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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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31 全員集合?あ、居ない人もいるけど取り合えず集合

シュンくんと根本くんに魔王領から人族領の境目辺りまで案内&護衛してもらって移動してきた。

いい加減人族側のほうで心配しているだろうから戻ったほうが良かろうと魔王様からの直々のお達しで、あくま神官の根本くんと拳王のシュン君が護衛して送って差し上げるようにとの命であった。


正直居心地がいいからもっと魔王領に滞在したかったというのが本音で、こっちが良かったなアなどと思ってしまっていて、文化が発達している事、シュンくんの作るラーメンなど、そして魔王様に何故かものすごく惹かれてしまい、戻りたくないなあなどと思ってしまっていたのだが、いかんせん、私は人続柄側に属しているのだから、仕方がないのだ。ここにいつまでもいるわけにはいかない。

それに、多分、騎士団隊長のユーリさんも、京也も王宮に戻りずらいだろうなあ、聖女を魔族側に奪われてしまったということの失態、進退問題とかになったり処罰とかされたりしてる可能性もある。


私はぴんぴんして遊んでいるのだが、温泉もいいし、可愛い服とかもたくさんあるし、食べ物も上手い。物資が豊富だし、魔族ってけものみたいに凶暴で怖いのかという先入観とは違って、モフモフしていて可愛いというのが一般的であった。

それにイケメン的な魔族も多くて、魔王様もそうだし、こっちはこっちでめちゃくちゃ良いという事が分かってしまったのである。女の子もケモ耳で可愛いし。

シュン君が連れている蛇の子も美少女だし。

水洗トイレだし、清潔だし。

魔王様の力なのか治安がいい。

悪い事なんかしたら、そりゃ怖いよね。魔王様が統治しているんだから。

中央集権国家の理想形かも知れない。

これはこれでいい国家形態なのではないだろうか。どうゆう政治形態かはよくは分からなかったけど、とても平和でいいところであるという事だけは分かったのだ。短い滞在なのでそこある本質とかはわからないのは住んでもいないから税金とか納めてるわけじゃないし、分からなくて当然なのだが、確かにわかったことは、ここに住んでいる魔族はみんな幸せに暮らしているように見えたという事。

そして、またしても私の頭に湧いた疑問。


【この国を侵略して滅亡させて領土を自分たちのものにするという事が正しいことなのか?

この戦争って私が加担してやることっていいのだろうか?私はこの魔族たちを滅ぼさなくてはいけないのか?それって本当に私がこの世界に来てやらなくてはならない事なのだろうか。】


【この世界の居住地域、この世界そのものが小さくなって狭くなっていること、虚無の侵食が進んでいる事は分かったけど、だからって魔族を滅ぼして魔族領を自分たちの領土にしたとしても、結局どんどん虚無の侵食が進んだら、全部消えてしまうという事になるのではないのか?戦いに意味などないのではないだろうか、たとえ魔族領を手に入れたとしても、一時的に領土が増えるだけで、根本的な解決にはならないのではないのだろうか。】


【それより、この虚無による浸食、世界の消滅が進んでいる、それ自体を止めなくては意味がないのでは?】


【そのためにどうしたら。どうしたらいいのかを考えなくてはいけないのではないだろうか。】


私は、その答えを探さなくてはならない。


大賢者蘭乃丈くんは本当はこの事を知っているのでは?それなのになぜ、



なぜ、戦いを止めないのだろう。






それと、私に人族領に戻るように伝えた魔王様が言った言葉も気になる。


「聖女ナリコよ、そなた、余の元に居ればそなたに足りないものを教えてやることも出来るやもしれんが。

ここに居る時間が長くなれば人族領の方の動きも活発になりそなたを奪還しようと、この戦いが激しくなるだろう。

そなた、一存でここに来たのであろう。

王宮ではそなたのこちらへの単独訪問は、認識してないと見える。

大騒ぎになっておるだろうな。

名残惜しいが早急に戻ったほうが良かろう。


それに、そなたの想い人の勇者殿がこちらに向かってきておるようだな。」


そういって水晶玉を見せてくれたのだが、そこには京也くんが必死な形相で歩いているのが見えた。

スライムを倒しながら進んでいる姿が。しかもたった一人で。


「何やってんだ?あいつ。」

「バッカじゃねえの?」

「前々から馬鹿だと思っていたが馬鹿ですね。」


シュン君と根本君が水晶玉を見て笑った。


「全く。」


「馬鹿、」


「あくま神官、拳王、二人は聖女ナリコ殿を護衛して、あの勇者殿にお渡しすることを魔王の名において命ずる。そして、無事人族領まで案内して差し上げろ。ナリコ殿は大切な客人ゆえ、丁重にな。」


という流れで今の感動の再会になったのだが、


私が気になっているのは


「ここに居れば、そなたに足りないものが」の流れである。


私に足りないもの。


足りないものが見つかれば、この世界を助けることが救う事が出来るのだろうか。

私は、人族領の人たちも、魔族領の魔族のものたちにも


死んでほしくないのだ。


本当は戦いたくない。


だって、


ヘブンズゲイトのメンバーが全員集合してるのに。


あ、蘭の丈くん。


蘭乃丈くんは王宮にいるから集合してない。


けど、ずっと15年とか一緒に活動してきて、家族より一緒に居る時間が長かったって言ってるインタビューとかも見た、そんなメンバー同士で殺し合いとか、戦争とか戦いとか、そんなのやだよ。


今だって、蹴飛ばされたりしてるけど、

だって、加減してるじゃない。


「ちょっと、離して下さい。抱きしめられていては治癒魔法が使えません。今、治癒魔法かけますから。」

そういって、京也に抱きしめられていたのを振りほどき、


ちょっと不満そうな顔をしてたけど、

大丈夫とか言ってたけど

治癒魔法かけてみたけど


確かにそんなにダメージはなかった。


あんなに蹴飛ばされてたけど。


それを助けもしないで裏で見てたけど、

口元に血が流れている姿が


なんか情けなく蹴飛ばされてる姿が

なんかちょっとセクシーというかエロいというかで


耽美な感じでつい、助けるどころが見入ってしまったというのもあるのだが、元メンバーの二人が、そこまでひどい事をしないだろうなというのもあった。


それに魔王様無事に送り届けるようにとの命を受けていたし。

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