第17話兄妹
「何だあれは?」
俺がそう呟いた時には遅かった。白い何かが大量に降ってきて、ギルドの面々に刺さっていく。
「くっ」
俺の右肩に刺さる…これは動物の骨か?
あのスライムは今まで食べてきた動物の骨を吹き出して、飛び道具としてきたのだ。
骨の矢は詠唱としている【神喰】の馬車にも降り注ぐ
「やばい!」
俺は馬車に無属性の魔法を発動して、馬車の強化をする。だが、無慈悲にも骨の矢は馬車を貫通していく。中にいたアルフたちは大丈夫か?俺は矢の中を無視して馬車の中に入る。
「ぐ…っ」
中は悲惨だった。アルフとカルバには骨の矢が全身に突き刺さり、ラメリアには心の臓の場所に大きな骨が突き刺さっている。フィンネは…右半身を中心に骨が刺さっており、顔を隠していた布が破け、中が見える…この緑の髪と長い耳は
「フィンネ!」
中は本当にフィンネだった。だが、目に生気がない。どこを見ているのかわからない虚ろな目で、呼吸をしてはいるが、反応がない。
ぴしゃり。頬を叩いたが反応がない…
「フィンネの知り合いか…その子は今は意識がない」
アルフが苦しそうな声で言う。
「俺たちの魔法は誰か一人を中心に詠唱するため、その一人以外の意識を封じ込めて、機械的に詠唱させるんだ。魔法を中断した今、意識を取り戻すまで時間がかかる」
アルフは俺を見ながら言ってきた。それを今話してどうなるんだ?
「たのむ…フィンネを安全なところに連れて行ってくれ…俺の名はアルフ・ケルキオン…フィンネは妹なんだ…頼む」
言われなくてもフィンネは助ける…お兄さんだったのか。フィンネのためにもできれば一緒に助けたいとおもった。だが、
「俺はあのスライムにもう一度魔法をぶつける。なあに、あれだけ弱らせれば大丈夫さ」
本当に大丈夫と思っていれば、俺にフィンネを託さないだろう。だが、今はそれを指摘してもしょうがない。彼の最後の頼み…なぜか最後と思ってしまった。それを聞かないといけないような気がした。だから俺は
「ああ、任せてくれ。フィンネは必ず俺が助けて…幸せにする」
余計な一言も付け加えた。
「ふ…幸せか…曖昧な事をいう。早く行け、いつあの矢が降るかわからん」
俺はその言葉を最後まで聞く前に馬車を飛び出た。フィンネを抱えながらとはいえ、俺の身体能力なら大丈夫だ。一刻も早くスライムから離れなければ。
だが、そう思った瞬間、俺の体とフィンネの体に触手が突き刺さる。骨の矢だけではない。そのことを失念しており、スライムから目を離すべきではなかった。意識が遠くなる。遠くから【スルクライ】だと言う声が聞こえる。視界の端にはスライムの触手に蹂躙される姿が映る。ああ…やめてくれ…やめてくれ!
だが、俺の体からドクンドクンと流れる血が俺の体から力を奪っていく。
その様子を眺めているものがいた。それは大和を転生させた神だった。
「なんと…こんなことになるとか…転生者とはこのような運命になるのかもしれん。スサノ、君との約束は果たせないかもしれん」
神は勇者と呼ばれている人物の顔を思い浮かべる。
「彼には普通に生きてい欲しいためだけに、力もそんなに与えなかった。なのにこうなるとは…」
神の目に映っているのは、血で魔法陣を描き出している大和の姿だった。
体調が悪く、簡易更新です。明日投稿できるかわかりません。すいません




