第10話冒険者として生きるということ
今回の話は少し残酷な表現を含みます。そのため、タグにR15を追加しました。申し訳ありません。
朝、俺は起きると直ぐに食堂に向かった。昨日晩御飯を食べていないからとにかくお腹がすいている。今日は何かな?と考えながら食堂の前にくると何やら騒がしい。
「すいません!すべての食料が傷んでおりまして、とても食事を出すことができません。」
と、食堂の前で宿の責任者と思わしき人がが謝っている。周りにいた人は「ちゃんと管理しておけ!」「朝はどこで食べればいいんだ!」「お腹すいたよままー」など、色々言っている。俺は朝飯が食べられないならしょうがないと部屋に戻る。今日は楽しい1日になればいいなと願いながら準備をし、ギルドへと向かうことにした。
ギルドへ向かう道の途中、飲食店の前が騒がしいから何事だろうと思って近くの人に聞いてみると、食材が痛んでる店が多く、朝から空いている店でかつ、食材が無事で食事ができる店が少ないのだという。それでみんな朝飯を求めてこの店に集まっているのか。俺は朝飯は食べられないと思い、真っ直ぐギルドに向かった。
ギルドに入ると、大きな声で
「だれか一緒にパーティを組んで【ゾウサギの討伐】に行かないか?あとひとり募集だ。報酬は均等に分けで、依頼はおそらく午前中に終わる」
とパーティを募集している人がいた。正直、俺はこのあたりのことを知らない。一緒に行けばいろいろなことを聞けるかもしれないだから俺は、このパーティに入れてもらうことにした。
「パーティに入れてもらいたのですが?大丈夫ですか?」
「子供?失礼だが、ギルドカードはあるか?」
俺はギルドカードを取り出すと、目の前の男に見せる。
「ランクCか!ほうこの歳で…いいだろう。依頼はDランクだがらCランクの人が入ってくれるのはありがたい。俺はグエンよろしくな!後で仲間も紹介するよ!」
「俺は望月大和よろしく!最近登録したばかりだから色々教えてもらうかもしれない。」
「あんたが最近話題のルーキーか!いいぜよろしく頼む!」
俺たちは熱い握手をした。こういうひと、俺は大好きだ。
そして俺はグエンの仲間たちのところに案内してもらった。
「私はカルラ!回復魔法担当よ!」
「俺はジン… よろしく頼む…」
「俺は望月大和よろしく!」
一通り挨拶を済ませた。パーティを組むのは初めてだ。
「じゃあ依頼の説明をするぜ、内容はゾウサギの討伐 目標数は15頭で、狩れば狩るほど報酬は増える。場所はテンカの街から出て、南の森の中。最近は魔物の繁殖期が終わったから、比較的安全だろう。報酬は20000Cひとり5000Cの取り分だな。」
「依頼はわかったけど、俺は何をするの?」
「俺とジンは罠の設置、カルラはサポート。ヤマトは討伐の際逃げようとしたやつにに攻撃してくれ。」
「わかった」
「じゃあ、出発しよう」
俺たちはギルドから出て、南の検問所へ向かう。そういえば街に来てから初めて外に出るなーと思った。南に進むほど、水晶で出来た建物が増えていて不思議な光景だった。
検問所を出て、15分ほど馬車に乗ると森についた。馬車の中で俺は討伐の依頼に必要なものや、魔物の探し方のコツなどを聞いていた。今回は短期で帰るから必要ないが、一番重要なのは食料だという。遭難した時にものをいうのは食料だし、初心者は食べられるものがわからないので食料を持ってくるのは重要だという。俺は剣2本しか持っていなかったため、今度カバンを買って色々持ってくることにした。というか、なんでこんな基礎的なことに頭が回らなかったのかと自分が不思議で堪らない。
「森の中に入るぞ、気を引き締めろ」
俺は緊張感をもって、森の中に入る。森の中に入ると、空気がとても澄んでいる感じがした。木漏れ日はとても綺麗だし、鳥の歌も綺麗だった。
「とても綺麗なところだな」
俺は思った事をそもまま口に出した。するとジンが
「…綺麗なのは最初と自分に無関係な時だけだ…すぐに綺麗なものじゃなく…恐ろしいものに見える…」
と、忠告のようなことを行ってきた。覚えておこう。こういう時の経験者の言葉は信用できると、オヤジが言っていた。オヤジ、俺がいなくなったけど元気かなあ。もし俺の今の姿を見せたら喜んでくれるだろうなあ。
「さあ今からゾウサギを狩るぞ。罠を仕掛けるから、カルラとヤマトはこの場所にゾウサギがいるか確認してきてくれ。もしいたらそのままここまでの誘導も頼む」
グエンがそう言うと、ギルドカードを取り出して地図を表示する。現在地と目標の場所が表示されるのでとても見やすい。俺はカルラと頷くと、一緒にそこへ向かった。
「ギルドカードってとても便利だけど、どんな仕組みなの?」
「魔法で本を書く仕組みを応用して勇者スサノが作ったものだと言われてるわ。魔力をエネルギーにして、魔力で画面を維持したり文字を書いたりと、魔力を最大限に利用したものね。」
「へー魔法で本を書けるんだ。それってどんな感じの本なの?」
「絵が動いたり、文字の色が変わったり、噂だけど本の中に入れるというものもあるらしいわよ。」
そんな会話をしていたら目的の場所へ付いた。息を潜め周囲を見渡すと、20匹近くの動物の集まりがいた。その動物の大きさは馬くらいだろうか、体の色は白く、目が赤い。耳が長く、鼻も長い。でかいウサギにゾウの鼻が生えたようだった。
「…あれがゾウサギ?」
「…そうよ、あの鼻を武器として戦う魔獣よ。あの鼻で過去何人の冒険者が犠牲になったかわからないわ。」
見た目通り鼻が発達しているらしい。しかし、あの魔獣は草食なのか肉食なのか…
「どうやって誘導する?俺が前に出る?」
「いいものがあるわ。任せて。」
カルラがそう言うと、腰の袋から赤いものを取り出す。トマトのような果実だった。カルラがそれを握りつぶすと、血のような匂いが鼻にきた。すると、ゾウサギたちがこっちを見た。
「さあ、逃げるわよー」
そう言うと、カルラが一直線に来た道を帰っていく。…俺も逃げなければ!
「うおおおおおお!!」
しまった。さすが野生の獣足が速い。俺の移動速度はなかなかだが、森のような足場が悪いところではうまく走れない。一方カルラは速度を落とさず軽々と走っていく。これが経験の差なのだろうか…。そんなことを考えるうちに、グエンとジンが罠を仕掛けているだろう場所へ行く。
「跳べ!!」
グエンの声が聞こえた。俺は何も考えず、思い切り跳んだ。地面を見ると窪みがあり、俺とカルラはそれを飛び越える。
ドドドドドドド!!
後ろを見ると、ゾウサギが次々に窪みへ落ち、人形のように積み重なっていく。下の方にいるゾウサギは気絶したのか動く気配はない。だが、上の方にいるゾウサギはまだ、元気がある。グエンが止めを刺そうと近づいた時、一匹が逃げ出してしまった。
「ヤマト!俺たちはここにいるゾウサギを処理するから、お前は今逃げたやつを追ってくれ。」
「了解!」
俺は剣を抜いて、ゾウサギを追った。
窪みに落ちた時に怪我をしたのか、ゾウサギの逃げる速度は早くなかった。俺は追いつくと、剣をひと振りする。柔らかくも硬い肉に剣を入れる感触。中から血が溢れ出し、鼓動に合わせて吹き出す。顔に血があたり、ほのかに体温を感じる。このひと振りでゾウサギ死ななかったが、もう助かることはない。俺は、息が荒くしながらこちらを睨むゾウサギと目があった。その時、ゾウサギの鼻がぶれる。ゾウサギの鼻が槍のようにつき出してきたのだ。俺はそれを冷静に切り払うと、そのまま脳天に剣を突き刺す。これで一安心だ。軽い倦怠感と空腹感それに達成感はあったが、俺にはそれ以上の感情が胸の中にあった。
(俺が殺した…これが殺すということか。)
俺は吐いた。いや実際には吐こうとした。胃の中は空っぽで、何も出てこない。えづく。涙が出る。なんでこんな依頼を受けたんだ、と後悔もしていた。だが、
(冒険者として生きていくには、これからもこういうことをするだろう。討伐の依頼が来るということは、何かに迷惑をかけていたのだろう。俺はそれを助けたんだ。)
あの時、鼻をよけられなかったら俺は死んでいただろうし、
(これくらいで吐いちゃダメだ。俺が生きるために殺したんだ。何も悪くない。仕方ないことなんだ。)
俺は自分にそう言い聞かせることにした。足元がおぼつく。この調子で俺は大丈夫なのだろうか。
俺はゾウサギの切り落とした鼻を持つと、グエン達の元へと向かう
。グエンたちはゾウサギを解体して、肉の状態にしていた。俺はゾウサギの鼻を見せた。グエンたちがやってくれたか!と言った直後、俺の青い顔を見て心配をしてくれた。俺はそれを申し訳なく思い、約に立てなくてすまないと謝ったが、グエンは
「謝らなくてもいい。きちんと逃がしたやつを追ってくれたからありがたい。今からゾウサギの肉を運ぶから、一緒に運んでくれ。」
と言ってくれた。カルラとジンが肉を持つ。俺は深くを聞いててこない3人に心の中で感謝し、4人でゾウサギの肉を運ぶ。
馬車に肉を詰め込みおわると、テンカの街へと向かう。空腹感を思い出し、飯が食べたいと思った。先程まで思ってた感情はどこへやら。切り替えの速い自分の心がありがたかった。
だが、街では事件が起きており、大和はすぐには飯にありつくことはできなかった。
次回につながります。それと、自分の文の書き方におかしいところがあればぜひ教えてください。
5月18日街の南の森×街から出て南の森に修正しました。




