25魔王城潜入
そうなの。
魔王様身長は多分180センチくらい。やたらデカいわけではなし。
あまり背が高い人好きじゃないから190センチとかあったら萌えないんだけど。
背の高さ許容範囲。
普通に多分一番人気ある感じ。
あと、髪型が良い。シルバーに輝く銀髪をくっと後ろで結んでいる。
整った顔立ち。素晴らしい美形である。鼻筋がすっと通って、薄い形のいい唇。
すっとしてる顎。
そして、目が赤と緑のオッドアイ。
ヤバい。目がくらむようなイケメン。もう最後の攻略キャラのラスボスが超イケメンでした。って感じで、心臓がバクバクしてきた。
めちゃ好み。現実世界ではあり得ないアニメとか乙女ゲームの世界にいる感じのイケメン。
とにかく思わず自分の今の立場を忘れてしまうほどのイケメンだったのだ。
魔王らしく毛皮なんかをあしらったマントをまとっているのもかっこいいし、魔王の衣装が私の好きな推しアイドルグループヘブンズゲイトのライブ衣装とデザインも似てるし、ああ、もう何この状況。はあはあしてしまうんだけど。
って危機を一切感じていないのが私が聖女の魔力を持つからなんだろうけど、聖女にあるまじき煩悩の数々で、これではいろいろヤバくないかなと先々が不安になるくらいのときめきだったのだ。
それに声もいい。イケボだったのだ。ひとこと発しただけでイケボだ!とはっとするくらいの殺傷力だった。脳髄に染み渡るイケボ。いわゆるイケメンボイスである。脳から痺れてしまうやつである。
アニメの声優とかやったら腐女子が全員即死亡ってやつだ。これ。
「聖女が何故ここに来られたのかな?」
息を飲んで見とれているとすかさず質問が来た。
まさか下手こいて、落とし穴にはまり転移門を踏みここにきてしまいましたとか本当のことをいうべきではないよなあ。どうしたものか。
ここはもう適当だけど、ハッタリかますしか。
「お話をしに参りました。
というより、なぜこの戦いをしているのか聞きたかったからです。だからこちらに参りました。」
これは本当の気持ちもある。なんで魔王軍と帝国軍が戦っているのか知りたいとは以前から思っていた、そもそもの戦いの始まりは、人間である国王より長命な魔王のほうが知っている可能性もあるからだ。
そもそもの戦いの始まり、目的、なぜ戦うようになったのか。なぜ敵対するのか。
魔王はハッとした顔で何か考えているようだったが、
「それで、貴殿は一人でここへ?他に護衛のものは見当たらないようだが。」
「一人で参りました。私には今は戦う意思はありません。お話を聞きに伺ったのです。」
さっきまで俄然戦っていたのだから全くの嘘なのだが、窮地に立っているのだから仕方がない。この状況で魔力がきくかどうか、転移して脱出とかできるものなのか、試してもいないし、魔王城ともなれば魔法結界も張ってあるだろうし、安易に自分の力を過信するわけにはいかない。
とりあえずは戦意がないということを見せて逃げるなり助けを待つなりするのが得策と考えた。
大体聖女の自分と魔王と魔力がどちらが上かとか分からないし、下手なことはできない。なんとなく魔法攻撃とかしても跳ね返すとか無効とかありそうな気しかしないのだ。
魔王って大体ラスボスだし、聖女で勝てるとか聞いたこともないしな。魔王を倒すのは大抵勇者と決まってるし、私はヒーラーとしての価値しかないのではないのだろうか、対魔王戦においては。
それにまだ、レベル上げも済んでいないし対魔王戦なんかまだ先だと思っていたから全然対策とか作戦とか立てていなかったし。
ほんと、ドジな自分を恨むしかない。
こんなハッタリが通用するのかわからないけど、仕方ないよな。
と思っていると
「そうか、そういうことなら。」
「はるばるの来訪でお疲れであろう。魔王城にようこそ。」
「聖女殿を部屋を。案内を頼む。」
「われも此度の戦いで休んでおらぬ。少し疲れた。休むので後でゆっくりと話をしようではないか。部屋を用意させるゆえ、体を休めるなどして待っていて欲しい。突然の訪問ゆえすぐには会談に応じられないが承諾してほしい。」
あっさりと私のいい加減な話の提案が受け入れられたらしい。
私はこうして魔王城の中に潜入することになった。




