27魔王城の晩餐へ
魔王城の待遇はあまりにも良かった。捕虜としての、捕虜って言われてないけど実質捕虜な立場だろうなあ。と思っていたんだけど。
なんかお疲れでしょうからと、魔王城の中にある大浴場でゆっくりと疲れを癒してくださいと言われ、行ってみると、温泉だった。
確かに魔王城は高い山の上にあるから温泉くらいあってもおかしくないんだけど、温泉。大浴場。
帝国の宮殿の浴場よりいいような気がするんだが。
しかもちゃんと男湯と女湯が分かれている。何これ。まるで地球の温泉と変わりないではないか。それも日本の観光地の高級ホテルとか温泉宿とかにあまりにも似ているような気がする。
脱衣場もあるし。
タオルとかもあるし、かごもあるし。
日本に帰ってきたみたいで、ちょっとうるっとしてしまった。
しかも、
露天風呂まである。
天空の城の露天風呂。最高すぎる。
温泉の温度もちょうどいい。
魔物も人間もしょせん生き物ということでは同じなのではないか。
これを気持ちいいって思うってことは割と価値観も同じなのでは?という考えがふとよぎる。
ほんとに、なんで戦うことになったんだろう。
女湯があることについてびっくりしていたら、鳥の形をした魔物が、「サキュバスとか、吸血鬼とか、ゴブリナとか、魔物にも普通に女湯じゃないと風呂に入れない種族とかいるって言う話しで、考えてみたら男とか女とかいないと種族が増やせなかったりするだろうし、魔物に男女があるのに驚いたりするのが失礼だった。だから、益々魔物と人間の違いって何?ってちょっと思ってしまったのだ。話とかもできるということは知能というものもあるというわけだし。
しかも風呂を出た後に着るように
「お召替えの衣装をご用意させていただきました。」
とのことで、なぜかドレスが用意されていた。
なんでこんなものがあるのか疑問におもっていると、
魔物の中にも人型で、高貴な魔物がおり、吸血鬼の姫君などはドレスを好んで着用するので、それ用に衣装を作る職人もいるし、ドレスを取り扱っている店もあるとのこと。魔王さまが聖女様にと用意してくれた品物らしい。ちょっとみただけで、上質な生地を使った高級な品だと分かった。しかも軽い。これなら温泉の後に着ても重くもないし、晩餐をいただいてもお腹も苦しくならないだろうなというようなドレスで、しかも美しかった。これを着たらだれでも美人に見えるような服である。
魔物の国の文化の程度の素晴らしさに驚くばかりである。帝国の服ってちょっと窮屈だったような気がするからこっちのドレスのほうがいいなと思わずにはいられなかった。ちょっとしたカルチャーショックである。魔王城はイメージ通りの魔王城で、暗い感じで岩とかの自然を利用したごつい作りではあるので、おどろおどろしさはあるのだけれど、ところどころに文明の高さを感じずにはいられないのだ。
なんか不思議な場所だよなあ。と思うしかなかった。
戦闘用のぼろ地味ローブから着替えて可愛いドレスに身を包んで、魔王様主催の晩餐に出席する時間になった。
大広間らしきところに案内される。
着席すると、驚くような人たちがいた。
いやいや、驚くなと言っても無理というか、よく考えたら不思議でもなんでもなかったんだけど、
地球で日本で見知った顔がその晩餐のテーブルについていたのである。
魔王軍の重鎮として。
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