うんです




