↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界奇譚 釣具に転生!? 早く人間になりたいっ!!   作者: いたたたっ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/25

十七 もう一つの邂逅の事

 チコは、あの変な獣の臭いと気配とを追って、森の中を彷徨った? んだニャン。


 一匹、二匹、三匹と、猫パンチと猫キックと猫頭突きで、彷徨っている最中に、出会った? 変な獣を倒して、それから、一際? 変な獣の臭いが強くする場所に辿り着いた? んだニャン。


 チコは、その、そこだけ、特に? 強い臭いのする場所には、心当たり? があったんだニャン。チコはすぐに思ったんだニャン。


 ここは、あの変な獣の巣? じゃないのかニャン、と、ニャン。


 こんもりと盛り上がった、小さな丘のような? 場所が、森の中に、現れて? その丘のような所の壁面? の下の、森の地面? と接している? 所に、ちょうど? 人が一人立ったまま入れるような? 洞穴? みたいなのがあったんだニャン。


 その、洞穴みたいなの中から、強烈な獣臭がして来てて、チコは、自分の予想? が正しいと思ったんだニャン。


 ここを叩けば? もう、あの変な獣に襲われる事は、少なくとも、ここ暫く? は、なくなるんじゃないかと、チコは思ったんだニャン。


 周囲の気配と臭いと音を確認して、近くには、あの変な獣達がいないと分かると、チコは、洞穴の中に入ったんだニャン。


 洞穴の中は真っ暗だったけど、チコの目は暗闇でも見えるので、全然平気だったニャン。洞穴は、少し進むと、すぐに行き止まりになったんだニャン。


 それで、その一番奥? の所で、チコは見付けてしまったんだニャン。


 二匹の子供? の変な獣の死骸? とニャン。


 一匹だけ、生きている、変な獣の子供をニャン。


 モゾモゾと? 寝ているような様子で、少しだけ、動いていた生きていた変な獣の子供が、チコの存在に? 気が付くと、顔を上げて、鼻をヒクヒクと動かしたんだニャン。


 戦っていた事で、チコの体に移っていた? 獣の臭いで勘違い? したんだ思うニャン。


 子供の獣は、親を呼ぶような声で、小さく鳴いてから、目をゆっくりと開けたんだニャン。


 子供の獣はチコを見て、ちょっと小首を傾げた? けど、チコが何かは分からなかったのか、少しの間を空けてから、餌を? ねだるような? 声で鳴き始めたんだニャン。


 その姿を見て、チコの、心? の中? に、なんとも言えない? 今まで、何度か? 感じた事のあるような気がする? 思い、気持ち? が渦巻いた? んだニャン。


 これは、この思い、気持ちは、何なんだニャン?


 チコは、ハッとしたんだニャン。


 チコは、この子供を、自分と同じ、野良にしてしまったのかニャン? と思ったんだニャン。


 チコは、なんて、残酷な? 事を、してしまったんだニャン。


 これじゃ、チコは、あの堤防でチコに酷い事をして来た、烏や、人間と変わらないんだニャン。


 チコの全身に、雷に打たれたような、衝撃? が走ったんだニャン。


 チコは、今まで、自分が感じていた、あの変な、思い、気持ちが、何なのか、分かったような気がしたんだニャン。


 これは、罪悪感? ニャン?


 これは、あの裁判の時に、聖が魚達や餌達に感じていた、何か? ニャン? 


 チコは、なんて事をしてしまったんだニャン。


 獣の子が、ヨロヨロと? 立ち上がったんだニャン。まだ、とても小さい子供で、足元が? 覚束ない? んだニャン。そのまま、ヨチヨチと歩いて、チコの方に、近付いて来たんだニャン。


 チコは、動けなかったニャン。逃げる事も、撥ね除ける? 事もできなかったんだニャン。


 今のチコは強いんだニャン。 だから、こんな子供なんて、一撃で殺す事ができるはずなんだニャン。


 でも。


 できなかったんだニャン。


 しかも。


 おかしいんだニャン。


 涙が出て来たんだニャン。


 チコは、この子の親や、群れの仲間? を殺してしまったんだニャン。あの獣達は、きっと、この子供の餌を確保する? 為にも、チコ達を襲っていたんだニャン。


 チコは、自分と同じ、天涯孤独? に、この子をしてしまったんだニャン。


 獣の子が、チコの足元まで来たんだニャン。それで、チコの足の脛? の辺りに頭を当てると、何かをねだる? ように、甘える? ように、頭を、体を、擦り付けて来たんだニャン。


 チコは、何も考えられなくなって、力が抜けた? みたいになって、立っていられなくなって、座り込む? と、獣の子を抱き上げて? しまったんだニャン。


 何もかもが? 止まってしまったような、空気? さえなくなってしまったかのような、時間? が、始まって、チコは、動けなくなって、ずっとずっと? 獣の子を抱き締めて? いたんだニャン。


「チコ様? チコ様、こんな所にいたんですね。どうしたんですか? 無事ですか? チコ様がなかなか戻って来ないので、探しに来ました。何があったんですか? 大丈夫ですか?」


「チコ様。もう大丈夫ですぞ。このセバソ、命を懸けて、チコ様をお守り致しますぞ。あへぇぇぇぇぇ。なんですぅ、これは? ひぃぃー。蜘蛛の巣!! チコ様。お嬢様。このセバソ、蜘蛛だけは~、蜘蛛だけは~」


 お嬢様とセバソの声が聞こえて来て、チコの時間が動き出して、チコは、二人のいる方に顔を向けたんだニャン。


「チコ様、それは? 何かを持ってるんですか?」


「分からないんだニャン。これを見付けてしまってから、チコは、変なんだニャン。もう、何とも戦えないんだニャン。殺せないんだニャン」


 チコは、顔を俯けた? んだニャン。


「チコ様……」


 お嬢様が、息を呑んだ? のが、気配と音で伝わって来たんだニャン。


「チコ様。大丈夫です。チコ様は、貴方は、何も悪くないんです。間違ってないんです。貴方は、ただ、私達の為に、戦ってくれただけなんです」


 洞穴の暗闇の中で、お嬢様が、チコの事を、チコが抱いている獣の子供ごと、抱き締めたんだニャン。


 抱き締めてくれた、お嬢様からは、なぜだか? 涙の匂いが、したんだニャン。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。