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穀潰しと言われた聖女は自給自足する   作者: ハバネロあんこ
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17/67

大所帯

「ファウ、セウ!ご苦労様!」

砂漠北西の結界陣、つまりメニアシトラ東砦を警戒する拠点を二人が護っている。

彼らは3人のような表情は見せなかった、傀儡人形のまま指示されたこと以外はしない。

自我らしきは皆無だった。


少し寂しかったが本来はそういうモノなのだと思う。

それでも「ぷも」っと返事らしい音は聞こえるのでリモネルは普通に声をかけている。

私の大事な友人にかわりはない。


ファウとセウは剛腕だ、ゴッツより大きく3mはあった。

護って欲しいと願って造ったせいかもしれない。

「きょうも頼もしいわ、ファウ、セウ。メンテさせてね」


二人はミルクティ色の巨体をのそりと屈めた「ふふ、いい子ね。」愛しむように二人を撫でた。

五体を満遍なくチェックした、亀裂も凹みも見当たらない。


「うん、二人とも問題なしね。従順過ぎて申し訳ないわ、頑張ってね」

無機物の彼らの報酬は払いようがないので、心苦しいとリモネルは常に思った。

ちょっぴり魔力を流すと「ぷも」っと答えてくれる。


僅少だが、彼らはリモネルの魔力が動力源だった。

この辺りもマール達と違っている、創造した自身にもなんの差なのか見当がつかない。


彼らのほかにも兄弟を増やし大所帯になった。

各所のオアシスの番人をして貰っている、サン、レイ、ララ、キィ、セイ、ショウ。

6人は交代で、点在する結界拠も警邏してくれていた。


「頼もしい友人が家族が増えて嬉しいわ、ねぇサンディ?」

「むぷっ」

サンディはにっこり返してくれた、意思疎通が表情で読み取れるようになっている。

こんな穏やかな日々が続いて欲しい。


***


ザックが運転する馬車モドキに乗りオアシスと結界陣を巡り宮殿へ戻った。

陽はまだ高いので果樹園を覗く。


「マール?実り具合はどう?」

大きな葉の間を縫うように歩く、青い房が所々見えた。


マールは右端で悲し気な顔をして待っていた。

「あらまあ、収穫間際のをやられたのね」

熟成間近だったバナナに所々穴が空き、何本か房から落ちていた。


果樹園近くの水場で鳥が数羽バサバサと羽音を立てていた。

バナナ食後の水浴びを満喫している。


「豊かになると・・・もー仕方ないわね鳥避けを作りましょう」

マールが「ぷもっ」と同意した。


サンディと私はネットを編んで、マールがネットを張る支柱を準備する。

ナツメヤシの保護ネットも用意したが、1本くらいは餌場にしましょうと残した。

するとマールがヤシの木の上に巣箱を作り始めた、新しい住人を歓迎しているようだ。


「仕方ないわね、餌場も作ってあげなさい。クズ野菜と虫食いの果実ならわけてあげる」

「ぷもっ」とマールが嬉しそうに笑った。


粗方雑用を終えた私は休息すべく宮殿へ戻った。

トロリと眠気が襲った頃、不穏な知らせをゴッツが持ち帰った、冷水を浴びた様にリモネルはドギマギした。




「それはどういう状況なの!?」



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