↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
7/15

ダンジョンへ行くとさびれまくってた

 晴れてというか、俺は無職になった。


 荷物を背負い、多少の路銀を手に、俺はエドワードさんの自宅兼作業場を出ていった。


 さてこれからどこに行けばいいのか……。とりあえず日雇いの仕事でもして稼ぎたい。街にでも行くか……。


 街に行くと、ドラゴン牧場の柵修繕を募集している。――いつもやってるんだな。まあドラゴンは強いからな。


 でもドラゴン牧場は絶対ダメだ。エドワードさんに会うかも知れない。


 宿屋の洗濯でもしようか……。酒場の皿洗いでもしようか……。


――そういえば。


 ふと思い出した。


 かつて冒険者をしていた頃に居着いていたダンジョンが遠くないところにある。


 そこには、ダンジョン攻略のために、さまざまな職業の人たちが集まっていた。そうすると、近くに装備品を売買する店ができるし、宿屋ができるし、パーティーを組むための酒場もできる。このあたりのどこかで働けるなら、春まではどうにかなるだろう。


 仕事の種類とか、そもそも雇われるかどうかは深く考えずにダンジョンへと向かった。


――ダンジョンの周りは、めちゃくちゃ寒かった。


 厳冬期だからだけではない。人がほとんどいない。大丈夫かここ?


 ダンジョン近くの街に入ったら、廃墟になろうとしていた。道具屋も酒場も潰れている。メインストリートでは誰も歩いていなかった。風が吹くとホコリがすごく舞った。


 俺は、辛うじて営業している宿屋に入った。ここの宿屋は何度も世話になっていた。


 主人はえらく愛想の良い表情で出迎えてくれた。泊まりたいと申し出ると、さらに声が高くなった。


 宿屋の主人によると、どうもラスボスが倒されたらしい。ここでの富と名声は、すでに誰かが取っていったことになる。これでは面白くない。たぶんそのせいだと思う。ダンジョンにいた人たちが次々と出ていった。


 そうすると、パーティーを組んだり情報交換をする場がいらなくなり、酒場が閉店に追い込まれた。武具を買う人もいなくなったので、道具屋も店を畳んだ。宿屋だけは、道具屋と酒場を兼ねて、なんとか細々と営業していると主人が言っていた。


 ダンジョンの中もモンスターがかなり減ったとのこと。宿屋の主人によると、ラスボスがいなくなってからは、さらに減っているらしい。


 富も名声も得られないし、おそらく経験値もドロップアイテムも少なくなってるとなると、ここにいる意味は全く無い。


 ただ、少数ながら今でも初心者が訓練の一環として来るらしい。宿屋は彼らを泊まらせ、装備を買わせ、ダンジョンに送り届けるのだそうだ。その世話でいくらかの収入を得て、糊口をしのいでいるとのこと。


 俺はふとダンジョンに行ってみようと思った。たまにはダンジョンに入るのもいいかなと思った。それ以上の意味はない。


 宿の主人から安い武具を買った。主人、めっちゃ喜んでた。初心者が来るとはいえ、やはり多くないようだ。


「あんまり良くないな」


 俺は銅の剣を手にしながら、はっきりと不満げに言った。


「そりゃあ安いですから」


 宿の主人が答えた。まあその通りだよな……。ごめんなさい。


 宿から送り出された俺は、すぐにダンジョンの一階に入った。何度も入ったダンジョンだ。懐かしい臭いがする。カビとかホコリとかだ。


 少し進むと、スライムが現れた。


――こいつC級だな。


 俺は呟いた。今一つの品質だが、売れるのは売れる。


――いかんいかん。


 俺はダンジョンに入った冒険者だ。スライム猟のことは考えるな。


――重量はあまりないか……。


 ああ、そうじゃない。そうじゃないんだ。スライムと戦わないといけないんだ。


 スッ!


 一撃でスライムを倒した。


 しかし、アイテムもドロップしないし、金貨も手に入らなかった。


――しけてやがる。集めて売った方が稼げるぞ。


 そう言いながら、もう少しダンジョンをうろついた。


 確かにモンスターが少ない。たぶんラスボスの能力で創られたモンスターが多い。今となっては、自然発生分しか期待できない。これはさすがに離れたくなるよな。


 それと、ふと気になったことがあった。


――ダンジョンの中は寒くないな。


 正確に言うと、奥に行くほど気温が安定していた。


 不思議なものだ。これまでは暑いとか寒いとかは、あまり気にしてなかった。


 今、というか、スライム畜養が寒さに負けた直後なので、ダンジョンの気温が気になってしまった。


――それより、前に進もう。


 ここで俺はドアを開けた。ドアの向こうにはコボルトがいた。


 ザンッ!


 すまんが速攻で倒した。


 コボルトがドロップした金貨を拾って、さらに歩を進めた。


 そして、またダンジョンの気温のことを考えた。


――寒くないよな。ということは……。


 ここでスライム養殖ができるんじゃないか?


 そう思いながらドアを開けた。ドアの向こうには、またスライムがいた。


 今度はよく観察した。


 スライムの動きは活発だ。サイズはあまり良いとは言えないが、色ツヤは悪くない。


 ジュッ!


 たいまつの火であぶって倒した。通常なら剣で倒すべきところだけれども、たいまつでも倒せたりする。


――環境は悪くない。エサは追加すればいい。


 俺は気付くとダンジョンの出口を目指して走っていた。


「スライム倒してる場合じゃねえ!」


 スライム養殖だ。スローライフはその後だ。


お読み頂きありがとうございます。

全15話の第7話でした。


「俺」は攻略済みダンジョンに入りました。冒険者の頃と違い、気温ばかり気になってます。もう冒険者には戻れませんね。


きっと次回はダンジョンで養殖を始めるつもりでしょうけど、どうなるでしょう?気になりますね!?(強引)


よろしければブックマークや評価やコメントなどを頂けると喜びます。


よろしくお願いします。


※ Xで少しだけ言った「古のRPG」でも、有名海外シリーズの第1作では、スライムは地下1階でなくもう少し深いところにいます。スライムが地下一階にいるのは有名国産シリーズの影響です。

※ 両タイトルともスライムを焼くことはできませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。