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推しと異世界召喚    作者: 安寿
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K8とくかくコツコツ

この世界に来て一週間。俺はキングスマナリン王国立学園武術コースで学んでいる。

ここはあの気障男でいけ好かないユーリとかいう近衛騎士団隊長も通っていたらしく、由緒正しい素晴らしい教育をしてくれる学校らしい。

なんで今更学校に通っているかというと、当たり前だが、まず、この世界のことを俺は知らない。ある程度の歴史とか社会についてとか知っておいて損はない。もし魔王と討伐が成功したとして、この世界の人類の未来を少し守ることが出来たとしても、俺が元の世界に戻れる保証はないからである。というか、多分恐ろしいことだが戻れる可能性はほぼゼロだと思う。戻せる魔法があるか分からないし、今まで召喚されてきた勇者はほぼ確実にこの世界で死んでいるらしい。口ごもってしまいはっきりとした答えを誰も答えてくれなかったが、ちょっと調べただけで帰れた人が皆無であるということが薄っすらと分かった。役立たずで多分処分されてそのあとにまた新たな勇者を召喚したりした形跡もあるので、死んだのはほぼ自然死ではないらしい。元の世界に帰れないことやこの世界になじめず絶望して自死を選んだもの、魔族との戦いで戦死したもの所在不明のものなどもいる。所在不明というのが気になるが、この世界に所在不明でも勇者が存在する以上新たな勇者を召喚できないので、所在不明が一番まずい状況らしく、そのせいで監視の意味もあって学園入学という流れになったのではないかと邪推してしまった。所在不明がどこかで楽しく潜みながら幸せに人生を終えたというのは考えにくく、想像でしかないが魔族に捕らわれ、軟禁されて一生を終えたのではないかと推測するのが一番可能性があるような気がする。勇者を捕らえて殺してしまえばまた次の勇者を召喚されてしまうので魔族としては殺さず幽閉しておくのが最良の方法だろうし。殺されて死ぬかつかまって幽閉、そのようなことをされるという確証はないがそういう未来しか見えてこない。そう考えると俺たちはとんでもない世界に召喚されてしまったというのが本当のところだろう。寝る間もなく働いてアイドル業をしていた俺にとって王立学園に通って剣術の稽古をするというのは思ったより楽だったが楽なのは時間管理で寝る暇があるということくらい、この剣術の稽古に命がかかっているということが分かっているので結構真剣にやらざろうえず、楽というほどでもなかった。さすがにいきなり権を渡されて魔王討伐に行ってくださいと言われなかったのは良かったのだが、毎日剣の稽古が思ったよりキツイ。手はもう豆だらけである。野球の素振りを毎日していたときより、多分きつい。俺はどうもステータスレベルが低いらしく、それでレベル上げをしないと討伐どころがその辺の魔物や盗賊にすら勝てないらしい。何故か大賢者の実近は召喚されたときからステータス完ストらしく、何の苦労もなく国王の側近として存在しているのだ。もちろん、厳しい訓練もなく、暇そうにふらふらしている。なんか呼び出された時だけ助言とやらをすればいいだけの簡単なお仕事らしい。

何この状況?という感じである。聖女として召喚された成子さんも口では言わないが、というか彼女のステータスを見ることができるものが存在しないらしく、実近あたりには見えてるのかもしれないが区とを割らないので、多分相当にレベルが高いと見受けられる。彼女自体自分のレベルについて言及しないので聞き出すのもなんなので訊いていない。レベルといい魔力量といいかなり上級らしいが、何分魔法という概念のない世界から来たので、当たり前に魔法を使い魔力を操るとうのは難しいらしく、やはり彼女も王立学園の魔法コースに通って魔法を習っている。

彼女には王立魔術師団の師団長ナデル・ミリンボーンが特別講師として直々に専属指導をしているらしく、そのような特別待遇は今までの聖女教育でもなかったことらしく、何やらみんな騒いでいた。

特別待遇だし、とにかく上達の速度が半端ないらしく、ときどき魔法コース棟からわー!とか、きやー!とかうおー!とかいう歓声が聞こえてくるが成子さんの魔法に対してのものらしい。

羨ましい限りだが、俺は毎日とにかくコツコツを剣の素振りからやるしかないのだった。

今日も朝から素振り千本やってからの指導ということで稽古つけてもらう前の素振りをしている。

とにかくコツコツとやり一歩ずつでも前に進むしか道はないのだ。

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