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私は早く有性生殖がしたい

横河美波


手ノ塚さんの世界。


さっきの大事な言葉を発する前、最中、その後までずっと頭が、体が爆発しそうで仕方なかった。


ササラが頑張ってくれたからか、魔力と欲望の暴走は起きなかった。


普通普通、これが普通の感情。


手ノ塚さんがカオスサイドって教えてくれてから、もう怖い物は無くなった…みたいな。


心臓はまだドキドキしてるけど、頭の中はすっかり青空になっていた。


「これからも、宜しくね」


今度はこっちからキスをした。


あぁ…早く有性生殖がしたい、子供の顔が見たい。有性生殖がしたい、子供の顔が見たい。有性生殖がしたい、子供の顔が見たい。有性生殖がしたい、子供の顔が見たい。有性生殖がしたい、子供の顔が見たい。


頭の中はそれがぐるぐるしてるけど、ムードがね、準備がね、こんな屋外でね、いきなりなんてね、色々。


感情を押し殺して深呼吸。


引かれたり嫌われたりしないようにしないと。



名字を呼んだら、名前で良いよと言われたので


「司、ここはどこ?」


名残惜しいけど、司から身を離して私は周りを見た。


明らかに日本ではないし、変な肉の塊もいたし。


「ここは、俺が作った別の世界。」


司に手を引かれて岩で出来た日陰に私達は腰を下ろした。


肩を寄せ合って手を繋いで、教えてもらった話はこうだった。



ここは司が魔法で作り出した人工的な「異世界」


8番目の勇者をこのチャンネル(色々あるらしい)に封印していて、私とSF界隈とその勇者を交換したと。


「え?あれを町に送って大丈夫だったの?」


相当な危険物だ。


国が間違いなく滅ぶ。


司は営業トークで使ってそうな軽いノリで


「うん、CDRBは優秀だからね」


勇者クラスの神聖魔法があればあのどろどろの竜は浄化できる。


壊れた建物、怪我をしてる人も時間を巻き戻せばどうにかなる。


そういう人材がCDRBにはいるとのこと。


経理に遙か昔の領収書を渡すような事してるし。


「ってか、8番目とか言っちゃったけど、俺12回世界を滅ぼしちゃってるけど引いてない?」


明後日の方向を見ながら、司は私から手を離そうとしていた。


「仕事が出来るんだなぁって思ったよ」


手が離れないように強く握って私の頬まで持ってきて、すりすり。


あぁ、何もかもが愛しくて押し倒したい。


「ありがとう、凄い不安だった」


「私だって不安だったもん」


「多分、これからも呼ばれる可能性もある。突然来るから…その時はごめん」


「大丈夫、ちゃんと待ってるから」


私の思いを知ってか知らずか、司はゆっくりと立ち上がった。


「とりあえず、色々積もる話もありすぎるけど、戻ろうか。安田さんの説教もそろそろ終わるみたいだし」


「そうだね、子供達も心配だし」


「ん?」


「あぁ、私の眷族。私、眷族産んで戦ってもらったりしてたの」


「まじかよ、凄ぇ!うあー…後で必ず色々語ろうね」


「うん」


司が手を振ると、何も無い空間に家のドア位の黒い長方形が現れた。


「さっきの場所から離れた所に出るから外は安全だよ。先に行って眷族君達に無事だよって連絡しときなよ。俺はSFの連中を別の場所に送ってくるから。」


「はーい」


もう1度キスをして、私は黒い長方形に入った。


また夜。


太陽で熱せられた岩の地面が、夜のコンクリートに変わって足がひんやりする。


どこかのビルの屋上かな?


遠くでは光の線が夜空に走ったり色々爆発してる。


炸裂音はここまで聞こえてくる。


派手にやってるなぁ。


金属を食べる子達は私が司の世界に行って接続が切れたからか、消滅していた。


まぁ、能力を特化させたから寿命は数時間だったけど…。


夜風が吹いた。火照った体には心地が良い。司から借りたマントを広げて全身に風を浴びる。


『みんなー、大丈夫?』


私は子供達に呼びかけた。


『あ、ママだ』


『どこ行ってたの?クィスも判らないっていってたし』


『すごい心配したよ~』


『全員キックに避難させて貰ったから平気~』


『ママ、大丈夫?』


それぞれが一斉に話し掛けてきた。とりあえず無事で良かった。


『ママは平気だよ。みんな、先にお家に帰っててね~』


『はーい!』


早く皆に言いたいけど、どうにか堪えた。


ちゃんと家族会議で言わないとね。


とりあえずどうしようかな?


これから2人で何しようかな?


明日は仕事だけど、休んじゃおうかな?


あ、でもどたばたしてて司も疲れてるかも?


それなら一緒に寝る位はしても…でもでも、それならこっそりやっちゃっても…


遠くで光線が空を薙いでいくつも爆発、火柱があがる。


私には祝福の花火に見えた。


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